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秋田で自分らしく幸せに生きる人を増やしたい

起業も新規事業も、人がいきいきと生きるための選択肢だと思うーー。

こんにちは! 鍵谷美波(かぎや・みなみ)と申します。

秋田ではあまり聞き馴染みのない“鍵谷”という苗字、私は北海道函館市の出身です。大学進学を機に秋田へ移住し、今年ではや7年となりました。

大学を卒業したのはコロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年3月。

卒業後すぐに企業に就職することにどうしても積極的になれなかった私は、飲食店と病院の受付のアルバイトをしながら、ヨガのインストラクターとして開業届を出しました。

そんな私が、思いがけず“就職”することになったのが、社会人3年目だった2022年のこと。起業家や企業と一緒に新規事業を作るGOB Incubation Partnersに仲間入りすることになった経緯を少しお話します。

100人いたら100通りの“人生の歩み方”がある

私が通っていた国際教養大学は1年間の留学が卒業要件の1つで、私は3年生の夏から留学しました。帰国したのは4年生の夏、学生生活もあと半年の頃。

留学中から早々に就職活動に取り組む同期も多い中、それでも私が就活に手をつけなかったのは、卒業後は会社に所属せず自分で稼いで生きてみたかったからでした。

大学4年生のとき。同期にダンスの指導をしているところ

思い返すと、中学生くらいから「人が自分らしく幸せに生きること」に興味がありました。

食べるものも、住む家も、屋根のある学校も教科書もあるけれど、ストレス社会と言われ、どこか精神的に疲れた日本。自分の生まれ育った国の人たちが、毎日をいきいきと幸せに暮らすためには何が必要なんだろう、と学校の教育制度やキャリア教育に関心をもち学ぶようになりました。

その中で少しずつ、高校や大学を卒業したらすぐに企業に就職する以外の進路も色々あるよなあ、と思うようになります。学校やメディアは、卒業したらすぐに正社員として企業に就職するキャリアを、ごく当たり前に取り上げるけれど、100人いたら100通りの人生の歩み方があるはずじゃない? とシンプルに思ったんです。

1つの会社に長く勤めることだけが正解ではなくなってきた。自分が本当にやりたいことは何だろう? と転職する人もいる。じゃあ、学生という身分を終えた後、自分は何がしたいか、どんなふうに生きたいか、社会にどう役立ちたいかを考える猶予があってもいいよなあ、と。

人生でいくら稼ぎたいかは、きっと、どんな人生を歩みたいかで人によって違う。正社員よりも、アルバイトやパートタイムで働くほうが自分らしく生きられる人もたくさんいるはず。

そして、日々を暮らしながら、やってみたいことや面白いと感じるもの、大事にしたいと思うことは、増えたり、減ったり、確かになったりする。

だから、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。真っ直ぐな一本道じゃなくても、曲がりくねったり迷ったり、ときどき平坦でない道を歩きながら、私らしい生き方や、確かに大事にしたいことを見つけていきたい。

そんな気持ちで私は、「いったん、企業に就職しない道」を選びます。

開業するも、主な収入源はアルバイト

私の場合、在学中にヨガと出会い、卒業する頃には「これが私がいきいきできる1つ目の仕事だ!」と、インストラクターになるための勉強を始めます。

大学時代、卒業後の生活や奨学金返済のために貯めていたお金を切り崩しながら、飲食店と病院の受付のアルバイトを始めましたが、「今月も家賃が払えません」と親に連絡した回数は数え切れません。今でも当時の苦く情けない思いが込み上げてきます。

秋田でヨガの先生やるぞ!と意気込んだものの、3月にはコロナで卒業式が中止に、5月には緊急事態宣言が発令され、いよいよ対面でのヨガレッスンは難しくなり、満を持して始めたオンラインレッスンも最初の2年間はとても生活ができるほどの収入にはなりませんでした。

それでも、生徒さんとヨガができる時間は本当に幸せで、日中はアルバイト、夜はヨガ講師の生活が2年半ほど経った頃、ようやくヨガの収入が月10万円を超えるか超えないかくらいに。

自宅でオンラインヨガレッスンをスタートしたばかりのころ(2020年10月)

ここまで支えてくれたのが、秋田の人たちです。

生徒さんとして出会った方々、お仕事の依頼や紹介をしてくださった方々。皆さんにたくさん背中を押してもらい少しずつ、胸を張って「秋田でヨガのインストラクターをしています!」と言えるようになりました。

ご縁で依頼をいただいたヨガ教室(2021年8月)

起業家候補生、新たなチャレンジ

こうして、自分がいきいきできる仕事で人や社会の役に立つ、という私なりの目標をほんの少しだけ体現できてきた社会人3年目の秋頃、新たなチャレンジの機会が訪れます。

大学時代、秋田県が主催していた「おこめつ部」という起業家育成プログラムに参加していたのですが、そのプログラムを共催していたGOB代表の山口さんから連絡がありました。

冒頭で少し触れた通り、このGOBは現在私が働いている会社で、起業家や企業と一緒に事業を作る会社です。

おこめつ部に参加していたのが大学2年生〜3年生の時だったので、実に5年ぶりの連絡! 「山口さん、私のこと覚えてるんだ…!」と嬉しくドギマギしながらお話を聞いてみると、「今度、秋田で拠点を作ること」そして「拠点の立ち上げと合わせて起業家としてGOBと一緒にチャレンジしてみないか」というお話でした。

ヨガの仕事がようやく軌道に乗ってきたところ。新しいチャレンジなんてできるかな。

実際、すぐにイエスの返事はできませんでした。

それでも胸の奥で、自分が「起業家」という道でいきいきと働くロールモデルになることは、私の次のステージかもしれないと感じたのを覚えています。

当時すでに秋田のメンバーとして1人で活動していた園部美晴さんにも色々相談させてもらいながら(その後、美晴さんはGOBの大阪拠点へ武者修行へ行ってしまうのですが…!)、2022年10月に正式にGOBに仲間入りすることになりました。


起業家候補生から、全力伴走者に

起業家としてGOBの先輩達に助言をもらいながら、GOBが秋田で実施していたセミナーやプログラムに事務局メンバーとして参加し、事業づくりの勉強をさせてもらいました。そこには、起業したい熱意のある方がたくさん集まります。

私が初めて、事務局メンバーとして近くで起業家の伴走をさせてもらったのが、秋田銀行との起業創業支援プログラムでした。レクチャーで分からなかったところのサポートをしたり、メンターとの面談に加わり、その方の事業の可能性を一緒に模索しました。

そこで、「こんなことをやってみたい」「これができたら、秋田はもっと良くなるはずだ」という想いをたくさん聞かせてもらいながら、それを語る皆さんの表情や全身から発せられる体温に、何度も何度も、美しさを感じました。

目の前の人がいきいきと語る、時には壁にぶつかりもがいている、そんな瞬間にもっと立ち会いたい、そして私にできることでその背中を全力で押したい、と思うようになりました。

秋田での事業創造プログラムLOCAL START UP GATEの様子

事業に取り組みたい方のお話を聞きながら感じたのは、起業も、新規事業も、チャレンジする人が「何にワクワクして幸せを感じるか」が鏡のように映されているということ。

その人が自分らしくいきいきと生きるための一つの道として「事業」があり、その事業が社会を良くしていくなら、そこにある人のドラマとそこから生まれる未来に惜しみなく身を投じたい!そして自分も、起業家や新規事業に取り組む方々と同じく、ヨガ講師というプレイヤーとして常にチャレンジし続けたい!

そんな、ちょっとだけ暑苦しい想いで、GOBの一員として秋田で活動しています。

2人、それぞれの想いで

昨年10月、秋田の活動仲間である園部美晴さんが、GOB大阪オフィスでの武者修行から秋田へ戻ってきて、2人での拠点立ち上げが本格スタートしました。

「秋田で出会う人たちの熱い想いの力になりたい」美晴さんと「秋田で自分らしく幸せに生きる人を増やしたい」私。2人それぞれの想いで、お世話になった大好きな秋田へ、できることを1つずつ、精一杯やっていきます。

秋田の皆さんの熱い想いにたくさん触れられるのを、楽しみにしています!

一緒に働いているGOBのメンバーです! 2024年1月の合宿にて