見出し画像

Storyを持つ服を

goenの構想段階で、はじめに浮かんだひとことです。

これだけ服が氾濫する世の中で、私がさらに服を作る意味って何だろうと考えた時に、大手アパレル企業が作る既製品や、大量生産される服にはない魅力のある服を作る必要があると感じていました。

モノにあふれた今の世の中には、服としての魅力に加えて、豊かさや心地よさなど「心の潤い」も服を通して一緒にお届けすることが、大きな意味のある、大切なことなのではないかと考えました。

そのために、その服を着る人に限らず、綿や羊を育てる人、糸を紡ぐ人、運ぶ人、売る人、そして最後の最後にゴミになるまで、関わる人すべての気持ちが豊かになるモノづくりを目指したいと思いました。

自分が選ぶその服が、生産者にも動物にも、自然環境にもやさしい農法で作られていると知ったなら。
たくさんの人のこだわりと、愛情を持って作られてきたと知ったなら。
自分がこの服を選ぶことが、どこかの誰かの助けになるのだとしたら。

この服が自分と出会うまでの物語に想いを馳せてみたら、私の生活と、たくさんの人の人生との、結びつきを感じるのではないでしょうか。

それはきっと作り手側も同じで、自分の手掛けた商品が、手を離れた後の物語を想い描いた時、それがとても気に入ってくれる人のもとに届いて、永く大事にされて、その人と一緒にたくさんの思い出を紡いでいくのだとしたら。

もっともっと、高く広く見てみれば、畑に撒く肥料を作る人も、糸を紡ぐ機械を作る人も、モノを運搬するための道路を作る人も、車を作る人も、整備をする人も、管理をする人も。

人だけでなく、大地を豊かに育ててくれる虫も植物も、太陽も風も雨も。
たった一着の服の一生を想い描くだけで、どこまでもたくさんの関わりが見えてきます。

どこかの誰かのために、今私が良いと思う選択する。
そうしたら、どこかの誰かも私の仕事に対して、そんな風に思ってくれるかもしれない。

Storyを持つ服を作り、それを伝えていくことで、世界と自分とのつながりを感じることができる。
それが「心の豊かさ」になるのではないかと、私は思いました。

そんな想いを込めて、私は「goen」という名前を付けました。
めぐり合わせや結びつきを表す「ご縁」と、循環やつながりを表す「円」という、ふたつの意味を持たせました。

これからgoenの持つStoryを、たくさんお伝えできればと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?