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コルチゾールが高いと病気や早死のリスクが高まる

 ストレス反応では、コルチゾールなどの副腎皮質ホルモンを大量に分泌して、突然の危機に備えます。 この「闘うか逃げるか」という身体反応は、緊急事態を乗り切るためには有効ですが、ストレスが慢性的に続くと、その反応自体が健康を脅かすようになります。コルチゾールが慢性的に続くと、病気のリスクが高まったり、寿命が縮んだりします。 しかし、幸いなことに自然な方法で過剰なコルチゾールを低下させることができるのです。

●コルチゾールが多すぎると老化が促進され、早死にするリスクが高まる
 コルチゾールはステロイドホルモンの一種であるため、過剰なコルチゾールにさらされると、慢性的なステロイド過剰投与による身体的・精神的影響が現れるのは当然のことです。体内のコルチゾールが多すぎることによる好ましくない副作用には、心臓発作、肝臓腫瘍、腎不全、精神疾患などがあります。加えて、不健康なレベルのコルチゾールは老化を早めるようです。 実際、研究者によれば、慢性的にコルチゾールが高いと老けて見えるとのことです。過剰なコルチゾールは、テロメア(染色体の末端にあり、染色体同士が絡み合うことを防ぐ「キャップ」)を短くすることが分かっています。重要なことはテロメアが短くなると、寿命が短くなることです。

 コルチゾール値が慢性的に上昇すると、死亡リスクが高くなることが研究で示されています。ある研究では、コルチゾール値が高い女性は正常値の女性よりも死亡する確率が82%高いことが判明しています。 男性の場合、死亡リスクは63%でした。

●コルチゾールが慢性的に高いと、重篤な病気になる確率が高くなる
 心臓にとって特にストレスとなるコルチゾール濃度が高いと、心臓病の危険因子がない人でも、心血管系疾患で死亡するリスクが5倍になります。そして、その害は心臓病だけではありません。過剰なコルチゾールは、糖尿病、メタボリックシンドローム、高血圧、高血糖、うつ病、アルツハイマー病のような神経変性疾患などを発症させるリスクも高めます。

 コルチゾールはストレスに関連した食欲や過剰な腹部脂肪を引き起こし、筋肉や骨量を減少させる原因となるため、肥満のリスクも高まります。 極端な場合、コルチゾールレベルが高いと、顔に余分な脂肪や水分が蓄積し、ステロイドの過剰投与で見られる「ムーンフェイス」のようなむくみが生じることもあります。

 過剰なコルチゾールは、脳の記憶の中枢である海馬の縮小と関連しているため、高コルチゾールは認知機能の喪失とも関連しています。

●コルチゾールレベルを下げるには
 コルチゾールレベルを下げるには、ストレスを軽減・管理する方法を見つけることが不可欠です。 簡単に言えば、健康的な食事、定期的な運動、グラウンディングの実践が、ストレス軽減に役立つということです。電磁波への曝露を減らすことも有効です。

 さらに安全で効果的であることが証明されている天然物質もあります。ロシアの伝統医学の定番であるロディオラロゼアは、脳・副腎系と相互作用してコルチゾールの産生を抑制するアダプトゲンハーブです。 また、免疫系機能を高め、気分を改善し、不安や抑うつを緩和すると考えられています。

 ライチと緑茶の組み合わせがコルチゾールレベルを下げる可能性も、研究で証明されています。ホリスティックヘルスケアの専門家や薬草学者は、ライチの果実には酸化ストレスを軽減し、コルチゾールを減少させるポリフェノールが含まれていると長い間信じてきましたが、ライチの果実に含まれる多くの長鎖植物化合物は体に簡単に吸収されません。緑茶カテキンを加えるとポリフェノールのサイズが小さくなり、生物学的利用能が3倍になることがわかっています。 さらに緑茶にはアミノ酸の一種でコルチゾールレベルをコントロールするのに役立つテアニンも含まれています。
Nutrition Research and Practiceに掲載された研究で、ライチナッツと緑茶のポリフェノールを組み合わせたオリゴノールが、コルチゾール、およびインターロイキン-6などの炎症性サイトカインを有意に減少させることが報告されています。

 最後に、マグノリア樹皮とキハダ樹皮の組み合わせは、コルチゾールを低下させ、不安を改善するのに効果的です。マグノリア樹皮に含まれる有効成分のひとつであるホノキオールは、不安の軽減においてジアゼパム(バリウム)を凌ぐことが判明しています。キハダはコルチゾール誘発性の食物欲求を制御する可能性があることが示されています。

 闘争か逃走かのストレス反応に使われるコルチゾールは、身体の貴重なサバイバルツールの一部です。 しかし、長期的には、このステロイドホルモンの過剰な分泌は生命を脅かす可能性があります。 コルチゾール値が高いと思われる場合は、知識豊富なホリスティック医学の専門医に診てもらい、適切な診断と治療計画を立ててもらいましょう。

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