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自由と希望と絶望と私と灯り

ちよだ鮨、があまりにオートマティックになっていて、これはとってもいい事だとあなたは言った。私とあなたで鉄火巻を食べて、チューハイを飲んだ。

あなたは会計を私の分まで出してくれた後に、カードで払った方が店を出た後に精算できるから、店側の効率的にも良いのだと言った。私は店側に迷惑をかけることは、お客として来ている自分たちにとって、そんなに気を遣うことだろうかと思った。彼は結局、私の分のお金を払わせてくれなかった。喫煙所でそれについて問い詰めると、結果的に俺の人生が輝かしくなるかどうかは、君が経済的に裕福だったかどうかで決まると言った。つまり、私がお金を出さなければ出さないほど、彼は輝かしくなれるらしかった。

私は彼をぶった。平手で、頬の少し下あたりをぶった。彼は私よりも身長が高かったからだ。私は丸の内線に乗って、南阿佐ヶ谷に着くまでずっと本を読んだり、スマートフォンを見たりを繰り返して忙しく動いていた。彼を、自分にとって頼もしい経済動物として褒めることも出来た。私は平手でそれを拒絶した。そしたら急に何も繫栄していない平地に放り出されたような感覚になった。

太陽がまぶしかった。私はその太陽の眩しさに希望と絶望の両方を抱いた気がしたけど、その眩しさの正体は電車に灯る過剰に明るい広告テレビの光だった。絶望100%になったけど、帰った後、枕元にある読書灯をともせば、それは希望100%として私に溶け込むだろう。

美しく整理された単純さが自分にはあるのだ。すぐに私は希望と幸福を実感できるに違いない。数百円の文庫本と数千円の読書灯。

それを幸福だと思わなければ、ひとりで生きていけないと思う。



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