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社長「お前多分脳の病気だから診察受けた方が良いよ」

2017年の夏、当時18歳
内装工事の会社に入社して1年経ったころ
社長や上司に囲まれて言われた言葉だ。

思い返せば小学3年生の頃に三者面談でも言われたな。
親が担任に怒っていたのも鮮明に覚えている。
友達には恵まれていたが、授業に1ミリも興味がわかなかった。
もちろん宿題もやったふり、通知表は帰り道のコンビニに捨てていた。
だけどゲームや車、自分の好きなことには誰にも負けないくらい知識があった。
小学生にして自分が興味持ったことには徹底的に調べる癖がついていた。
だけど勉強や授業には全く興味がわかなかった。
テストも運ゲー、50点すら取ったことない。

「またテストの時間だ」退屈だなと思ったその時、先生が俺のテストの下に答えの用紙を入れて渡してきた。
あの時の驚きは今でも忘れない。
俺がバカすぎていじめられないように心配していた。
小学生ながらに「いきなり100点取ったら変だな」と思い、40点ぐらいになるように適度に回答を外した。

あれから10年、中卒で建築の世界に飛び込んだ。
いわゆる職人ってやつ。
中学卒業してすぐ塗装屋に就職したが雨の日は休みになり稼げないので半年でやめた。
親父が現場で仲が良かった内装屋を紹介されて就職することにした。
社長は30代前半、イケイケでパワフルだ。
親父は仕事がかなりできたし、若いってこともあってかなり期待されていた。
だけど俺は時間にルーズだったり、要領が悪かった。
指示されたことを忘れないようにメモを取るが、メモを見返すことすら意識できなく何度も怒られた。
いろんなことに気が散って気が付いたら関係ないことをしている。
もちろん怒られるが、若いので最初は多めに見てもらえた。

入社して1年くらい経った時、職長で現場を任されるようになっていた。
一人だと集中できるし、何より任されたことに喜びを感じていた。
だけどそれ以上に期待と責任感を感じていた。
自分の性格も理解していたのでかなり慎重に仕事をしていた。

ある日上司の現場に手伝いに行った時に指示を受けて作業していた。
頼まれていたことを忘れて他の作業をしていた。
上司が来た時に頼まれていたことを思い出してすごく焦ってしまった。
上司からしてみれば、今更そんな焦った顔すんなよって感じだったと思う。
足場の上でいきなり殴られて意識が薄れるほど首を絞められた。
普段温厚で面倒見良い上司だったから本当に怖かった。


意識が飛ぶ前に上司が言った。
「このままじゃお前を殺しちゃうから今すぐ帰れ」
目がマジだった、本気で殺されると思った。
意識が朦朧としてる中、謝りながらその場から離れた。
「俺って何のために生きてるんだろう」そう思ったら泣けてきた。
資材置き場の陰でひたすら大泣きした、自分に原因があるから余計に悔しかった。
けどここで諦めたくないと思った俺は上司に謝り、仕事をさせてくださいと泣いて頼んだ。
尊敬していたから着いて行きたかった。

それを見ていた他の業者のおじいさんが休憩中に声をかけてきた。
「こんなに頑張ってるのに可哀想だ」と泣きながら慰めてくれた。
自分のために泣いてくれる人がいるなんて思ってもなかった。
この人を悲しませたくない、もっと頑張らなきゃ。そう思った
もっと努力が必要だと痛感した。

長いので続きは次の投稿にします。

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