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ぐるなびスペシャリストが立ち上げた「全日本芋煮会同好会」って知ってる?(後編)

食やITなど様々な領域において深い知見を持ち活躍するぐるなび社員を「ぐるなびスペシャリスト」と題してご紹介。今回は「全日本芋煮会同好会」という任意団体を立ち上げ、日本各地を回り、「芋煮会」を普及している黒沼篤氏の活動についてお伝えします。

「芋煮会」の魅力を紹介した前編

「芋煮会スタイル」が災害時に役立つ?

普段から芋煮会のことを熱く語っていると、いろんな方々から相談を受けます。「子供会の行事に使いたい」、「地域のお祭りで出せないか」、「男子の料理教室はどうか」「食育で子供たちに体験してほしい」、「合コンはどうかな」などなど、活用先はバリエーション豊かです。

そんな中、あるイベントで事務局を担当していた会社の方から、『「防災文化」をテーマにした地域と連携する仕掛けづくりを検討しており、そのなかで、平時でも災害時でも役に立つ、美味しい「食」として、芋煮会の力を活かしたい』、という面白いご相談をいただきました。
 
以前から、「災害時の食を自分たちで備え、行動する」という観点で、芋煮会スタイルをなんとか活用できないかと考えていたのですが、ついにその想いを実現できる可能性が舞い込んできたのです。
 
名付けて、あったかぼうさいスーププロジェクト。NTTデータ経営研究所が主体となるプロジェクトに、全日本芋煮会同好会がサポートさせていただくことになったのです!

災害時にまず問題になるのは「食」。被災現場では、温かく、栄養豊富で、水分が摂取でき、被災者が心の安らぎを得られるような食事が必要だと言われています。

NTTデータ経営研究所では、防災をはじめとした国や大手企業の政策、戦略づくりを多数実施し、ビジネス・政府・自治体・アカデミックなどの領域に幅広いネットワークがあり、この経験・人のつながり・デジタル技術などを活かし、災害時であっても栄養豊富で温かい食事が提供できる仕組みを、全国・世界各地に広げていく計画です。
 
NTTデータ経営研究所が共感してくれたのは、全日本芋煮会同好会が大切にしている「持ち寄る。一緒に作る。シェアする。」の理念でした。この芋煮会スタイルを活用し、災害発生時でも、冷蔵庫の残り物やストック食材を活かしながら、一緒に行動して「食の自助」のパワーアップからはじめ、「共助」「公助」へと発展させていくことを目指していくことになりました。

まずは2月末に防災知識をはじめ、サバイバル研究などさまざまな専門分野で活躍する有識者とオンラインでのワークショップを開催し、災害時の想定環境下でどんな芋煮を作ることができるかをチームで検討し、チームごとのベース食材をリストアップしました。

芋煮会スタイルの説明

そして、今年3月11日、「あったかぼうさいスーププロジェクト」として初の「PoC de 芋煮会」を都内のレンタルスペースで開催し、リストアップした食材をもとに作成した3つのレシピをチームにわかれて調理する芋煮会ワークショップを開催しました。

Aチーム
Aチーム
Aチーム:定番の牛肉・醤油風味のレシピ。しめは「カレーうどん」
Bチーム
Bチーム:鶏肉・醤油風味のレシピ。パンをつけて食べるという新しいスタイル
Cチーム
Cチーム:お子さんの好きなウインナーを使って味噌風味。お餅も入りました

参加者のみなさんからは、「災害時に栄養のあるあったかいスープをみんなでつくり分け合うこととで、身体も心もあったまる」「カセットコンロがあれば手軽に作れるし、あるもので自由にやっていいのがよかった」「まずは大切な身近な人とやれるようになることで、災害時の72時間の食を確保できそう」といったお声をいただきました。
参加いただいたみなさんは「防災イモニスト」として認定し、今後の情報発信や、さまざまなパターンを想定した防災芋煮のPoCにご協力いただくことになりました。
全日本芋煮会同好会としても、今後さらに「あったかぼうさいスーププロジェクト」としての芋煮会の体験機会を増やし、「防災イモニスト」を世の中に増やしていく予定です。

芋煮会を「サステナブル」な取組みに進化させる!

いま「食」をとりまく環境はめまぐるしく変化しています。食品ロス削減への取組みはもちろん、人々が安心安全に「食」を楽しめる環境の整備など、「食」が抱える社会課題は様々です。
現在、ぐるなびでも「サステナビリティ」に向けた取組みとして、「食」「人」「社会」の3つの軸から課題解決に向かって取組を進めています。

芋煮会のミッションは、「東北の食文化を通じて地域や食文化に貢献する」ことです。
しかし、昔ながらの芋煮レシピや調理方法は大量に醤油と砂糖を使用するためどうしても塩分や糖分が高くなり「ヘルシー」なメニューとは言えません。また、食品ロスやゴミの発生も課題となっています。
 
こうしたことから、近年は美味しくて楽しいだけの芋煮会から「生涯健康で、かつ環境にやさしい芋煮会を楽しめる世界をつくりたい」という気持ちが強くなっています。

そこで、コロナの自粛状態からあらためて芋煮会同好会の活動を再始動するにあたり、以下の行動指針をもつことにしました。

1.健康にやさしいレシピに積極的に挑む
・減塩、減糖レシピの啓発、促進
・「だし」のうまみ活用
2.レシピのダイバーシティをはかる
・食の嗜好や宗教上の事情にも配慮した多様なメニューの容認、開発促進
・魚介、代替ミートや、トマトベーススープ、ベジタリアン向けレシピなど
3.食材ロス削減を最大化する
・食材は皮まで使う、残り食材でおつまみづくり
4.ゴミを最小化する
・プラ容器や割りばしなどの消耗品を極力使わない
・衛生に配慮して分配、お持ち帰りする
5.外国人への情報発信と参加案内を促進する
・在日外国人やインバウンドに向けた魅力の発信と災害時の活用について
 多言語で発信
・芋煮会の理念に共感する外国人の口コミを通じた活動への参加案内

これらはすべてひとりでできるわけではありません。芋煮会の理念に共感いただける世界中の方々と、知恵と思いを「持ち寄り」、それを「一緒に作り」、そこからうまれた新しい価値観やアイデアを「シェアする」ことで、世の中に少しでも貢献できたらと考えています。
 
全日本芋煮会同好会の活動にご興味のある方は、ぜひ気軽にお問合せください。


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