【10/23開催】2mmずらして考える会の様子
こんにちは、グローカルセンターインターン生の高津です。
本記事では、10月23日(月)にStudents Labで開催した「2mmずらして考える会」の様子をご紹介します。今回のワークショップの司会進行は、インターン生のみぞ(溝川彩夏)が行い、みさきちゃん(伊原実咲)はグラフィックレコーディングを行いました。
2mmずらして考える会とは?
2mmずらして考える会とは、「普段見ている物事や景色を2mmずらして考えてみよう!」というコンセプトで生まれた対話の会です。グローカルセンターの当時インターン生だった三谷くん(現在のスタッフ)とMeikaさんの「お金ってなんだろう?」という問いからスタートし、これまで様々なテーマが話し合われてきました。参加者は普段の学校生活の中で感じている違和感や、悩み、人に共有したい知識、人と議論したいテーマなどを持ち寄って、2mmずらして考えながら、話し合います。
今回は、高校生3名、大学生4名とインターン生を含めた10名で行いました。まずはじめにチェックインとして、参加者全員で円になって「呼ばれたい名前・所属」、「今の気持ち」、「この秋に食べた一番おいしかったもの」を共有しました。
そして、今回、話し合いたい「問い」をホワイトボードに記入してもらい、投票を行うことで、以下の3つに決まりました。
夢はいつまでに決めればいいのか?
不器用は治せるのか、治すべきなのか?
勉強する意味は?
全体での対話の様子
3つの問いのうち「夢はいつまでに決めればいいのか?」は、全員で話し合いました。その際は、以下のルールに沿って進めました。
まず、この問いを考えた人に、どういう意図でこの問いを考えたのかを共有してもらいました。その話によると、大学に進学したものの、自分が思い描いてたものとは全然異なり、就活を迎えても特にやりたいことが定まっていない中で、この問いを持つようになったそうです。そこから、参加者全員で、その問いの答えを探究しました。
ダイジェスト1:夢って持つ必要あるんだっけ?
対話の中で、大学生の1人が「夢はいつまでに決めればいいのか?」に含まれる、問いの前提に対する疑問を全体に投げかけました。
個人的には、このように「そもそも論」を考えるのは、問いを構成する小さな問いを分解する=問いの素因数分解に繋がるため、とても大切だと思います。実際、高校生からは、次にあるような、面白い視点が出てきました。
ダイジェスト2:いきなり魔王を倒すのは無理じゃないか?
ダイジェスト3:夢って変わりませんか?
この問いが出るまで、夢は変わらない、不変的なものとして、話されてきましたが、それについても、疑問が投げかけられました。
2mmずらして考える会における対話の目的は、探究する問いに対してメンバー間の共通の合意を構築することではありません。むしろ、違いや、ずれを認識しながら、各自が自分なりの答えを持ち帰ることです。その点、今回は、このように全体で対話する時間を設けることで、その違いが浮き彫りになりながら、深い話し合いができたと思います。また、全体の対話の際は、インターン生のみさきちゃんがグラレコで内容を可視化してくれました。
グループごとの対話の様子
全員で対話を行った後、2グループに分かれて、それぞれ下記の問いをもとに対話を行いました。
不器用は治せるのか、治すべきなのか?
勉強する意味は?
ここでは、前者のグループの様子を少しだけご紹介します。
この問いを出した学生は「仕事をするときに、みんなが1回でできることが自分はできない。そのようなときに、苦しくて、弱みとして『不器用』を直せるのか、と思った」という背景を共有してくれました。
グループで話し合ったこととしては、「器用」=「うまくできる」という意味を指すことが多いと思いますが、その「うまくできるようになること=対象」は、一定の領域固有性があるのではないかということです。例えば、身体的な技術なのか、勉強する時のスキル、仕事におけるスキル、あるいは、対人関係スキルなど、領域の分解はできるはずです。このように、1つ1つのスキルの領域を考慮すると、「不器用」という一言で片づけずに、自分が得意な部分(強み)や不得意な部分(弱み)を理解できるかもしれません。
また、器用や不器用というのは、他者との比較から相対的に判断ができるものであると考えると、「不器用は治せるのか、治すべきなのか?」という問いではなく、「どうすれば人と比べなくなるのか?」という問いを考える必要があるという話になりました。こうして、問いをリフレーミングすることは、文字通り2mmずらして考えることであり、新たな答えが想起されるため、非常に大切なことだと思います。
ふりかえり
最後には、全体でふりかえりとチェックアウトを行いました。
記事の終わりに
今回は、久しぶりの2mmずらして考える会を実施しました。また、今回の対話の仕方として、グループに分かれて話すだけでなく、参加者全員で対話する時間も設けました。それはまさに、哲学カフェのようなイメージで、集まったメンバー全員の立場や考え方を大切しながら、2mmずらして考えるダイアログだったと思います。
次回は、11月末頃にできればいいなと思っています。皆さんも、日々感じている悩み、疑問について、一緒に話し合って、自分なりの答えを一緒に探究しませんか。
執筆者:
グローカル人材開発センター インターン生
大阪大学 大学院人間科学研究科 博士後期課程1年
高津 遥