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デムナ・ヴァザリアが服に求めるもの

デムナ・ヴァザリアvetementsのデザイナー(元)にしてbalenciagaのアーティスティックディレクター。

彼が服に求めるものはあくまでも実用的でなくてはならない。(実用主義の思考)この考えがどういうものか、そしてどのような過程でこの考えに至ったのか。私たちはこの考えからファッションをどう捉えるか。

※答えがないファッションというものを現在ファッションを創っているデザイナーや文化、背景など様々な創造物(者)の視点から見て、考え、私たちの求める「かっこいい」『素敵』につなげるために世界の様々な情報を繋ぎアウトプットしております。少しでも共感いただけたらいいねとフォローお願いします。

時系列


1980年代社会主義国家の中で生まれたデムナは常に戦争と隣り合わせで暮らしてきた。
そして2000年代文化的なドイツに移住することになる。そこで彼はファッションに興味を抱く。
アントワープ王立芸術学院へ進学し首席で卒業する秀才の彼を教えたのはアントワープ6の1人ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクである。
その後マルタンマルジェラが姿を消す前のアトリエで共に働き、マルジェラでファッションの概念的な創造思考(コンセプチュアル)を学び(2009年)次に消費者に対する販売とラグジュアリーのブランドについて知りたいと考えたデムナはルイヴィトンに加入。(2013年)
当時、感覚で服作りを行うマークジェイコブスと完璧主義のニコラジェスキエールのもとでシニアデザイナーをつとめた。
その後様々なフィルターを通った彼は自分の表現をする場所を探すとともに、人々がリアルに着れる、そして持続可能な服づくりを求めてvetementsをファッションビジネス面で支える弟のグラムと創設。(2014年)
経歴の紹介から注目されていたが、ラグジュアリーストリートという新しいジャンルが大ヒットし、マスにオーバーサイズやユニフォーム、ハイスト文化を生み出した。(2000年代はデムナの年というのも裏付ける内容だ。)
翌年、balenciagaのアーティスティックディレクターに就任。
そして現在に至る。

オーバーサイズ ユニフォーム セキュリティ

デムナのコレクションで度々見かけるオーバーサイズな服やユニフォームのような服をサンプリングしたりするのには彼の幼少期の記憶が関係しているようだ。
小さい頃から子供の洋服がなかったためにおさがりと言う形で大人用の服を着ていたことや、食料配達してくれる保険機関の人たちのユニフォームを見て感動したことからデムナのインスピレーションはきている。
それにこれは持続可能性についても強く言及しており、リサイクル問題の解決を謳っている。それ以外にもデムナは社会や性、宗教といった現在の世界で問題になっていることを洋服に落とし込むことも大切にしている。
デムナは、社会問題となっていることを危機だと感じ社会に訴えることは表現者としての権利としている

現実主義


デムナはリアルと高級思考な服を提案する天才。ラグジュアリーストリートという文字が指し示しているようにあくまでもストリートで着れるラグジュアリーでしかない。 
それはデムナがマルジェラで学んだコンセプチュアルな思考が関係している。
デムナは『人は無意識のうちにあなたがしていることに恋している、そしてそれはあなたの創造性を高めている』と述べている。これはつまり人は潜在意識の内で全て選択していて、人生の中で様々な経験を通して新たな概念を生み出せるという話だ。
それでいうとデムナがリアル且つ品質にこだわりラグジュアリーストリートと言われる服を作る理由は2つだ。1つは、幼い頃から着ていた大人用の服。ユニフォームというのはデムナの中で大人に対する一つの憧れでもあり、誰もが近くに感じれる存在で誰でも着ることができるという点。
2つ目は様々なアトリエを経験してきたデムナ経験値である。彼は学んできたデザイナーごとに全て吸収している。ウォルターの下で経営を学び、マルジェラでは異なる性質を持つものを別の角度から見ることで新たな考えが生まれることを知り、それをもとに、リアルな服を求め続けたデムナとルイヴィトンというラグジュアリーブランドの下で働くことを実現させた。
これにより現在のデムナの根底ができている。存在しないものを思いついたわけではなく、まずその性質の構造理解を行い、その答えが彼の好きなものか審議して創られる。

私たち視点

これはあくまでもデザイナーとしての思考で、フィルターの通し方も私たち消費者とはまた別の視点。
デムナは服はあくまでも一生、日常で着れるものでなくてはならなくて(つまり品質もある程度保証されなくてはならない)考え方は、1人1人の価値観や個性はその人の過去の人生であり、その人自身の考え方を理解して着ることが重要としている。

結論
服はリアルクローズであることで、大衆が認知してる概念を表すことができる。
それを利用し、その概念を別の視点から見ることで違った価値観を生み出すことも出来る。


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