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バイブル#5 儲かるようにすべてを変える

この本は僕にとってはバイブル中のバイブルです。

値段が高いです。。。

経営の定石(ベーシック)

僕は2012年に家業の印刷会社を継ぐのですが、そこからM&Aが3回あったり、営業権譲渡が1回あったりで、経営の整理統合のようなことを結構やってきました。

そこから、現在は新しく作ったglassyという会社の事業を垂直立上げしようと日々頑張っております!

そんな経営の合理化に取り組んでいた頃に出会ったのが本書です。

印刷という業界はいわゆる斜陽産業といわれ、マーケットがシュリンクしています。1999年に9兆年ほど市場規模があったのですが、現在は5兆円ちょっとの規模まで縮小しています。

ただ、5兆円って結構な規模なのでやり方次第(経営の力)で何とでもなるはずと思っています。そんな気になったのもこの本のお陰だと思っています。

著者の井上先生はこんな方です。

・井上和弘 (いのうえかずひろ)
「儲かる会社づくり」の指導歴40年以上。オーナー企業の経営に熟知した実力コンサルタント。これまで300余社を直接指導、オーナー社長のクセを知りつくし、一部上場はじめ株式公開させた企業も十数社にのぼる。

僕は会社の合理化に取り組むにあたりこの本の通りにやってきましたし、今後もこの本の通りに進めていこうと思っています。いわば僕の中の経営におけるベーシックなのです。

ものすごく沢山のことを学んだのですが、3つに絞って書いていこうと思います。

❶ 売上よりも「利益」

大事なことは、売上を伸ばすのが経営目的ではなくて、利益が増えるかどうかが目的である。社長は、この点を忘れてはならない。「拡大」はあくまで手段であって、その目的は「利益」なのである。

当たり前っていえば当たり前なのですが、当時は売上を追いかけていました。市場がシュリンクしている時に売上拡大を目指すと、営業人員が増え、広告・販促費が増え、第一、営業が値下げしてきます。経営は率ではなく額でするものなので、固定費を上回る粗利が稼ぐ必要があります。(そりゃそうだ)

現在は粗利しか追いかけていません。売上目標もありますが、評価は粗利だけなのでガイドのようなものになっています。長らく売上を追いかけていた組織が粗利に頭をスイッチさせるのは大変でしたが、もう強引に誰の意見も聞かずに進めました。組織のハレーションも高かったように思いますが、こっちも構ってられないのでしょうがないです。

結果として断然良かったと思っています。

❷ 儲けの秘訣は回転をよくすること

大切なことは、会社の資産(土地・建物・設備・在庫・売掛金・受取手形・現金)を少なく抑えて、「資産の回転をよくする」、つまり金回りのスピードをあげることである。

「経営するために固定資産を所有する必要はない」というのが井上先生の教えです。いわゆる持たざる経営というやつです。固定資産を所有したほうが経営が安定するというのは錯覚です。貸借対照表を分析するとすぐに分かります。土地や建物、機械設備など必要なものはあるのですが、どうしたら持たずにできるかをいつも考えています。

なので、仮に購入した機械設備などの減価償却などは速攻で処理します。今は一括償却できる制度があるので、そういう制度をうまく活用しています。とにかく資産を圧縮して回転を高めることを意識しています。

いつも頭の片隅にある5原則がこちらです。

・利益実現の5原則
❶ 付加価値をつけ、もっと単価を上げられないか
❷ 販売数量・お客をもっと増やせないか
❸ 販売費・金融費・人件費・管理費を削減できないか
❹ 原価を下げられないか
❺ 在庫の回転率を上げ、売掛金の回収を早くできないか

井上先生は「いかに少ない資産で大きな利益を上げられるかが経営手腕の評価基準でなければならないと」仰っていて、僕も心からそう思っています。


❸「社員に厳しい会社」こそ「強い会社」

「社員がやる気になったら利益が上がる」という考え方自体がおかしいのだ。会社の最高経営責任者である社長が戦略を練って、黒字になる経営をするほうが、断然、先でなければならないと、私は声を大にして言いたいのである。

経営理念があり、経営とは理念を実現することである。僕もそう思っています。ゆえに利益を確保するのは、それを実現するための手段であるのです。そして組織の目的は、利益を稼ぎ出すことにあります。

井上先生は「社員のやる気は、その目的達成のひとつの手段でしかない。したがって、皆さんの会社の組織自体が稼ぐことのできる仕掛け・仕組みになっているかどうかこそ、真っ先に論じなければならない。」と仰っていて、社員のやる気に頼らない、戦略と仕組みで利益を上げる経営を今も目指しています。(社員のやる気が必要がないということではありません)

「社員に厳しい会社」こそが「強い会社」であり、結果的に社員にとっても「よい会社」である。

この言葉もそうだな~と思っています。

カルビーの元CEOの松本さんも「社員には冷たいではなく厳しく、甘くでなく温かく」と仰っていて、言葉のニュアンスがすーーと入ってきて好きな言葉です。

口先だけで「よい会社」を唱える前に、鍛え上げられた社員で構成されている、強い会社を築かなければと考えています。

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結果的にですが、業績はV字で改善しました。売上は微増なのですが、粗利が劇的に改善し、さらに年々上がっています。

油断せず精進します。



こんにちは。最後までお読み頂きましてありがとうございます。このnoteは僕のつたない経営や、インナーブランディングを行う中でのつまづきや失敗からの学びです。少しでも何か皆様のお役に立てたら嬉しいです。サポートはより良い会社づくりのための社員に配るお菓子代に使わせていただきます!