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【経営をするように生きる】人生100年時代の生き方

人生100年(100歳くらいまで生きそうな人生)のライフスタイルについて考えてみたいとおもいます。
どうすれば、長い人生を充実して楽しめるのか。
もちろん私が答えなんか持っていないし、当たり前ですが人それぞれのライフスタイルなのですが、皆さんが考える材料を提供できればと思っています。

人生100年の環境認識

書籍「ライフシフト」にもありますが、人間の寿命は延びてきており今の定年で引退をすると、引退後の人生がとても長くなります
また、年金・医療費など社会保障の問題もあって老後の資金が今の高齢者の方よりは厳しくなりそうです。貯蓄なども進めていかなければ、老後の生活が安心して送れないといった資金面の問題もあります。(老後2000万円問題)

この状況をなんとかするための方向性としては、

①引退の時期を伸ばして長く働けるようにする(人が長く働く)
②投資などによって金融資産の収入(配当・金利など)で、長い老後の生活をつないでいく(資産が働く)
③上記の②に合わせてミニマリストに徹して、少ない固定費で生活をしていくライフスタイルを身につける

といったような方向性が考えられます。

このうち②資産が働く、③ミニマリストスタイル については、他にも様々な記事や書籍があると思うので、今回は ①人が長く働く ことについて考えてみたいと思います。


人が長く働く人生≒マルチステージの人生

人が長く働くことで、老後の資金問題を解消しようという流れが

・定年の延長の流れ
・年金受給開始年齢の引き上げやそれに伴う優遇
・リスキリングと雇用の流動化
・健康経営の関心の高まり

などによって、出てきています。
この流れはおそらく変えようがなく、金融資産など財産があまりない人や老後も何かと資金がかかる人などは、働ける期間を長くすることが必須になってくることでしょう。

皆さんも実感しているでしょうし、書籍「ライフシフト」にも出てくるのですが長いこと働く必要のある時代に我々が直面するのは「マルチステージの人生」です。

マルチステージの人生とは、働く期間においていくつかの職業を変えること、自分に向いている仕事を年齢やライフステージに応じて模索する探索の期間を経る、など、言うなれば「経営をするように生きる」ことを求める人生と言えるでしょう。

別に働く期間が長くなるからといって、職業を変えないし会社も変えない、という方もいるでしょう。ただ、皆さんもご自身や周りの方などを見ていて実感されると思いますが、徐々に仕事人生においてステージを変えていくことは当たり前になってきています。

「人生のステージを変えるか、または今のステージに留まるか」そして、「自分自身の何の強みによって仕事をするか」という判断は、経営の判断と良く似ています


経営をするように生きる とは

まず、経営とは何か についての私の理解をお伝えします。

経営の神様と呼ばれるピーター・ドラッカーが書籍「マネジメント」にて組織の存在目的を示しています。

マネジメントには、自らの組織をして社会に貢献させるうえで三つの役割がある。それら三つの役割は、異質ではあるが同じように重要である。
①自らの組織に特有の使命を果たす。
マネジメントは、組織に特有の使命、すなわちそれぞれの目的を果たすために存在する。
②仕事を通じて働く人たちを生かす。
現代社会においては、組織こそ、一人ひとりの人間にとって、生計の資、社会的な地位、コミュニティとの絆を手にし、自己実現を図る手段である。当然、働く人を生かすことが重要な意味を持つ。
③自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。
マネジメントには、自らの組織が社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題の解決に貢献する役割がある

P F ドラッカー、上田 惇生, マネジメント[エッセンシャル版]

ざっくり言えば、以下の3つです。
①特有の使命を果たす ⇒ その企業の独自の商品・サービスで顧客・社会に貢献する
②働く人を活かす ⇒ 人の強みを活かして、上記①の特有の使命を果たす
③社会課題の解決 ⇒ 上記①②の取り組みの中で生まれる、または既にある社会課題の解決に貢献する

これは、個人の人生で言えば自身の強みを活かしてなるべく自分が得意な分野(≒好きな分野)で貢献する、これが①②につながり、それがなるべく社会貢献につながるのであれば③にも貢献できることになります


個人の人生における顧客とは、普通のビジネスパーソンであれば働いている会社であったり、その会社の顧客であったり、また、そのような自分を活躍させてくれている会社の仲間(上司部下も含めて)であったりします。

まず、今、自分自身を商品サービスととらえてみて、自分の何の強みで今の仕事で自分は選ばれているのか(貢献できているのか)を考えることから、経営するように生きるスタンスがスタートすると言ってもいいでしょう。


時間軸を入れるとより経営っぽくなる

上記の、経営するように生きるスタンスに、時間軸を入れてみるとどうでしょうか。

今の私の顧客は、いつまで私を選んでくれるか、貢献させてもらえるか。
または、自分自身、いつまで今の顧客に貢献することができるか。

顧客が、今の私の強みを選んでくれ続けるのだろうか。または、選ばれ続けるためには、強みをどのように磨いていけばよいのか。
このように経営的に考えることで、「リスキリング」に対する考え方が能動的になっていきます

なお、ドラッカーは「我々の顧客は誰か」と問うことの重要性も述べています。
今の顧客に選ばれるために強みを提供するのか、または人生100年を生きる上でのキャリアチェンジのタイミングにあるのか、そのためには何の強みを作り、誰に選ばれる必要があるのか。

この先5年、10年、もっと先に、自分は何の強みによってどのような顧客(会社や仲間、事業主であれば直接の顧客など)に選ばれる(貢献する)のか。
こういったことを考えて人生を歩んでいきながら、なんとかマルチステージの人生を楽しく乗り越えていきたいですね。


人生経営における経営的な考え方の応用

上記のように、経営としてとらえると実際に経営において活かされている様々な考え方や経営理論が人生においても応用できることがわかります。

・両利きの経営
例えば、「両利きの経営」です。マルチステージの人生を送るようになるにあたって、自分の人生の価値感や、自分の強みを再構築するようなエクスプローラー(探索者)の時期があると書籍「ライフシフト」では述べられています。

「両利きの経営」は、組織がイノベーションを起こして既存の認知以外の領域に商品サービスを展開することで、企業の寿命を延ばすことにもつながります。まさに経営をするように生きることに応用できる考え方です。

・学習する組織
学習する組織は、組織全体を構成する個人が主体的に学び、「自己マスタリー」を追求することによって、能動的に組織の共有ビジョンを構築する。そのことによって、各個人が共通した目的意識の元で全体性(ホールネス)や個別性を持ちながら組織が生命体のように発展し、変化に対応することを意図した考え方です。ティール組織などにも非常に強み結びつきがあります。

個人が経営をするような意識で生きることは、個人の顧客である会社にとって「学習する組織」を実現する土台が整うことになります。

自分の人生のハンドルを自分で握る主体性のある人材が、積極的にかかわる組織は強いです。
そういった意味でも、「経営をするように生きる」人が積極的に今の顧客である自分の会社に関わることが、学習する組織のスタートであるともいえるでしょう。


このような感じで、今後も「経営をするように生きる」をテーマにいろいろと書いていきたいと思います。
ご参考いただければ嬉しいです。



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