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ウータン・クラン ~サイン入りレコードA to Z (Donuts版) 第48回 WU-TANG CLAN

※無料で全文読める「投げ銭」スタイルのノートです。

2017年12月5日から2020年3月31日まで『ドーナツマガジン』に掲載された『サイン入りレコードA to Z』という連載コラムを加筆修正したものです。

レコード&昭和プロレス愛好家のゴベと申します。

今回はヒップホップ界の最強軍団です。

第48回 WU-TANG CLAN

(2018年12月11日公開記事を再編)

WU-TANG CLAN
『ENTER THE WU-TANG (36 CHAMBERS)』 LP

RZA、Ol' Dirty Bastard、Raekwon、Inspectah Deck、U-God、Mathematics、Popa Wu
 - 1997年5月15日 @タワーレコード渋谷店


WU-TANG CLANですよ!
まさに最強軍団ですよね。

プロレス界で例えるならば、鋭い蹴りと関節技を武器に新日勢をボッコボコにした業務提携時代のUWF軍団といったところでしょうか。
前田日明、藤原喜明、木戸修、高田延彦、山崎一夫。彼らの名前を聞いただけで胸が熱くなります。
「わがままな膝小僧」「キックとサブミッションの2丁拳銃」といった古舘節がよみがえってまいりました。山本さん、どうですか?(と、古舘調に)

・・・冒頭から大幅に脱線してしまいました。プロレス界で例える必要性など全くありませんね。すみません。
ちなみに最後の「山本さん」とは、もちろん山本小鉄のことです。実況の古舘伊知郎、解説者の山本小鉄と桜井康雄。新日本プロレスの黄金期を支えたスーパートリオです。

・・・ちっとも反省してませんね。重ね重ねすみません。
小鉄さんや桜井さんのことが気になる方は『ワールドプロレスリング』のウィキペディアでものぞいてみてくださいね。
それでは。


1994年

カフェ・デラソウル(現在の横浜ベイホール)で、WU-TANG CLANの初来日公演。
残念ながらRZA、GZA、Ol' Dirty Bastardは不在でした。

翌日。
渋谷のマンハッタンレコードで新譜をチェックしていると、なんとWU-TANG軍団がご来店!
近寄りがたいオーラを放っていた軍団の中で、ひとりだけファンに囲まれていたのがMethod Man。群がるファンに嫌な顔ひとつせず対応していたので、私もサインをお願いすることに。

この頃はまだ、サインを入れてもらう物にこだわりがなかったので、すでに所有しているレコードをわざわざ買うこともないと思い、手帳にサインをお願いました。
しかし、私の次に並んでいた女の子が、12インチのインナースリーブ(無地の内袋)にデカデカと書いてもらっているの見て「やはりレコードを買ってサインを入れてもらえば良かった・・・」と激しく後悔。


1997年
WU-TANG CLAN、2度目の来日。


1997年5月15日

赤坂ブリッツ公演2日目のステージを数時間後に控えたWU-TANG CLANが、ラジオ番組に出演するという情報を入手。
渋谷のタワレコで公開収録されるというので、大急ぎで向かうと、平日にも関わらず多くのB-BOYが集まっていました。

ブース内で行われているインタビューに応じるメンバー達をガラス越しに眺めていると、背後から調子っぱずれな鼻歌が聴こえてきました。ふり向くと、そこにはさっきまでブースの中にいたOL' DIRTY BASTARDが!
B-BOY達は大騒ぎです。もちろん私も。

前回の教訓を生かし、あらかじめ用意しておいたレコードを差し出してOL' DIRTY BASTARDのサインをゲット。大喜びで周りを見渡すと、いつの間にか他のメンバーも外にいて、ファンにもみくちゃにされていました。
ブースの中はもぬけの殻。ラジオ収録がどのように終ったのかは不明です(笑)

WU-TANG CLAN
『Protect Ya Neck / Method Man』 12"

RZA、GZA、Ol' Dirty Bastard、Raekwon、Inspectah Deck、U-God、Masta Killah、Cappa Donna
 - 1997年5月15日 @タワーレコード渋谷店


ちなみにこの日は、Method ManとGhostface Killahが不在。飛行機遅延のため、まだ入国していないとのことでした。やはりマンハッタンでレコードを買ってMethod Manにサインをお願いするべきだった・・・と再び後悔。

しかし幸いなことに、私がチケットを取っていた翌日のクラブチッタ公演には間に合うというので一安心。
2人にサインをお願いする機会があるかどうかは別として、全員揃ったWU-TANG CLANを観ることができるわけですから。


1997年5月16日

翌日。
Method ManとGhostface Killahが無事に来日し、遂に全員集合!
・・・と思いきや、GZAがまさかの緊急帰国。そりゃないよぉぉぉ。
とはいえ、彼らのライブは圧巻で、GZAがいないことなんて忘れてしまうくらいの大盛り上がり。特にMethod Man。彼の一挙手一投足に釘付けでした。

ライブの中盤。
不意にフロアの隅の方をゆらゆらと歩く見覚えのあるシルエットが目に留まりました。Ol' Dirty Bastard(以下ODB)です。
ステージ上はメンバーとクルーがごった返していたので、大半の客は彼がステージから消えたことに気づいていないようでした。

するりするりと私の方向にODBが近づいてきます。何事かと思っていると、なんと私の前にいた女性を口説き始めました。しかも見事にフラれたのです! ライブ中にですよ(笑)

がっかりするODBと目が合った私は、とりあえず持参していた12インチを差し出しました。フッと苦笑いしながらサインを入れてくれたODBとガッチリ握手。頑張れODB〜

・・・というのが、2004年11月13日に逝去されたODBとの思い出です。
一度でいいからフルメンバーのWU-TAN CLANを観たいと思っていましたが、その願いはもう叶いません。
安らかに。

OL' DIRTY BASTARD
『Shimmy Shimmy Ya』 12"

Ol' Dirty Bastard
 - 1997年5月16日 @Club Citta'


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