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稲刈りの時期に...

9月といったって、日中まだまだ暑い。いや、熱い。
残暑厳しいが、黄金に色づいた稲穂が首を垂れ、風に揺れる風景に秋の到来を感じずにはいられない。
コメ好きのボクは、いつしかその光景を眺めるだけで、新米が食卓に登場する場面を想像して、よだれするようになった。
まわりからは「稲穂を見てよだれとは、おかしいだろ」と言われるが、言われようとよだれするのだから仕方あるまい。

春の田植えと秋の稲刈りは一大イベントだ。
この時期、町は至るところで稲刈りムード一色となる。
ホームセンターも、エントランスに稲刈りアイテムが並び、稲刈りムードを後押しする。
コメどころならではのその光景の中、ボクのハートに突き刺さる出会いと遭遇した。

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コンバイン袋と言う。籾殻を入れる、稲刈りグッズだそうだ。
稲穂色の袋にかすれた赤インクでの「コンバイン ハーベスタ」。
実用性第一大量生産のチープさの中に、限られたミニマムなデザインに魅せられる。その魅力を具現化すれば色々書き綴れるが、書き綴ることが野暮ったい。この素朴さの中に感じてしまうデザイン性こそが、文句なく突き刺さるのだ。

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週末、日が沈み薄暗くなっても稲刈りを急ぐ農家さんに幾人も出会った。
週明け上陸の台風15号。過去最高の触れ込みに、上陸前に刈ってしまいたい思いが夕暮れの景色に浮き彫りになる。
9日早朝。これまでにない恐怖を感じた。意気地なく震えた一夜。
明るくなって外を見ると、その爪痕に絶句しながらも無事だったことに、ため息した。
朝、倉庫の屋根からぶら下がる雨樋を撤去した。
昼、ヤギの飼育場の軒の修繕に屋根に上がったけど無力だった。
夜、クライアントさんから届いた写真に鳥肌が立った。
今も尚、復旧の目処が立たない停電と断水。

今日も暑かった。いや、熱かった。
新米を美味しくいただける日を、みんな待ち望んでいると思う。

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