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日本語の力が今はまだ弱くても、「センパイのライフストーリー」から学べる読解教材を作りました!(理由編)

「なんだか、ドラマみたい!」

イベントに参加している外国にルーツを持つ高校生が、センパイのライフストーリーを聞いているときに印象的だった言葉です。ライフストーリーは外国ルーツの若者の胸を打つものだと実感できた瞬間でした。

▼glolabでいう「外国ルーツの若者」とは・・・


私たちが定義する「外国にルーツを持つ」とは、両親またはそのどちらか一方が外国出身者である子や、海外から帰国してきた子を指します。国籍は問いません。加えて、特に高校生段階の若者に支援を届けたいと考えています。この記事では、外国にルーツを持つ生徒として、話を進めます。詳しくは、glolabの自己紹介記事をご覧ください。

▼ライフストーリーをリライトしようとした理由・・・


外国にルーツを持つ生徒は、生まれた土地や人間関係、それまで培ってきたものから切り離される体験をして、日本に来ます。日本の中で右も左もわからない状態を経て、成長を遂げます。

成長過程ではたくさん思い悩み、人生の分岐点では相談する相手も言葉もわからず、苦しむこともあります。 言葉の壁、情報の壁、制度の壁、幾多の壁に、向き合わなければなりません。
 
 そんな彼らが主体的に行動し、キャリアを切り開くために、どのような支援ができるのかを考え、今回、glolabで公開している「センパイのライフストーリー」をわかりやすい日本語に「リライト」し、読解教材化することにしました。

センパイライフストーリーリライト版の第一弾は、ケイシリンさんのケースです。

▼どうして、ライフストーリーなのか・・・


外国にルーツを持つ生徒には、周囲にロールモデルと呼べる人が少ないという場合がよくあります。同じ背景を持ち、似通った価値観を持つ仲間の中で彼らは日々を過ごすのですが、そのような同質性の高いコミュニティの中では、やはり触れられる世界やそこから得られる情報、物事の考え方などは限定的であり、ときには偏りができてしまうのは想像に難くありません。

 そのため、外国にルーツを持つ生徒と同じような背景を持ちつつも、自身で人生を切り拓いていった「センパイ」の語りは、彼らの心を打ち、また新しい視点を与えてくれると言えます。冒頭の感想も、そのような気持ちから出た言葉だったのでしょう。
 
 ただし、平易な表現を用いたライフストーリーはこれまでなく、私たちも支援者向けにしか発信できていませんでした。

 そこで、今回、日本語を学んでいる外国ルーツの生徒が読んで理解できるように、「リライト教材」化することにしました。

▼この教材が示唆することは、ズバリ、若者たちへの考えるための「きっかけ」づくり!


「この生き方が正しい!」、「この選択が正解だった!」と伝える意図はありません。
 むしろ、転機になった出来事やセンパイが一歩踏み出した出来事に着目し、それを読んだ生徒なりに読み解いてほしいと思っています。そのために、ワークシートも作りました。

 ストーリーを読んで、ワークシートの設問を解くことで、必ず自身のことも振り返るきっかけとなります。自己認識を更新し、これまでの人生の出来事を再度解釈し直し、それによって、行動変容が起き、また起こした行動から学ぶということに繋がるでしょう。このようにして、人生のヒントにしてほしいと思っています。
 
 日本語学習と並行して主体的なキャリアデザインのきっかけに、この「リライトライフストーリー」をご活用いただければと思います。

後編では、日本語の力が今はまだ弱くても、「センパイのストーリー」から学べる読解教材を作りました!(使い方編)を書きました。ぜひご覧ください。

また、センパイライフストーリーリライト版の第一弾は、ケイシリンさんのケースです。ぜひご活用ください。

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