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「期待通り」ではなく「期待以上」を常に目指す

「期待通り」ではなく「期待以上」を常に目指す

よく若手の育成の場面などで「期待通りじゃダメだよ」と教わりますよね。

確かにそう言いたくなる相手や場面があるのは確かです。
ただ、「期待通りじゃダメ」は論理的じゃないです。

今回は『期待以上」がなぜ求められるかを僕なりに考えてみたいと思います。

「期待以上」が必要な理屈?

「期待通りじゃダメ」は若手からすると意味不明です。普通に「期待通りで何が悪いんだよ」になりがちです。上司や、先輩は更に「プロ」みたいな形容詞までつけて成果を求めてきます。「プロだったら期待通りじゃダメだ」みたいな感じです。上司が部下や若手にマウントするためだけの、ある種の言葉の凶器のようにも思うのです。

「あっ…はい…、すみません…。」みたいな。

でも心の中では、
(はっ?何?、、、何だそれ…。)みたいな。

このような仕事に対するスタンスの話しは、当たり前に捉え出来ている人と、これからビジネスを学んでいく人とでは、認識に大きな隔たりがあってもしょうがないと思います。そもそも30代、40代になってもその辺のスタンスが無い人もいるので・・・。

なので、部下や若手には何故「期待通り」ではダメなのかを、ある程度の理屈を添えて伝える必要があると思っています。ある程度と書いているのは、ある種の精神論の全てを排除することができないからです。ただ、これも真理なので仕方ありません。

これから2つのことを書きたいと思います。

・「期待以上」のスタンスが必要な理由
・「期待以上」の成果を出すために必要なこと

です。

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「期待以上」のスタンスが必要な理由

それでは何故「期待どおり」ではダメなのでしょうか?

答えは、「それではお客様に選ばれないから」です。

ビジネスは相対という競争です。
常に競合がいて、選ばれるのは1社だけです。

競合より少しでも上回っていれば選ばれるのです。
逆に競合よりも少しでも下回っていれば失注の憂き目にあいます。

競合も手を抜いているわけではありません。常に提案をアップデートしようとしていますし、定期的に新しい競合が出現したりして、競争環境は常に熾烈なのです。

そんな環境の中で、「お客様に選んでいただく」必要があるのです。

そのためにはお客様の「期待通り」ではダメで、
競合が太刀打ちのできない「期待以上」の提案が必要なのです。

結果として「期待以上」にならない場面もあったりしますが、
仕事に向かうスタンスとして「期待以上」でなければなりません。

理由は、「期待通りでいい」からは、
「期待以上」は絶対に生まれないからです。

ここまでが「期待以上」のスタンスが必要な理由の話しです。

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「期待以上」の成果を出すために必要なこと

「期待以上」を目指すには何が必要なのでしょうか。

2つあると思っています。

1つ目は、あともう少しの努力。
2つ目は、その努力の方向性が正しい。

です。

この2つを掛け合わせることで、
「期待以上」が生み出される可能性が高まります。

「あと少しの努力」とは何でしょうか?

神は細部に宿る。

このことわざの意味はこんな感じです。

本当に素晴らしい技術やこだわりは目に見えにくいことの例え。

ものづくりのシーンでよく使われる言葉だと思います。最終的な差は微細なところで決定したりします。ビジネスの場面でも一緒ですよね。最後の最後まであきらめず努力を続けられたかでビジネスの成果は大きく異なるものです。


楽天の三木谷さんが著書で書かれた「三木谷曲線」も「神は細部に宿る」と本質的には同じことだと思っています。

キャプチャ

最後の0.5%の努力が、圧倒的な結果の差を生みだすことの法則です。大抵の人は99.5%のところで「もういいか」と努力を止めてしまうが、そこまでは殆どの人がやっているので結果としての差はつかない。要はそのままではお客様には選ばれないのです。なので、「もうこれが限界」というくらい頑張って、更にそこからあと0.5%歯を食いしばって頑張る。

「やることやった! 終わり!」という人が多いからこそ、最後の0.5パーセントの努力をすることで圧倒的な結果の差を生むのです。

期待以上の成果を得るには、0.5%かはともかく、最後の「あともう少しの努力」が必要なことがわかりました。

ただ、それだけでいいのでしょうか。

ここで重要なのが、
2つ目の「努力の方向性が正しい」です。

三木谷曲線の前提は「努力の方向性が正しい」です。
なので、努力の方向性が間違っていれば成果を得ることはできません。

期待通りと、期待以上の差は何でしょうか。
表現方法を少しだけ変えると、こんな数式になります。

期待以上 = 求めらているもの(期待) + プラスα

大切なことは相手の「事前期待」を知ることです。
なんだ、当たり前じゃないかと思われるかもしれないが、世の中の商品やサービスの行き違いのほとんどは、この期待値調整がなされていないことから発生します。

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期待値はただひたすらに上昇させればいいわけではありません。相手の期待値を上げすぎて、結果で応えられなければ本末転倒です。上記の図にあるとおり、「結果」と「事前期待」の差によって、相手が受ける満足度は変わってきます。

期待値を上手にコントロールできれば “ボタンの掛け違い” がなくなり、自分と相手との正しい信頼関係を築くことに繋がります。これがビジネス文脈でいう「信頼を重ねる」というものです。

そもそも世の中には「期待以下」が沢山あります。なので「期待通り」は間違ってはいないのです。ただ、競合との差は付かないということだけです。

これは競合と常に競いあう営業職だけの話しではありません。
あらゆる年代、職種、役割の者に該当する話しなのです。

そもそも、ビジネスでは選ばれる存在でなければなりません。
理由は、選ばれなければ存在できないからです。

外勤であろうと、内勤であろうと関係ありません。

それぞれに「お客様」を定め、
相手の「事前期待」を理解し、
「あともう少しの努力」を続け、
「圧倒的な結果」を生みだすことで
相手から「選ばれる」存在でいる。

それが、
「期待通り」でなく「期待以上」を常に目指す。
ことの意味です。

(終わり)


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