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日本人が知らないスラム街のリアルな暮らし。頑張るママと怠け者のパパ

発展途上国のスラム街と聞くと、多くの日本人は過酷な暮らしをイメージするでしょう。


でも、スラムに住む人々の生活を知れば、それは正しくないことに気づくハズ。

フィリピンのスラム街の一日をレポート。

スラムの住人のプロフ

スラムとは、貧困層が寄り添うように住んでいる過密地域。
都市部に多いのが特徴です。

スラムには様々な境遇の貧困層が暮らしています。

・住んでいた場所を追われ親戚を頼りにやってきた人
・地方から街へ出稼ぎにやってきた人
・無許可で家を建て生活する家族
・元々スラムで生まれ育った人


一人暮らしは稀で、ほとんどは家族か親戚と一緒に生活しています。


生計は母親のスモールビジネスの稼ぎが頼り。
父親は、たまにある日雇いの仕事で日銭稼ぎ。


子どもは一家族に3~5人
小学校就学年齢の子は、学校へ籍を置いている子が多いですが、実際には通学せず、家の仕事の手伝いや遊んでいる子も少なくない。

12~15才ぐらいになると、自身で物売りなどの商売をして家計を助けます。


スラムの朝は早い

起床は4時
まだ、外は暗闇。


母親は行水で体を洗った後、家族の食事の準備をはじめます。
米を炊き、おかずは日持ちする干し魚やソーセージ。


学校に通う子どもも、母親と一緒に起床。
生徒数が多く、教室が足りない公立の小学校では、生徒は午前組と午後組に分けられ、午前クラスの生徒の場合、授業の開始は6時から。

子どもは家を5時過ぎに出ます。

ママは朝から仕事の準備

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家族を養うのは母親の仕事。
スラムの住人のほとんどが、女性の収入で生計を立てています。


子どもが学校に行ったら、母親は仕事の準備。
スラムの女性が行っている仕事で多いのが食べ物の販売です。


鶏肉のから揚げ
ミートボール
焼き魚
焼きそば

近くの市場で食材を仕入れ、自宅の台所でおかずを料理して、家の前や路上で販売。


フィリピンの家庭料理が安く食べられる露店は、タクシードライバーや近隣の住人も利用します。

母親が料理に忙しいときは、販売を子どもが手伝います。


一日の稼ぎは500円~1,000円ですが、食材費などの原価を差し引けば、実入りは約その半分。

パパは毎日お酒とギャンブル

奥さんの収入で最低限の食事は摂れるので、父親は積極的に仕事をしようとはしません。
昼間も寝ているか、ギャンブルに講じているか酒を飲んでいる。


スラムで行われているギャンブルは、闘鶏、麻雀、トランプ、ビンゴ。
貧困の人ほどギャンブル好きです。


闘鶏とはニワトリ同士を戦わせるフィリピンの娯楽。
レジャーでもありありますが、基本的には勝ち負けを予想するギャンブル。

闘鶏は毎週日曜日に行われるので、平日は父親はニワトリの世話をしたり戦う練習をさせる毎日。


貧困層の男性ができる仕事は、大工や荷物運びの日雇いですが、職業訓練を受けていない男性に回ってくる仕事は限られます。

結局、仕事を諦め、ギャンブルと酒の毎日。



でも、それを奥さんは咎めません。
それがフィリピンの文化であり日常の風景だから。

女性が稼ぎ家族を養い、父親は怠け者。
良くも悪くも、これがフィリピンの社会なのです。

炊事と洗濯

仕事をしている母親も、家事をしなければなりません。

11時ぐらいになるとご飯を薪で炊き、おかずは商売ものの魚や鶏肉。
少しお金に余裕があれば、近隣のお店で惣菜を購入します。


午前クラスに通学している我が子も、1時前にお腹を空かせて帰宅してきますので食事の準備は5人分以上。


昼食後は大量の洗濯物が待っています。

フィリピン人はキレイ好き。
スラムの住人は大家族ですので、毎日大量の洗濯物が出ます。


タライに水を張り、一枚一枚丁寧に洗い軒先に干していきます。
洗濯に要する時間は毎日1~2時間。

学校が終わったらネカフェに直行

学校から帰ってきた子どもが向かう先はネットカフェ。

ママからお小遣いをもらい1時間50円程度でインターネットに没頭。


YouTubeで流行りの歌やダンスをチェックしたり、Facebookで友達とやり取りしたり。


お小遣いで利用している範囲なら良いのですが、母親からもらった学費や食事代までネットにつぎ込んでしまう子もいて問題になっています。

娯楽だってあるよ

夕食は5時ぐらいから。
昼食同様、ご飯を炊きおかずは商売物の魚や鶏肉。

食事中にはテレビをつけ、アニメやニュース番組も観ます。


スラムで暮らしている人たちは娯楽なんてない、と考えているひとも多いですがそれは違います。

スラムにもテレビはあります。
ただ、電気代が掛るので母親が観る時間を制限している場合も。


毎日食べるのに精いっぱいでも、楽しみの時間は大切にします。

パパの寝床は家の外

朝早い生活なので、寝る時間も早く10時頃。
三畳ほどのスペースに母親と数人の子ども。


部屋が狭いので、父親は家の外で寝ます。

フィリピンは、年中30度前後の気温なので、雨だけ凌げれば外で寝たって大丈夫。


思春期の年齢の子は、夕食後、友達と無料のカラオケやディスコに出かけることも。

年代ものですが、カラオケはスラムの家でも20軒に1軒くらいの割合で目にします。
そして空き地で大音量の音楽を流し踊るディスコ。

お金のかからない娯楽です。

楽しむために生きている

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「スラムの暮らしは苦しく、住人は暗い顔で毎日を生きている」

こんな先入観を持った日本人か多いですがそれは大きな間違い。


拾ってきたテレビを修理して使い、通話料は高いから電話はできないけど、中古のスマホで無料テキストのやり取りをしたり。


生活は楽ではないけど、食べて寝るだけの毎日なら生きている意味はない。


日本人が見たらスラムは大変な生活環境ですが、貧困でも自分にできる楽しみと生きがいを見つけながら毎日を暮らしています。


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