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約束

約束をした。
どうして他愛もないお茶の時間がこんなにも、貴重なものになってしまったのだろうと思う。
色とりどりのペストリーとケーキ、いくら飲んでも怒られない紅茶とたっぷりのカフェオレ、広いソファ。
流れて落ちた。あっけらかんと。
ぽかんとしながら、心の中が悲しみで満ち溢れていくのに気づいて、自分でも動揺した。
それでも同時に、またこれか、とも思った。
いくら悲しくったって、落ち込んで、暗い暗いところに閉じ込められたような気持ちがしても、また、自分でよっこらしょと立ち上がらなければならないのだ。
それはそれは力のいることだけれども、その役割は自分以外の誰にも務まらないから、自分で自分を鼓舞して、また歩き出さなければならない。
詳しく言うなら、きちんと眠って、起きて、食べて、何かを楽しみ、体を動かす。
なぜなら、人生はここでは終わらないからだ。
でも大丈夫。明日の朝起きて私は、イングリッシュマフィンにクリームチーズと杏子ジャムをつけて食べるだろう。楽しみにしていた新刊の発売日だから、物語に夢中になるだろう。
そんなところ。

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