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【トヨタ生産方式/TOC編7;ザ・ゴール第一章】

*前回までの投稿は上のマガジンに入れています。

これまで、トヨタ生産方式について学んできましたが、今回からはエリヤフ・ゴールドラット氏のTOC(Theory Of Constrain)、制約理論について学んでいきます。今回は、先輩健と後輩ショウだけでなく、ショウの課長の倫也も参加します。TOCの説明は、ザゴールにそって解説しますが、TOCの1回目の今回は、TOCの全般の説明と第一章について説明します。これから複数回にわたって投稿しますのでよろしくお願いします。

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TOCについて


👱🏼‍;おはよう。前言った通り、今回から課長の倫也も参加だよ。

👨‍🦱;おはよう。

🧒‍;おはようございます。うお、課長もいる・・。本当に呼んだんだ。

👨‍🦱;聞こえるように小さな声で言ったな、いちゃ悪いか?(笑)

🧒‍;そりゃ、やりずらいですよ。なんか、対話を通して、理解力を見定められてるみたいじゃないないですか。今回は私黙って、課長を見定めますよ。(笑)

👨‍🦱‍;お、このやろ。(笑)見てろよ(笑)というのは冗談で、きちんと改善したいと思っていて藁をもすがる思いでさ、健に声かけてもらって、朝6時半に来ちゃったよ。

👱🏼‍;二人とも仲がいいみたいだな。心理的安全性が築けていそうだね。今時だわ。(笑)さて今回、倫也にも来てもらったのには訳がある。トヨタ生産方式ももちろんマネジメント側に必要な知識なんだが、現場主体で活動をしていく部分が多い。しかしながら、これから説明するTOCは、より経営的、つまり収益改善に着目した理論、知識なんだ。

👨‍🦱‍;ほう。どういうことだい?

👱🏼‍;もちろん、トヨタ生産方式は原価の低減が目的で、TOCは利益を目的といっていて、いい方は違えど最終的には同じだ。トヨタの原価低減は、別に現場だけで展開される話ではないしね。でも、時間軸がちょっと違う。トヨタ生産方式は改善から人材育成を含めた短・中・長期それぞれの視野に立った話だ、しかしTOCは、短期間で現状の収益を改善するというところに重きを置いているんだ。ある意味TOCは速攻性がある。だからこそ、トップの姿勢と行動が最も重要になってくるんだ。実際TOCを実践してみた多くの会社の経営者から収益が上がったといわれていて、組織のトップが活用しているということなんだ。本も1000万部売れているしね。

👨‍🦱‍;そうか、気を引き締めていくわ。

👱🏼‍;ちなみにトヨタ生産方式とは多くの共通点があるんだ。ザゴールの著者のエリアフゴールドラット氏は、ニュートン・ガンジーと並んで大野耐一氏が三大ヒーローだっていってるくらいだしね。この辺りはTOCを学んでいくとわかってくると思う

👨‍🦱‍;大野さんがヒーローね。そりゃ、ものすごく尊敬しているってことだね。

👱🏼‍;個人的には、JITの部分を具体的に収益につなげて、さらに活動に落としている理論がTOCだと思っているよ。アメリカでは、JITとTOCの比較等で盛り上がった時期もあるみたいだけど、それがどこまで意味あるかだね。理解して、適した使い方をすればいいだけだと思うな。ちなみに、TOCは制約理論って言っているんだ。

👨‍🦱‍;なるほどね。てか、TOC(制約理論)とは聞くけど具体的によく理解してないんだよね。

👱🏼‍;では本題に入っていこうか、TOCはWeblioでは一言では、下記のように記載されている。

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ボトルネックを継続的に改善し、システムのパフォーマンス向上を実現するための理論。イスラエルの物理学者・エリヤフ・ゴールドラット(Eliyahu Moshe Goldratt)によって提唱された。

制約理論では、企業のゴールは、将来にわたってお金を儲け続けることであるとしている。ゴールを達成するためには、ボトルネックを継続的に改善する必要があり、そのプロセスを示したものが「集中の5段階」である。「集中の5段階」は、(1)システムの制約条件を見つける、(2)制約条件を徹底活用する、(3)制約条件以外のすべてを制約条件に従属させる、(4)制約条件の能力を高める、(5)制約条件が解消されたら(1)に戻り繰り返す、というものである。

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いってしまえば、これで終わりだ。

👨‍🦱‍;・・・全くわからん。

第一章 工場閉鎖の危機


👱🏼‍;だよな。これからザ・ゴールのコミック版の内容に沿ってTOCを解説していくよ。ちなみにこの本は、1984年にアメリカで発売され、さっき言った通り爆売れしたのに、日本語に翻訳されたのは1992年、つまり8年かかっているんだ。なんでかっていうと、当時アメリカは日本を敵対視していて、日本には教えてはならない本といわれていたからなんだ。ちなみにコミックは2014年。

👨‍🦱‍;教えたら日本が強くなってしまうから、教えるなと・・そりゃすごいわ。

👱🏼‍;では、第一章から解説していこう。ザ・ゴールの主人公は工場長のゴローさんだ。ゴローさんが勤務している工場は、レイオフで人では足りないわ。納期遅れがあるわ、新しい設備入れても赤字だわで、さんざんな状態だった。

👨‍🦱‍;なんかどこかで聞いたな。。

👱🏼‍;それで、ゴローさんはある日本社の本部長に呼ばれて、効率が悪いから遅れや赤字がある、3か月以内に黒字にしないと工場を閉鎖すると宣告されるんだ。ゴローさんは途方に暮れる。

👨‍🦱‍;そりゃ、ショックだわな。

👱🏼‍;さらにその日、仕事の都合で家に帰るのが遅くなってしまって、それもその日は子供の誕生日。妻と子供から非難を受ける。

👨‍🦱‍;それ、あるあるだな・・。なかなかわかってもらえないんだよね。

👱🏼‍:そんな時、工場のロボットの説明のための出張の際の空港で、たまたま大学時代の物理学の先生のジョナさんに出会う。そこで話をしている中で、工場長をしていて、出張理由を話し、ロボットの話となり、生産性が上がったという話をしたら、

 -ロボット入れて、人は減ったか?
 -ロボット入れて、製品が売れるようになったか?
 -ロボット入れて、仕掛りなどの在庫は減ったか

と聞かれるんだ。

👨‍🦱‍;どきっとするね。鋭いな。。でも生産性はあがっているんだよな。

👱🏼‍;そうだ、それで、再度、生産性が上がった。効率が上がった、一製品当たりのコストは下がった。と説明するが、むなしく、在庫は増え、すべてが遅れていること、非常に非効率なこと、さらには工場が危機であることを見透かされてしまうんだ

👨‍🦱‍;なんでわかるんだろう。

👱🏼‍;ゴローさんがさらにロボット導入を正当化しようとすると、

 - では「生産性」とはいったいなんだ
 -「生産的」とはいったいなんだ
 - 自分の言葉でいってくれ

と言われ、答えられなくて、困ってしまう。ちなみに倫也なら、なんて答える?

👨‍🦱‍;え。。?生産性は、投入コスト当たりの、、アウトプットの比率・・。。うーん、端的に答えられない。

👱🏼‍;ゴローさんも同じで、どもりながらも、「何かを成し遂げること・・」とつぶやくんだ。そうすると、

 -では、どういう点で、成し遂げたかを測ったらいいか

と聞かれ。「ザ・ゴール(目標)でしょうか」と回答すると、「生産性とは、目標に向かって会社を近づける行為そのものだ。、それに向かうもの以外はすべて非生産的だ」といわれるんだ。

👨‍🦱‍:なるほど・・。目標に向かって近づける行為そのもの・・。

👱🏼‍;立て続けに

 -  生産性なんてものは、目標がはっきりわかっていなければ、まったく意
  味がない。
 -  君の本当の問題は目標が何かよくわかっていないことだ。目標はどんな
  会社でも同じ、一つしかない。目標がわからなければ、生産性なんてた
  だ数字で遊んでいるだけだ。

といわれてしまう。要するに企業の目標ってなんなんだ?と聞かれてるんだ。

👨‍🦱‍;ぐさ。。いきなり言われると・・。

👱🏼‍;だよね。そして、ゴローさんも答えが何か知りたくて、答えを聞いてみるが、

 ―自分の頭で考えるんだ

とばっさり言われてしまう。そして、先生は去っていってしまうんだ。

👨‍🦱‍;答え教えてくれないんかーい。。

👱🏼‍;そうだ。答えなんてここで聞いたらなんにも学べないだろ。俺の今日の講義も答えを言わないよ。

👨‍🦱‍;そうなの?でも、まあそりゃそうだよな。自分でちょっときちんと考えてみるよ。

👱🏼‍:短いけど、区切りがいいから今日はこれで終了だ。次回は、この答と管理指標について話そう。

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今回は、TOCの第一回目でした。ザゴールは世界中で読まれており、多くの会社が成果を出しており、ビジネスマンの必読書となっていますね。JITと比較されることが多いですが、比較は理解のためだけにざっくりしておけばいいと思います。どっちが云々はなく、自分の腑に落ちた部分を活用すればいいと思います。このシリーズは、この本の解説を複数回にわけてしていきます。今回は第1章のみで、短いものでしたが、最も重要な先生の質問「生産性とは何か」「企業の目標は何か」という質問に自分で答えられましたでしょうか?最初私は答えられませんでした。ぜひ、自分の答えを考えてみてください。次回、この答、さらには何を具体的に目標にしていけばいいかを第2章、第3章を使って説明します。なお、TOCシリーズはザ・ゴールと岸良裕司さんGoldratt Channelの動画を参考に解説をしています。(動画、お勧めです)

次の投稿は下記です。


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