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熱狂的ファンを作るライブ-Taylor Swift Reputation Tour 2018-

世界的メガスター・テイラースウィフト。

大スターを超えるメガスターであるのに、熱狂的なファン(Swifty)が数多く存在することが、個人的にすごく不思議だったんですよね。

だって、大衆的にすればするほど、ライブ内容は丸くなっていく。
それはそのまま「ささるものが減る」というリスクを負う。
Taylor に関してはカントリーからポップスへと、音楽のジャンルすらも大きく変更した。
それでも、彼女の勢いはとまらない。

ちょっとよこしまな理由ですが
大衆的になってもなお、ファンを世界中に持つアーティストのライブを見てみたい」と思って、初めて彼女のワールドツアー・Reputation Tour 2018 東京ドーム公演に足を運びました。
そして「なぜSwiftiesが世界中に存在し、熱狂し続けられるのか」という理由が少しだけわかった気がしましたので、ここに書いておきます。


理由はすごくストレートな1つでした。

「Taylor自身がファンを大切に思っている」ことを全力で発信している


どストレートに、刺しにいくポイントはそこでした。

具体的に彼女のライブで用いられていた手法は以下の通り。

- Opening Actが終わり、ライブ本編が始まる前
小さい家を貸し切り、限定500人程度のファンを招く会を行った様子を放映
それも1箇所じゃない。世界5箇所くらいで実施した様子が流れていました。(100人×5箇所くらいだったかな...すみません、不確かで。)
参加したTaylorへの愛を語るファンの姿の他、限定イベントの内容は
・広いリビングルームで、ソファに座るTaylorと床に座るファン。最前列の人との距離推定たった2m。ファンは前の方にみんな詰めているので、遠くても推定15m以内。
・ゲームやアンケートを通して選ばれたファンはTaylor本人から名前を呼ばれ、ハグやチークキスをするシーン(!)
など。


また、本人登場前に広告もいくつか流れたのですが、最初は広告だと気付かないレベルの「Taylorとファンが近づくためのXXX」というもの。
徹底的にフォーカスされているのはTaylorよりも、ライブに参加しているファンでした。


- ライブ本編開始後

始まるやいなやメインステージをこれでもかというほど左右前後に動くTaylor.
それでも大きい、東京ドーム。
ワールドツアーまわれる最大サイズの大道具はこれくらいだよなぁ…といった諦めまじりに2Fスタンド席で眺めていましたが、
10曲目あたりのDelicateから一変。



入場時に配られるリストバンドが青く光ってできた青い海の上を、ステージの端から三日月型のゴンドラにのって後方ステージに移動するTaylor.
演出+本人との距離感の変化に、後方エリア大興奮。もちろん私も。
物理的距離が近づくだけで、心まで近づくような錯覚を覚えたのは初めてでした。

そのままOpening Act で出演していた Charli XCX を後方ステージに招き、二人で「Shake it off」!

会場後方のテンションを爆上げしたかと思ったら、アコースティックギターを抱えてファンに語りかける。
真っ暗な中、スポットライトが自分にしかあたっていない状況。
まわりなんか見えるはずもないのに
「みんなのこと見えてるよ。あなたも、あなたも、あなたも、あなたも、あなたも!!!」
と全身を使って、ファンの存在を常に認識していることを伝える。
しっとりと歌い上げ、後方もう一方のステージへ。

この移動がすごかった。


とにかく握手する!握手する!握手する!
Shake it off (振り落とす)どころか Shake hands しまくってました。握りまくり。


時間をかけて通路をうねうね歩き、ステージ間のファンと握手。
通り際の パンパンパンパーン! みたいなハイタッチじゃない。かなりしっかり目を見て握手。3mくらい片側を歩いたら、すぐもう一方へ戻って握手。それの繰り返し。
計測していないので、ただの体感ですが、たぶん5分以上使っていました。

(上部インスタグラム投稿2枚目参照)

あまりに感動したので図におとすと


こんなかんじ。
青がTaylorで、赤が移動線。


Taylorに対する気持ちが最も動いたのはここでした。「かっこいい!好き!」と素直に思いました。


不思議なことに、観ていた私は勝手に3曲+移動かと思っていましたが、セットリストを見返すと後方ステージではそれぞれ2曲ほど(しかもうち1曲は移動)という程度しか使われていませんでした。
Taylor's show magic.

メインステージに戻ったTaylorのパフォーマンスはライブ開始数曲となんら変わらないはずなのに、開始直後よりも距離がぐっと近付いたような錯覚を覚えたし、全力で応援する気持ちになりました。

もう、ファンじゃん。


そう、

メガスター・テイラースウィフトはファン作りの達人

でした。


他にもファンを作るライブ作りが上手な有名パフォーマーとしてはPerfumeが挙げられるかと思います。
彼女らの具体的なパフォーマンスとしては、
・観客いじりで1時間つかう
・ファンへの感謝を述べながら泣いちゃうあーちゃん
が定番。観たことがない方はぜひ。
ファン作りという観点だけでも十分感動できますし、帰るころには大好きになって離れられなくなります。


ライブをただの「音源以外で稼ぐ場」とするのか「新規熱狂ファンを作る場」とするのかで、スターから大スター、さらにはメガスターになるステップアップ力が変わるのでしょう。


はぁ。それにしてもすき。
Delicate聴きながら布団にこもろう。


SET LIST (拾い物)
1. …Ready For It?
2. I Did Something Bad
3. Gorgeous
4. Style
Love Story
You Belong With Me
5. Look What You Made Me Do
6. End Game
7. King of My Heart
8. Delicate
9. Shake It Off
10. Dancing With Our Hands Tied
11. I Know Places
12. Blank Space
13. Dress
14. Bad Blood
Should’ve Said No
15. Don’t Blame Me
16. Long Live
New Year’s Day
17. Getaway Car
18. Call It What You Want
19. We Are Never Ever Getting Back Together
This Is Why We Can’t Have Nice Things

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