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ブルース・スプリングスティーンと中2と

1975年にリリースされたブルース・スプリングスティーンの3rdアルバム『Born To Run』のラストを飾る楽曲「Jungleland」。

リリースから11年後の1986年、中学2年のわたしは NHK-FM から流れてきたピアノとバイオリンからなる41秒の美しいイントロに心を奪われた。

このときくらいだと思う、音楽から雷に打たれたような衝撃を覚えたのは。

9分35秒の短編映画のような物語性のある歌詞とダイナミックな楽曲展開、中間の有名なクラレンス・クレモンズのサックス・ソロも素晴らしく、ロイ・ビタンのピアノに魅了された。

後日、輸入盤など流通していない地元のレコード店で、3500円の国内盤を手にするのだった。

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その前年、中学に入学すると当時に、それまで貯めていたお年玉貯金で安いコンポを購入、FMを聴き始めていた。

1984年、7thアルバム『Born in the U.S.A.』がリリースされていたこともあり、同作収録の彼の楽曲を耳にすることは多かった。

アルバムの中の7曲がシングルカットされ、すべてチャートのトップ10に送り込まれているのだから当然だ。

無骨でしゃがれた声にストレートなアメリカン・ロックは、当時とてもカッコよく聴こえた。

その後、宅録音源をもとにした彼の内相的な面が前面に押し出された1982年リリースの6thアルバム『NEBRASKA』を購入。

歌詞カードを見ながらアルバムの世界観に浸ろうと必死になって聴いたが、曲の主人公は退役軍人や犯罪者など重い内容が多く理解するのに苦労した。

秋の終わり、全40曲、約3時間半、CD3枚組で7500円の『THE "LIVE" 1975-1985』というアルバムがリリースされ、14歳ながらに何円ぶりかのクリスマスプレゼントとしてゲット。

土曜も授業のある日曜だけが休みな部活もない午後、4畳半の部屋から異空間に連れ出してくれた彼の音楽をリピートしながら聴いていたころを懐かしく思う。

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退屈で窮屈で鬱屈しながら常に何かにモヤモヤしていた中学2年、無遅刻無欠席登校だった。

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