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Immilab 北川ペドロソ実萌さんへのヒアリング〜日本における「移民」と貧困の関係を探る〜(English below)

龍谷大学のPTCプロジェクト日本チームリーダーのyasuです。
先日、滋賀県と京都府を拠点とし、在日移民の人々への制度的格差の改善に取り組んでいるImmilabの北川ペドロソ実萌さんにお越しいただきました。私たちの考える「見えない貧困」や日本で暮らす移民の生活の実情や困難を照らし合わさせながら、インタビューをさせていただきました。
 
〈Immilabとは〉
日本に暮らしている移民が仕組みや制度によって受けている差別を少しずつ改善していくことを目的としている団体。特に、生活に直結する医療や教育の分野を中心に在日移民の人々が「生きづらさ」を感じなくとも暮らせる社会を作るために日々活動に取り組んでいる。

Q. 移民への支援を始めたきっかけやImmilabの活動をはじめたきっかけは?

自分自身がアメリカで移民になった経験から、日本の移民制度の理不尽さを改めて感じたことがきっかけ。
京都では留学生や観光客で外国人を多く見かけるが、それ以外にも労働者として京都にやってきている方も一定数存在している。彼らは経済的にも医療的にも脆弱な立場(コロナ禍や経済不況の際に真っ先に解雇されやすい)にいる人が多いがそういったことはあまり日本人市民には認識されていない 。

Q. 移民の人々が感じている生きづらさはどのようなところに現れているのか?

差別の目が向けられ、危害が加えられることより、日常生活で日本人が普通としているようなサービスを受けることができないことに生きづらさを感じている人が多い。ただそのことにすら気づけていない状況にある人もいる。
医療分野や教育分野では、外国人を包摂するようなサービスや制度を構築できていないことが多い。また、携帯の契約の仕方や運転免許の取り方など日本で生きていく上では、必要不可欠とされることが外国人の人にはやさしいサービスになっていないのが現状。

Q.どのようにして移民支援の活動の領域を広げていったのか?

いかに20%から50%くらいの興味を持つ人々の関心度合いを100%に近づけていくかに意識を向けていた。そして、興味が少しある人がどんどんその興味関心を周りに伝染させていくことで、全く興味がなかった人も社会課題や支援に対して興味を持ってくれる可能性がある。

Q. 過保護な支援の在り方は良いことだと思う?

依存には支援する側に経済面に依存する「経済的依存」と心のよりどころとして居場所に依存する「精神的依存」の二つの考えがある。
団体の理念によって、どこに依存と支援受給の境界を作っているか、そもそも依存を良し悪しどちらにするのかは変わってくるが、一生涯をかけて被支援者を家族と同じように接し、依存することを支援の形とする団体も存在する。
ブラジル人学校に通っている子供たちの様子は、支援に環境依存する人たちの様子と近いものを感じる。しかし、長く支援を続けていくためには、ビジネスモデルが必ず必要。完全無収益な活動や単発的な活動ではサポートをしたくても有限な活動になってしまう。

Q. 誰かを助けるような活動を進める中で、仲間を増やしていくのにベストな方法は?

興味や関心を少しでも持つ人々を少しずつ仲間に加えていく方法が活動の輪を広げていくには、コストも低く、やりやすい。そして、自分も問題の当事者であるということを伝えると、人は取り組むべきと意義を見出しやすい。
例えば、実際にフィールドに出て現地の人の声を聞きそれを発信したり、移民や児童養護施設などの支援活動をしている人から話を聞きそれを発信したり、また貧困状態を疑似体験してみる(例:1日500円だけで1週間過ごす)などがある。
移民の生きづらさの問題の原因のひとつとして、実際に移民の人々に会ったことがない人や彼らがどのような生活をしているかを知らない人の方が多いことがあげられるので、当事者意識を持ってもらうため、実際に当事者と会って話をしてもらうことが重要。

Q. 北川さんが考える日本の貧困とは??

貧困は何をもって解決したかということを言いにくい課題で、いまだに貧困の定義がクリアではないことが多い。ただ、子どもの人生は、親に依存していることがほとんど。そして親の貧困が子供にも連鎖するため、子どもの権利が親の経済状況によって奪われてしまうことを貧困とよべるのでは。

〈メンバーの感想〉

〇やす
 今回北川さんにお話をしていただいた中で、一番印象に残っているのは「関心度0を40にするより、関心度40の人をいかに100に近づけその輪を広げていくかが大切だ」ということです。今まで、プロジェクトを進める中で、いかに全く貧困問題と接点がない人に自分たちの活動や貧困問題や環境問題等の社会問題などの興味を持たせるか、問題を自分事化させるかを考えていました。しかし、その前に少し活動に興味がある、かなり社会課題に興味はあるがどのように関われるかが分からない人を集めて、その輪を広げていく方が、貧困問題や環境問題の認知の輪が広がっていくことに気づきました。そのため、いかに興味関心が現状持てない人に興味を持ってもらうことを考えると同時に、社会課題について何か活動したいと思っている個人や企業などがストレスフリーで、活動できるモデルをプラスモデルの中に組み込められるかを考えていきます。
 
〇さや
中学高校で受けてきた異文化理解の授業では、日本の移⺠の「生きづらさ=差別や偏見の目を向けられること」と学んできたが、北川さんのお話を聞いて実際日本に来た移⺠の方が困る場面は思いのほか携帯契約や住居の手続きなど実生活に近いことが多いのだと感じました。生活が不自由なく出来た上で、日本社会が差別の目を向けがちと言われている偏見の課題が出てくるのかなと思いました。また、北川さんは日本人が移⺠になる可能性についても話されたことも印象的で、私も移⺠受け入れがニュースで取り上げられているのを見て日本人も移⺠になる可能性はあるが、それを十分に理解している人は少ないと思います。そして、日本が移⺠受け入れの制度を改めて整えることや外国人労働者に対する企業の雇用制度をより適切なものに作り変えることは自分達が移⺠になった場合の耐性をつけることにつながると思いました。北川さんの話を聞いて国家の違いを意識した上で移民という現象や分類される人々への対応策を考えて行くことが重要だと感じました。
 
◯みずき
 活動を初めて以来中々フィールドに出ることができていませんでした。その中で、実際に社会課題の解決に取り組んでいらっしゃる方のお話はとても実践的で、私たちのプロジェクトを今後進めていくにあたって直接活かしていけるものだったと思います。特に、自分たちのフィールドを持つことの重要性とそこで色んな人から話を聞いて課題の構造を把握するというお話が大変印象に残っています。
しゅん
 ヒアリングを通じて学ばせて頂くことがたくさんありましたが、その中でも特に課題を抱えている方と同じ目線を持つ、当事者意識を持つ重要性を改めて感じました。フィールドに出て当事者の方と直接関わることでしか得られないものや、どの問題も自分にも起こりえるもので、自身の生活と表裏一体のものであるという感覚を持ちながらこれからの活動に取り組んでいきたいと思いました。

We interviewed  Ms.Miho Pedoroso Kitagawa, who is co-leader of immilab. She is working to improve the institutional difference for immigrants in Shiga and Kyoto.
She said that immigrants feel life in Japan is not convenient and hard to maintain. She also told us that many people and the media think violence is the most problem for immigrants. But, actually, they have trouble contracting smartphones, getting bank accounts, and using hospitals, which is the service  Japanese can easily get and we just have to get to live in Japan.
Also, when we asked how to spread the action that is supporting someone, she said,  it’s important to give others the thought that social problems aren’t someone else’s problem, there is a possibility to fall on yourself.
And, there are many ways to do it.
For example, you can providecorrect information that you collect by going to areas where the poverty problem has occurred and asking people who are suffered from poverty and those who support them. Also, you can experience a severe situation of poverty by trying to live with only ¥500 per day.
And, if you do these actions, you can know that poverty is not someone else’s problem, there is a possibility to fall on yourself.

We want to try to take action to make others realize that social problems are not someone else’s problems by experiencing the situation of poverty and understanding what those who struggle with poverty want us to do. 
Thank you, Ms. Kitagawa, for coming to talk with us!!



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