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睡眠不足が片頭痛リスクを高める

 研究者らが睡眠と片頭痛の関連を調査しました。Neurologyに発表された研究によると、睡眠時間が不十分だったり、睡眠の質が低いと片頭痛が起きやすくなることが明らかになりました。
 
●睡眠不足と片頭痛リスクの関連性
 上記の研究者は、睡眠時間を含むエネルギーと気分のレベルを詳細に記録するために、研究参加者には毎日睡眠の質に関する情報を記録してもらいました。研究者らは、日々の数多くの指標を追跡することによって、片頭痛の引き金になる可能性を分析しました。
 
 研究の結果、前夜の睡眠の質が低かったと感じる人は、翌朝の片頭痛の確率が22%高いことが明らかになりました。研究参加者は、電子日記と携帯電話アプリを使って個人情報を記録しました。このようなツールは、1日を通しての感情状態を記録するために使用されました。感情状態には、ストレス、エネルギー、気分、不安などが含まれています。
 
 合計477人がこの研究に参加し、最年少の参加者は7歳、最年長は84歳でした。 また、この研究に参加した女性の数が男性の数のほぼ2倍であったことも注目に値します。

 研究参加者には、睡眠時間、起床時間、睡眠の中断を数値化するために腕時計のようなアクチグラフ・モニターを装着してもらい、睡眠時間と睡眠の質に関する情報を提供してもらいました。さらに、2週間にわたる片頭痛発作とその時期も報告してもらいました。

●片頭痛における概日リズムの役割
 研究著者らは、この結果は概日リズムと頭痛の因果関係を裏付けるものであると指摘しています。概日リズムとは、覚醒と睡眠の24時間周期のことです。このようなリズムは、覚醒状態、空腹感、体温、疲労感など、身体のプロセスを形成します。

 概日リズムの変化は、日中の気分を形成します。 このようなリズムの乱れは、記憶障害の発症にも関与しています。データによれば、片頭痛に悩まされている人の半数は、頭痛に関連した概日リズムパターンを持っています。さらに、頭痛は同じ時間帯に起こる傾向があります。

●良い睡眠を得るためのシンプルな戦略
 より良い睡眠を得るためには、ライフスタイルの選択と就寝前の習慣を組み合わせる必要があります。定期的な運動は、メラトニンのような睡眠ホルモンの働きを高めるため、重要な役割を果たします。 ただし、入眠を妨げるような刺激を与えないよう、就寝間際の激しい運動は避け、適度な時間で行うことが大切です。さらに、ベッドに入る前に、ぬるめのお風呂に入ったり、心地よいクラシック音楽を聴くなど、心を落ち着かせるような行動をすることも有効です。また、就寝の少なくとも3~4時間前には食事を摂らないようにすると、消化がうまくいき睡眠が妨げられるリスクを減らすことができます。 また、寝室に遮光カーテンを使用すると、暗くて眠りやすい環境を作ることができ、概日リズムを整えてより安らかな夜を過ごすことができます。
 
 ホワイトノイズや心を落ち着かせる音を睡眠環境に導入すると、潜在的な障害をかき消すことができます。 就寝前に深呼吸などのリラクゼーション法で心配事を取り除き、安眠につながる静かな精神状態を促しましょう。これらの習慣を毎晩の習慣に取り入れることで、睡眠の質を高めることができます。

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