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赤ワインに染まる

6月21日(水)

仕事を早退して横浜アリーナへ。今日早退するために仕事を片付けたり色々根回しもしていたのに、頼んだ相手がそれをすっかり忘れていて結局自分で応対することになる。どたばたしたけれど予定時間から数十分遅れてなんとか退勤。買いたかったグッズは会場に着く前に次々売り切れていった。まあ仕方ないか。ペンライトと旧ツアーのTシャツだけ買う。

昨日自分の爪に施した十人十色ネイル、ギラギラすぎて見る度にちょっと笑ってしまう。

新横浜のドトールで開場まで時間をつぶす。久々にミラノサンドなるものを食した。そして会場へ!

堂島さんからのお花、愛を感じる


武道館で開催された船木結さんと笠原桃奈さんの卒コンのときはステージから遠く離れた天空席で見送ったので、今年のやりたいことリストに「竹内朱莉さんをほんの少し良い席で見送る」と書いていた。そうしたら、何と今回はセンターB席でサブステージが本当によく見える位置だった。オープニングアクトのOCHA NORMAがかわいすぎて細すぎてくらくらする。北原ももさんが魅力的すぎる。なんだあのおしゃれ少女漫画から抜け出してきたような髪型とスタイルは。そしてあの狂気をはらんだパフォーマンス!
前回このツアーに参戦したときにはまだ禁じられていた声出しが解禁されていたので、開演前からものすごい熱気と盛り上がりだった。

そして開演、「ぶっ壊したい」始まりが本当にかっこよくて鳥肌が立つ。「人生、すなわちパンタレイ」の多幸感。「赤いイヤホン」がセトリに入っていると思わなくてびっくりした。
アンジュルムの現場に行くようになってから数か月後にはコロナ禍に突入したし、フェスには一度も行ったことがなかったから、「次々続々」の間奏で初めて「た~け~」と叫んだ。竹内さん満面の笑みでよかったな。

衣装替えの後のちょいカワ、年下組のコール&レスポンスは続投だったけれど、その後のスマイレージ曲はメドレーで、しかしその全曲に出ずっぱりの竹内さん本当に体力お化け。そして唐突にやってきた「交差点」。もうね、「交差点」という文字を入力しているだけで涙が出てくるんだが。竹内さんがメンバーを励ますようにうなずいたり一緒に歌ったりしているのが優しくて温かくて。
新曲「同窓生」が本当にいい。みんなでメンカラの風船持って外周をぐるぐる行進している姿に幸せが溢れていた。
MCの後の「アイノケダモノ」、こんなにかっこいい竹内さんと佐々木さんの間奏のダンス、見られるのが最初で最後だと思うとめちゃくちゃ切ない。と思ったけれどその後の橋迫さんがセンターに躍り出て全員を引き連れてバキバキに踊っているのを見ると、この先のアンジュルムも楽しみで仕方なくなる。その後はもう定番の盛り上がるナンバーで、本編最後は「大器晩成」、落ちサビの松本わかなちゃんは今日も最高パーフェクトでした。
アンコールまでの時間に青一色だった会場に少しずつ赤も灯っていく。とてもきれいだった。それに応えるように登場した竹内さんは赤と青のチェックのドレスで。ソロ卒業ソング「行かなくちゃ」めちゃめちゃいい曲!

MCで、竹内さんにどれだけよくしてもらったか思い出を語っていくメンバーたちがすてきで。アンジュルムがいつも大きな愛にあふれているのは中心に竹内さんがいたからなんだなあ。その中でひとり自分のパフォーマンスへの悔しさをにじませる伊勢さんが印象に残る。
「夏将軍」、あんなパリピな曲を聴いてこんなに泣けることあると思わなかったよね。そしてラスト「友よ」。幸せな時間でした。サブステージや外周もうまく使ってくれて、武道館よりもどこの座席にいてもメンバーが近くに感じられたのではと思う。
竹内さんをこうして送り出せてよかったなあと心の底から思うけれど、でも船木結さんのことだってこんなふうに送り出したかったなあと考えて、ほんの少しだけ寂しい気持ちになってしまった。

6月22日(木)

朝、蕎麦湯を飲む。
仕事中も昨日のライブの余韻に浸る。

仕事はしんどい。誰よりも強くなりたいと思う気持ちと、強くならないとやっていけないのはおかしいと思う気持ちは、別に矛盾せずに存在している。ずっと。

帰宅。日記を書いてアップする。

6月23日(金)

仕事を超特急で進める。帰りに駅ビルで旅行の買い物。まず、百均でチャック付きの透明を買う。旅先でも化粧水やシャンプーは普段使っているものを使いたいけれど、詰め替えボトルに入れると洗ったり乾かしたりがめんどうくさいので、最近は百均で小さなジッパー袋をサイズ違いでいくつか買ってそれに詰めている。これだと一回分を小分けにして、使ったら捨てるだけだから便利。
原稿を書くので旅先にPCを持っていかねばならないことに思い至り、プラザでPCと本と洗面用具と着替えを突っ込めそうな大容量のリュックを買う。人生初のコンバース!

6月24日(土)

仕事をばりばりこなし、納期が先のお仕事も納める。やってやったぜ!
予定通り14時ごろ退勤し、品川駅へ。駅で好きな海苔弁を買い、空腹だったため新幹線のホームで食べる。

そしてこだま号で熱海へ。30分ほどだけど、PCを開いて原稿書き。
熱海で伊豆急直結の伊東線に乗り換えて南伊東へ。ここでも原稿。

南伊東の小さな駅に降りたつと空気が東京とも熱海とも違って、ああ、旅に来たなあと思う。
行ってみたかった、本と音楽の店 つぐみへ。
事前にこの日に行きますとDMで伝えていて、スピッツのレコードをかけて温かく迎えてくださってありがたい。とても居心地のいいお店で、スピッツ好きの店主さんとあれこれお話しできて本当に幸せな時間だった。
伊東のおすすめの海鮮のお店を教えてもらい、さらに夜になると大川沿いで竹をくり抜いた灯籠「竹灯り」が見られると教えてもらう。
お店を出て、音無神社近くの宿まで川沿いを歩いて向かうことに。風景がのんびりしていて川音を聞きながらゆっくり歩いていると心がゆるゆるとほどけていった。

チェックインして、部屋に荷物を置いて温泉へ。浴場の濃い青のタイルがすごく美しかった。
原稿をぶわーっと書き、ひと段落したところで飲みに出かける。教えてもらった居酒屋・うめはらへ。
新政のテイスティングに惹かれたけれど、いやここはやはり静岡の酒を、ということで初亀。

酒が滴るのを眺めた

お通しがジンタの南蛮漬け。ジンタ?と聞き返したら小鯵のことだそう。クリームチーズの味噌漬け、お刺身の盛り合わせ。まぐろ、かんぱち、まんぼう、きんめ、いさき。


日本酒二杯目は磯自慢。蛸の唐揚げも食べる。
ほろ酔いで、幻想的な竹灯りを見ながら川沿いの遊歩道を歩いて、宿に帰る。

帰ってまた温泉に入って、いい気持ちで爆睡した。

6月25日(日)

朝、いつもと変わらぬ時間に目覚めて朝風呂へ。無料の朝ごはんはセルフサービスで、固形燃料に火をつける魚焼き網で鯵の干物を焼いた。卓上に魚の焼き方の説明があったのに気づかず、半生のまま食べてしまった。

部屋の板の間に昔ながらの喫茶店みたいな赤い布張りの椅子があったので、ここで緑茶を飲みながら、昨日購入した三砂ちづる『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』を一気に読んだ。

最後にもう一回露天の温泉に入ってからチェックアウト。肌馴染みのいいお湯で最高だったな。

昨日つぐみの店主さんが薦めてくれたヤマモトコーヒー二番館へ向かう。一番館が喫煙で二番館が禁煙だそう。旅館の朝食をたらふく食べたのでちっともお腹は空いていなかったけれど、名物というランチメニューの醤油カルボナーラというメニューを見たらとても気になってしまい、それを注文することに。

カルボナーラ???

クリームベースではなく醤油味、大根おろしまで載っていて完全に和風の味付け、生の卵をカラメルのではなく加熱した卵が具として入っていて焼きそばみたいだった。カルボナーラの概念が変わって楽しかった。

熱海に戻り、それから鈍行を乗り継いで静岡駅へ。静岡は広いね。品川駅から新幹線で向かうほうが断然早いけれど気にしない!道中『あつかんファン第1号』を読む。私も自宅でお燗つけるのやりたい! と一気に熱燗熱が高まる。熱燗熱(回文?)。

デザインも凝っててすごい!

昼過ぎに静岡駅に到着。Twitterで映画の紹介がしょっちゅうバズっているサールナートホール・静岡シネギャラリーへ。モノクロの煉瓦造りの古い建物で遠目に見てもかっこいい。

中に入ると天井が高くて窓には不思議な模様のステンドグラス?がはめこまれていて独特の雰囲気のある空間だった。

メインホールで『劇場版 優しいスピッツ』を観た。映画館で観るのは二回目、自宅でWOWOWの録画を観たのも入れたら三度目の鑑賞だけど、やっぱりめちゃくちゃよかった。大きなスピーカーが正面のステージに置かれていて、そこから聞こえる低音が胸と腹の間あたりにずずんと響く。

それから、15分ほど歩いて泊まれる純喫茶・ヒトヤ堂へ。今日の宿はここ。

この建物、ゲストハウスのスペースもすごくかわいい!

貧乏旅行はたくさんしてきたけれど、ゲストハウスのドミトリーに泊まるのは生まれて初めて。女性専用ルームは、二段ベッドではないので天井が高くて明るくて快適だった。普段もベッドの上で本を読んだりあれこれしているのでいつも通り優雅な気持ちで過ごせた。

そして、静岡に来た目的のひとつである本屋・ヒガクレ荘へ。ヒガクレ荘のコジマさんと『三酒三様』納品の際メールでやりとりしていたときに「静岡はお酒天国なので、ぜひ遠征先に」と言っていただいたので、本当に来ちゃった!!
ヒガクレ荘は細長い廊下を通ってたどり着く入口からして隠れ家感のある素敵な本屋さんだった。

入口すぐの貸し本棚もそれぞれの棚主さんの個性が出ていて面白いし、ガラスケースに入った雑貨や平積みになっている本も好み。そんな本屋さんに自分たちが作った本を置いてもらえているのは本当に幸せだ。

感動の再会!

コジマさんがちょうどお店番をしていらしたのでご挨拶できてよかった。近隣のおすすめの飲み屋をたくさん教えてもらった。

ああ、今すぐ飲みに行きたい~と思いながら、今日中に今週分の原稿を送ると決めていたので強い意志でヒトヤ堂に戻って、軽くシャワーを浴びてから猛然と執筆作業。酒のためと思うとがんばれる。
無事原稿を送って飲みに出かけたのは20時半過ぎ。静岡おでんが食べたくて青葉おでん街と青葉横丁に行ってみるも、日曜ということもあって、定休日だったり早めに店じまいしている店も多くて残念。でも、おすすめしてもらった海鮮居酒屋・岩生に無事入ることができた。原稿お疲れさまということでビールでひとり乾杯。日曜で市場がやっていないということだったけれど、刺身の盛り合わせを出してもらった。おいしい!

それから、コジマさんから桜海老が旬だと聞いていたので桜海老のかき揚げを注文する。顔よりでっかい円盤が出てきたので、慌てて日本酒を追加で注文する。ぱりぱりで桜海老の香りが豊かでおいしかったけれどひとりで食べる量じゃなかった。朝からもりもり食べていたので胃がぱつんぱつんになった。
ヒトヤ堂に戻ってそのまま眠りにつく。

6月26日(月)

自分以外の人の気配があるからか、二時間おきくらいに目が覚めるけれどその都度また眠る。
朝、7時30分に一階に降りて行って純喫茶のモーニングを注文する。朝の喫茶店はいい雰囲気。あっという間に出勤前の人たちで座席が埋まっていく。

格子の窓枠すてきだなあ


あんこクリームチーズのトーストとコーヒーのセット。トーストがふかふかであんことクリームチーズがよく合って満たされる。

チェックアウトして、途中の郵便局でレターパックの封筒を買い、家から持ってきて読み終わった本と、旅の途中で買った本を全部詰めてポストに投函する。数百円で旅の荷物を軽くできるライフハック。
そしてサウナしきじへ。

このnoteを始めたばかりの2019年の夏に行って以来だから4年ぶり? サウナも水風呂も気持ちよくて相変わらず最高だった。薬草風呂のよさに気づく。
食堂でビールの小と焼き餃子。開け放った窓から入ってくる風が気持ちよくて外気浴みたいな気持ちになる。

まだ午前中


バスで静岡駅に戻り、またサールナートホールへ。今日はウォン・カーウァイの「若き仕立て屋の恋」を観た。仕立てられた服たちの美しさに度肝を抜かれる。そして手の動きが官能的すぎる。

えろー(語彙)

新幹線の時間まで軽く飲もうと思いたつ。昨日静岡おでんを食べそびれたから食べたかった。駅ビルアスティの海ぼうずで昼飲みをやっていたので向かう。タッチパネルでみかんハイボールなる酒と、白滝・はんぺん・牛すじを注文する。お通しを選ばせてくれてうれしい。

もう一杯飲みたいところを我慢して新幹線乗り場へ。

それにしても楽しい旅だったなあ。行ってみたいと思った本屋さんに勢いでぱっと行けたのはよかった。ここ最近は落ち着いたけれど文フリ前後はずっとばたばたしていて、ひとりでふらっと飲みに行く余裕もないという感じだったから、そういう楽しみを思い出せたのもすごくよかった。現地の本屋さんに顔を出して、そこでおすすめの飲み屋を教えてもらって飲みに行くのは、自分で旅程を全部決めて動くより断然楽しい。またそういう旅をしたい。夏の間に福岡白金のブックバーひつじがさんに行きたいです!

帰宅。夜、再配達でユニロイの琺瑯鍋を受けとる。注文をミスっていて、深型の大きいやつを頼もうと思っていたのに浅型の小さいやつが届いた。でも、世界一軽いとはいえかなり重さがあるし、ひとりなら浅型の小さいやつで充分事足りそうなので結果オーライ。とはいえもう少し慎重に行動した方がいいな私は。

早速新しい琺瑯鍋で玉葱とキャベツと厚揚げを煮込んで食べた。鍋をうすにびという色にしたら、明るいグレーがキッチンにも合うし料理もおいしそうに見える。そしていつもよりおいしい気がする。琺瑯バンザイ!

同僚女子に薦められたアマプラの「ラブトランジット」を二話まで観る。元カレ・元カノと参加する形式の恋愛リアリティー番組。男女10人、うち元カップル5組。若者たちがなんか気まずそうにしているのを見ているだけでこっちが気まずくなる。
疲れていたのでさっさと爆睡。

6月27日(火)

仕事。楽しい週末を過ごしたからかめちゃくちゃやさしい気持ちになれた。
定時で退勤して築地へ。T氏とちょっと隅田川沿いを歩いてから聖路加タワーのビアガーデンへ。雨でもなくかといって日差しが強いわけでもなくビアガーデン日和。これだけ地球が温暖化してるんだから、真夏というより初夏の文化にすべきよねビアガーデン。

スカイツリーに乾杯!


六種類くらいビールがあったので次々飲みつつおいしい前菜や肉料理をつまむ。

だんだん日が暮れていくのを眺める。夕暮れ時の空と、ビルにぽつぽつと明かりがともり始めた光景に目を奪われる。

爪も赤ワインの色に染まる


T氏に旅のことや仕事の愚痴などあれこれ話して、気づくといつの間にか太陽が完全に沈んでいる。
適当な中華屋で餃子と焼きそばを頼んで二次会。

6月28日(水)

昨日食べ過ぎてお腹が重い。それでも腹は減る。
夕方の会議で会社の偉い人から弊社の経営事情の話が30分ほどあって爆睡。数字わけわからん。
帰宅して蕎麦とキムチと納豆を食べて、ラブトランジットの三話を見る。なんかそれぞれのX(元恋人)とよりを戻すことが番組的にけっこうアリな選択肢として提示されているというか、参加者のなかでも積極的により戻したい人たちが散見されるので、そんなもんですかねえと思う。
キックボクシングのレッスンへ。体験に来ている初心者の人がいたのでゆっくり進行し、右足のミドルキックをやって左足のミドルキックはやらなかった。片側しかやらないと骨盤がゆがんだり変な筋肉痛の出方になりそうなので、めずらしくレッスン後に自主練。左足のキックを練習する。

明け方トイレに行って、また眠る。

6月29日(木)

出勤したら久々に頭痛がやってきて、昼食を食べて気を失うように居眠りしてしまった。

早めに退勤して、恵比寿TSUTAYAでやっている、明日最終日の「忌野清志郎 魂の言葉展 君だけに書いてる手紙」を見に行く。全然予備知識なく行ったけれどそこに展示されている言葉や写真はどれもかっこよかったし、ポスター写真の、爪をいろんな色に塗って全部の指に大ぶりのリングをはめている清志郎さんの真似をしたくなった。

泣きながら歌っても、ちゃんと歌えるというのが、いちばん偉大だと思う。

感情にまけずに、感情のままに歌う。
そう簡単に反省しちゃいけないと思う、自分の両腕だけで食べていこうって人が。

忌野清志郎 魂の言葉展「君だけに書いてる手紙」より

このあたりの言葉が、今の自分の状況だと特にがつんと来た。

駅前のスーパーで食材を買って帰宅。帰って荷物二つ受け取り。

買ってきた鶏肉と野菜を琺瑯鍋で煮込んでスープに。鍋がおしゃれでかわいいだけでいつものスープ作りが楽しい。しょうがをどっさり入れたから、冷房の効いた部屋でもたくさん汗が出た。
映画『犬王』を観た。音楽がめちゃくちゃよくて民衆のノリがほぼフェスだった。劇場で観たかったなあ。

6月30日(金)

仕事をぶわっと進める。定時後に同業他社との意見交換会なるイベントを入れられ、有意義な時間だったけれどいろいろ気を使って疲れる。

帰宅してちょっと原稿をやる。
それからラブトランジットを観ながらスパークリング清酒を飲む。
六話で止めようと思ったのに、これを薦めてきた同僚女子とLINEで感想を話していたら続きが気になってしまって、風呂にまで酒を持ち込んで結局最終話(第八話)まで完走した。私はマイと付き合いたいよ。足癖の悪さと素直さが最高だよ。

そんなこんなで夜更かしをしてしまった。日付が変わって武塙通信が届いて、もう7月?!とびっくりする。

7月1日(土)

部署の仕事でトラブルが続出してどたばたしている。
退勤して、大森のモスバーガーでコーヒーだけ頼んで時間をつぶす。昨日から、仕事の合間に川上未映子『黄色い家』を夢中で読んでいる。同作家については、前作『夏物語』を読んだときから、面白いけれど好きではないなと思っていて、今作も同じくだった。けれど、元が新聞連載だったからか、ミステリっぽいというかかなり先が気になる感じの書かれ方をしていて、ページを繰る手が止まらない。とにかく面白い。

キネカ大森へ。観なければと思っていた「TAR」をやっと観た。

空腹・猛暑からのエアコンの冷え・寝不足という最悪のコンディションで二時間半以上もある映画を観るものではない。前半、主人公の栄光とキャラクターがあの手この手で提示される部分ではひたすらうとうとし、後半は尿意と闘い続けた(そしてあっけなく負けて途中でトイレに立った)(しかも劇場を出るときに日傘を座席に置いてきたことに帰宅してから気づいた)。

そんな鑑賞体験だったからちゃんとした感想を述べられないんだけど、この主人公の振る舞いが私には全然他人事でなくて、私もずっと不安におびえていた。私にはあんな才能はないけれど、たとえば今でも某趣味の世界にいたら、たとえば前職で自分の能力を生かせる仕事を続けていてそれが成功してしまったら、私も確実にあんなふうに名誉男性的な人間になっていたんじゃないだろうかと思う。もちろん今だってそうでないとは言い切れないし、これからだってそうならないと言い切れない。
どうしたらそうならずにいられるんだ?

帰宅して原稿をやる。終わったら飲みに出かけようと思うけれどさっぱり終わらず、スパークリング日本酒の続きを飲んだ。明日も仕事! もう休日出勤飽きた!

日記を読んでくださってありがとうございます。サポートは文学フリマ東京で頒布する同人誌の製作(+お酒とサウナ)に使わせていただきます。