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不器用な自我爆発女子が丁寧なメイクをするようになるまで

「なんでいつもメイクしてるの?」
改まって訊かれたら、即答できない。

なんでいつもメイクしてるんだろう。
うーん。
マナー?なんとなく?すっぴんに自信がないから?みんなやってるから?

マナーとしてのメイク。
TPOを考えたメイク。
自分が主役じゃない時に適したメイク。
そんなものはつまらないと思っていた時期があった。
万人に受けるメイクをして、毎朝同じ顔が出来上がる。そんなの、つまらない。
ちょっと「いつもの自分」に反抗心が芽生えた日にアイライナーの色を変えても誰も気付いてくれないし、メイクの話で盛り上がることもない。なんなら失敗して眉毛を太く書きすぎてしまった日に指摘される程度だ。悔しい。
とにかく全てが退屈で、どうしたら自分の顔を変えられるんだろうかと不満をどこかで抱えていて、気持ちが消化不良を起こしていた。

そんな反抗心の塊だった時期から約3年が経ち、ようやく「わたしの顔であっても、わたしだけのものではない」のだと、先輩女性たちをみてわかってきた。

往訪の時はまつげをぐいっと上げて元気な印象を。
謝罪の時は潔くすっぴんで、自分を一切飾り立てない。

メイクは「相手に見せたい自分」を作ることも大切なんだと。
相手に「こうあって欲しい」と求めるなら、わたしが最初にそれに沿ったわたしになることが必要なのだと。

そんな基本的なこともわからず、いきすぎた自我と反抗心のせいで迷子になっていたわたしを見かねた20歳近く年上の職場の先輩が、ある日出勤前の時間をわざわざ割いてメイクを教えてくれた。


「恐れ多い」と縮こまりそうになる気持ちと「これからどうなるんだろう」というわくわくが混ざり合ってぐちゃぐちゃになりながら、されるがままになる。

先輩は一貫して、丁寧だった。
すっぴんのわたしの肌にシートマスクをあてて潤すところから始まり、マスカラでまつげの最後の1本を伸ばすところまでずっと丁寧。

最も衝撃的だったのは
「かわいいんだから、素材を活かしなさい」
と何度も、何度も声をかけられたこと。
そんなこと、考えたことがなかった。
思い返せばいつもどこかで「ダメな自分の顔を、他人が直視できるレベルにまで持ち上げなきゃ」と考えてひとりで少し萎えていた。だから自分を大事にできなかった。"出来損ない"と思い込んでいた自分の顔が土台だから、乱暴なメイクも全く抵抗なく施せていたんだ。

自分を誰よりもかわいがってあげる。誰よりもわたしがわたしのことをかわいいと信じる。そうしたら、自然と丁寧なメイクができる。乱暴な気持ちにもならない。
自分を大事にすることが、まわりまわって相手にも伝わるんだ。


メイクのhow toやキレイになるマッサージや新商品の情報。どれも取り入れるのは楽しいけれど、一番根幹にあるべきものは「わたしをかわいがってあげること」。
わたしの顔、わたしの体。誰よりもそれを触るのは、わたしなんだから。


***


メイクが酷すぎて先輩に教えてもらったくだりはわたしの実体験なのですが、その時にオススメされて以来、折れてもなくしても買い直してるイチオシアイテムはこちら。
M・A・C の「アイ コール テディ」。 

まず、どんな下手くそでも失敗しない!柔らかい書き心地と、穏やかなのに凛とした存在感のでる茶色。ちょっとラメが入ってて、かわいいんだこれが。
びっくりするほど顔に奥行きが出るので、単色アイシャドウにこれ1本引いておくだけでもキレイな顔になります。


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