見出し画像

プロジェクトの振り返り、次へ活かすための『ポストモーテム』

おはようございます。
今日はプロジェクトの振り返りについて書きました。
KPT法とかいろいろありますが、私はポストモーテムをオススメしています。
成功しても失敗してもやりっぱなしにせずに次へ活かせるようにナレッジ化することは組織の力、チームの力を高めていくのに大切なことです。
学習する組織っていう言葉がありますが、その具体的な方法の1つは「振り返り」をしっかりすることだと私は思っています。

▼ポストモーテムの目的とゴール

・開発プロジェクトで発生した問題と経過、対策について認識を共有する
・発生した問題の根本原因を特定し、有効な対応策、防止策を出す
・対応策、防止策の実施計画を立て次のプロジェクトで活かす
・ポストモーテムの結果をドキュメント化し、組織の集合知とし組織全体で活用し、トラブルを減らしその分を製品品質向上のために使えるようにすることを目指す。

▼根本原因の確認と再発防止策の抽出

一度起きてしまったことは仕方がないが、同じことを繰り返すのは悲しいことで誰も幸せになりません。
起きてしまったことから学習し、対策を講じることで、同じ失敗を繰り返さないようにすることが重要です。
これができている組織は学習する組織になっています。
再発防止策を検討するための前提条件としての根本原因の確認も重要です。
起きた事象や直接原因は比較的簡単に把握することができますが、事象に至るまでの道筋は多岐に渡ります。

例えば「作業時の確認漏れ」が直接原因だとして、その根本原因は様々なことが考えられます。
手順書がなかった、わかりにくかった、あったが共有されていなかった、業務量が多く集中できない状況だったかもしれません。
これらを一つ一つ検討していくことで根本原因にたどり着くことができ、恒久的な対策、再発防止策にたどり着くことができます。

▼非難しない、責任追及の場にしない

「誰それが悪い」など、特に個人に対する非難は行ってはいけません。
ポストモーテムは責任追及の場ではなく、問題の原因を掘り下げ、学習し同じ過ちを起こさないようにすることが目的です。
非難や責任追及が行われてしまうと、非難や責任追及を受けた側が防御的になり、客観的なデータが出てくることが望めなくなり、原因特定が達成できなくなるからです。

▼実施時のルール

・他者非難はしない。
・非難の言葉が出たら注意をする
・責任追及は行わない。
・責任追及が行われたら注意をする
・問題の原因を人では事象へ求めて原因究明をする
・事実と意見を分けてまとめる
・意見も材料とはなるで、記録するがここでしたいのは事実ベースでの検証
・原因から恒久対策、再発防止策を考え、やる/やらないに関わらず考えつくものは全て出しきる。
・その上で必ず、取り組むことを選択し、誰がいつまでにどのようにするのか決めて実行する

▼原因や再発防止は仕組みで考えることが重要

問題発生の原因を個人の能力や注意に求めることはしないようにします。
個人に原因を求めてしまうと実効性のある再発防止策を導き出すことができません。
もしくは困難になってしまうからです。
チームで、組織で業務をしている以上、たった一人に問題の原因が帰結するということはありえません。
関わるチームメンバー全員に、必ず改善すべきことがあります。 
また、個人に帰結するような問題検証を行うと、他責、隠蔽の文化が醸成されてしまいます。

▼ポストモーテムMtgの段取り

0.事前にそれぞれが考える問題とその原因についてまとめ参加者へ共有する。
参加者は事前にそれらに目を通しておく
1.開会宣言・謝辞
2.目的・ゴールの確認と共有
3.ルール説明
4.ポストモーテム対象概要説明
 ・発生事象と影響
 ・事象に対する時系列の対応
 ・直接原因の確認
 ・現在のステータス
5.根本原因確認
6.恒久対応策・再発防止策検討
7.課題のリスト化(誰がいつまでにどのように対応するのかを決める)

▼例

事前ドキュメントで上がった問題
Pull Requestが大きすぎた。複数の変更を加えていた。
事前ドキュメントに書かれた再発防止策
pull Requestのテンプレートを修正し、複数の変更を無意識に混ぜないようにする。

ポストモーテムMtgで関係者で議論して出た課題
・テスト不足。但し、仕様の問題なのでユニットテストでは検出できない
・修正内容の仕様が複雑
・既存コードが複雑。コメントもなく修正は困難
・修正対象の画面の状態が複雑

これらに対して再発防止策としてあがったものは下記
・仕様のドキュメント化
・地道なリファクタリング
・触ったことがない画面について、作業着手前に現状実装がどうなっているのか調べる。

という形でポストモーテムぜひ、試してみてください。
実践し、継続すること、やりきること、そして出てきた知見を活かすことが大事です。
ということで私も引き続き、ポストモーテムを実践していきます😀


記事を読んで頂きましてありがとうございます😃 サポート頂けましたら嬉しいです!頂いたサポートは新たな記事を書くための活動費に充て、より有益な情報発信のための糧にします🙇🏻‍♂️