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【地球列車旅第1章】ユーラシア大陸横断鉄道の旅 #5 草原を駆ける列車
※前回までの旅の記録↓
5日目 (車中泊)〜ウランバートル
朝、カーテンの外が明るくなり目が覚める。カーテンを開けると、眼前には延々と遥か彼方まで続く緑の草原が広がっていた。白い雲がポツポツと浮かぶ青い空の下に、思わず寝転びたくなる草原が広がり、馬や羊が草を喰む光景が車窓を流れていく。モンゴルのイメージそのままの光景に興奮し、眠気もすっかり吹き飛ぶ。同室のシンガポールの女性も目を覚まし、外の景色を熱心に眺めている。思わずお互い顔を見合わせ、美しい草原を見た感動を共有する。
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時刻は8時、朝食の時間だ。席を立ち、食堂車へ向かう。昨日の昼と夜にお世話になった中国国鉄の食堂車は、親切な調理人のおじさんと一緒に国境で切り離され、今朝からは木目調の少し洒落たモンゴル国鉄の食堂車に変わっている。
朝食の内容は西洋風で、パンとスクランブルエッグ、ミルクティーが並ぶ。食べるものは特に大したことないが、窓の外の眺めは格別で、こんなに優雅な朝食は初めてだ。車内は穏やかな朝の陽射しを浴びてのんびりとした空気が流れ、欧米からの観光客が窓の外に目をやりながらミルクティーを楽しんでいる。
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11時20分、チョイルという駅に到着する。この駅では15分ほど停車するというので、ホームに降りてみる。澄んだ青空の下、広いホームに乗客たちが降り、軽く体を動かしたり記念撮影をしたりしている。
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午後になると次第に雲が出てきて、小雨と霧の中を走るようになる。また、それまでの平らな大平原から、起伏のある丘を走るようになる。霧に烟る緑の丘で馬が草を喰む姿は、なかなか幻想的だ。
草原の中には、時折白いテントが見える。モンゴル人の伝統的な移動式住居のゲルである。列車から眺めるモンゴルの草原の風景は、単調ではあるものの、それをはるかに凌駕する美しさで飽きることがなかった。
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ウランバートルが近づくと、草原の中に家屋が目立ち始め、気づいたらビルの立ち並ぶ景色に変わっていく。首都であるウランバートルはさすがに大都会だが、空の吸い込まれるような青さは変わらない。
14時35分、列車はウランバートル駅に定刻に到着した。
駅には、予約していたゲストハウスの人が迎えに来ていた。ドアに「広島県公安委員会」と書かれた車が彼の車で、ひとまず荷物を置くためゲストハウスへ向かった。
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夕食は宿では出ないので、街へ繰り出す。「ノミンデパート」というデパートの中のレストランが安くて美味いとガイドブックに書いてあったので、そこへ向かう。
デパートの中に入ると、そこには日本と変わらないショーウインドーが並び、モンゴルにいる気がしない。しかもモンゴル人は日本人と顔立ちが似ているからなおさらだ。ここで余っていた中国元をモンゴルの通貨・トゥグリクに両替し、お土産屋を物色しつつ、夕飯を食べた。
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○5日目 2018/9/2 ウランバートル到着
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