黄色い自転車

「黄色い自転車」
ご近所の山田サイクルさんにあったオブジェです。

山田サイクルさんについて詳しくは
自転車一筋 91歳決断、家業に幕 倉敷で1世紀余、山田サイクル:
山陽新聞デジタル|さんデジhttps://www.sanyonews.jp/article/933939

今思えば、その日は特別な日でした。

いつもはクルマで店まで通うのですが、その日は笠岡で仕事があり、電車で倉敷駅へ。
そして店まで徒歩。
インディアンサマー。
9月だけど残暑厳しい午前10時過ぎ。
アーケードのある商店街を抜けて、倉敷美観地区へと続く道。
シャターを閉めた山田サイクルさんのショーウインドにそれはありました。
申し訳なさそうな紙の値札。
なぜかその「黄色い自転車のオブジェ」に見惚れてしまって、少しの間、立ち尽くしていました。

その時、ガラガラっとシャターを開けて、山田さん。どこかへお出かけのようでした。
あっ。その瞬間を逃すとこのオブジェが何処かへ行ってしまいそうで。声をかけてしまいましました。ホント、偶然だったのです。

あの瞬間、僕と山田さんが出会わないければ、このオブジェもしかすると廃棄されてたかも。山田さんにオブジェのことを尋ねると店内へと案内されました。えっ。お出かけだったんじゃないの。

店内は片付けてしまったようで、ガランとし、壁には数枚、干支のテナント。いつの時代の干支だろう。雰囲気から昭和30年代から40年代だろうか、なんて思ったりしてました。

それから、少しの間「お話」を聞きました。お出かけよりは、黄色い自転車を僕に渡すことの方が大切な感じでした。ごく私的な感想ですが。

91歳の山田さん、まだまだシャンとされています。家業については、たいへんな決断だったのでしょう。仕事については意外とサバサバ。

何度も何度と聞かれたのは同業者ではないのか?(つまり、自転車関係の商売)ということでした。僕の商いについては近くで「てぬぐい」を中心とした和雑貨を販売していると説明しました。

「てぬぐい」の商いなのに、どうして自転車のオブジェが必要なの??山田さんにとって不思議だったようです。同業者に買って欲しかったのかな、または同業者には売りたくないとか思ってたのかな。実際、価格は微妙な価格だったので。

僕自身は倉敷のモノは倉敷にあるのがいいと思う、みたいなニュアンスのことを伝えたと思います。うん、なんか気持ちを込めて。暑かったから汗も流して。納得されたか、どうか、笑いながら「わかったよ」てな感じで譲ってくださいました(購入しました)。

販売金額から、1000円をマケてくれました。なんかそのことが面白いかったようで、お互いニヤニヤしました。

Cycle Friend Shopの頭文字モチーフにしたオブジェ。
山田サイクルさんで、倉敷の一時代を見つめてきた「黄色い自転車」
自転車を売ってはないけど、今でも「くらし器てぬぐいGocha 」のどこかにあります。


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