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Valor 525 灯油ストーブ

イギリスのValor社製ストーブ、Valor 525を使っています。備忘録も兼ねてもろもろをメモしておきます。情報の断片がいつかどなたかのお役に立つようなことがあればうれしいです。

Valor 525は、Valorの中では比較的人気のある機種で、日本国内でも4〜50年前に代理店を通して販売されていた時期があることから、タマ数も多くて入手しやすい部類のビンテージストーブだと思います。

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Valor 525

前ユーザーがちゃんと使ったのはせいぜい2シーズンくらいかなってくらいの、そこそこ良いコンディションでした。目立つダメージもなく、この先も長く使えそう。バラしてサビを落としたり、拭き掃除をしたりした程度で、あとは綿芯をガラス芯に交換して点火して、あっさり整備は完了しました。シンプルな構造のストーブは、ちゃんと作ってありさえすれば、何年でも使えるんだと思います。

中古やビンテージのストーブを安く入手するコツは、なにより秋冬のハイシーズンの購入を避けることだと僕は思います。夏に買って、ゆっくりレストアしていこうかなくらいのノリが、遊びとしてコスパも良いように思います。このストーブ、Valor 525J(日本流通版の「J」)に関しては、これくらいのコンディションであれば、出してもせいぜい20000円前後までって相場が妥当かなと個人的には思います。よく変な値段でヤフオクとかメルカリには出てますけど。

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1970年(昭和45年)のカタログ

Valor社は、1890年頃にイギリス、バーミンガムで創業した会社で、今現在もあります。元々はAnglo American Oil Company(ESSOの前身)の石油貯蔵キャビネットを製造しており、後年、灯油ヒーターなどの暖房器具にもビジネスを広げたとされています。このValor 525は、代理店を通じて日本国内で販売されていたブツで、おそらく1970年代の個体だと思われます。1970年(昭和45年)のカタログを見ると、12500円で販売されていることから、当時はなかなかの高級品だったことがうかがえます。Valor 207などのブルーフレームストーブに対して、Valor 525は、ゴールデンフレームと銘打って販売されていたようです。発熱量は、2500kcal / 時と記載されています。体感的には、2500ってほどあったかいかなー?って感じはあります。

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Valor 525は、火を付けると赤く色づく大きめの格子窓が特徴で、ご存じの通り、炎の色だけで赤く見えているのではなく、赤いガラス(通称ルビーガラス)がハメ込んであります。

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窓枠の縦の柱に合わせて3分割されたルビーガラスが入っていました。光や炎に透かさないと赤くは見えないです。ガラスが熱で割れないように、炎とガラスの間にマイカ(雲母)を挟んで取り付ける仕様です。

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オープン状態の天板

天板は、ベース部分とバーで連結されているため、ネジやボルトを回さないと取り外すことはできない構造です。鉄のペラをスライドさせて、天板の丸い穴を開閉できる仕様は、便利で良いと思います。

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ストーブ内に格納されたタンクはストーブ本体と分離させることができます。Valor社製ストーブのタンクの一部は、アメリカのPERFECTION社製のタンクと互換性があることでも有名です。この個体は、タンクの上半分は鉄、下半分は真鍮で出来ています。塗装もはげはげだったので、いっそ塗装をすべて剥がしてしまいました(特に意味はないです)。真鍮は思いの外やわらかいので、ほんとは上も下もまるまる鉄製のタンクが付いた年代のモノがよかったけどなあってのはちょっとありました。まあただ、タンクをストーブ内に格納する時、真鍮製のタンクの底部分は接地しない(タンクのツバ部分がストーブ側の突起にひっかかって固定される)ので、そこまで心配することもないのかなと思っています。むしろ、給油時にタンクだけを取り出して持ち出した時に、凸凹のある場所に置かないように気をつけることの方が大事かなと。

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うん?と思った点。芯を上下に動かすノブに「消・燃」と日本語が書いてあることから、タンクは国内販売時の純正タンクそのままなんでしょうが、鉄のフタ部(下画像)には、PERFECTIONの文字とPERFECTIONの△ロゴが刻印されています。想像なのですが、このストーブの総合的なコンディションを踏まえると、この部品ひとつだけを前ユーザーがPERFECTION製のモノに組み替えたとは考えにくいと僕は感じています。経年劣化具合もタンクの他のパーツと違和感がないんです。ValorとPERFECTIONのパーツが混在するタンクを装備したValor 525が、代理店を通じて国内で販売されていたパターンがあったんじゃなかろうか、なんとなくそんな気がしてます(確証ナシ)。そりゃValorのストーブなんで、Valorと書いててくれた方がしっくりきますけど。

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△パーフェクションロゴ…むむ

このストーブ、火をつけるとキラキラと派手な姿になるのとは対照的に、火がついてない時のシックで完全オフなたたずまいもけっこう好きなんです。

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ちっこい家に住んでることもあって、このValor 525は、実用の暖房器具としてなんの問題もないです。もろもろちょうど良いストーブで気に入ってます。あったかい。アウトドアで使う場合、テント内のような密閉空間であれば、十分に用を足してくれると思います。

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