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ペシミズム

1月はこの本を読むのに費やしてしまった気がする。そう思うと、久しぶりに熱中して本を読んだ気がする。

中二病を治さずに今日まで生きてきたので、仮面ライダーアマゾンズの『DIE SET DOWN』とかショウバイロックの『BUD VIRGIN LOGIC』楽曲やらメガテンやら、ダークで破滅的な音楽や作品が作品が大好きだ。それが関係してるか分からないが、ポストアポカリプス系の作品も好むようになったしシンゴジラの内閣総辞職のシーンは恐ろしさと同時に世界の終焉を目の前で体験しているようで感動した。とかく内向的な性格なのは自分でも分かってる。日本人は遺伝的に悲観的な思考をする傾向にあるとか何かの本で読んだのでしょうがない。

そんな自分がこのタイトルに惹かれたのは必然だった。今現在も絶賛生きるのに苦しんでるし頭は虚無感でいっぱいだ。

結論から言うと、ペシミズムは人生を生きる上で何の解決ももたらさない。けど、死なないために持っておくのも悪くないだろう。まぁ、無いよりマシだよ、たぶん。

シオランの語る言葉に「こうすればつらい人生を乗り越えられる!」みたいな前向きな解決策はほぼ出てこない。徹頭徹尾「人生には苦しみしかないし、何なら生まれてこない方がよかった」スタンスだ。

そんなシオランの言葉がなんの役に立つのか。それは本の表紙をよく見ると灰色の文字で書いてある。

生にはなんの意味もないという事実は、生きる理由の一つになる。唯一の理由にだってなる。

つまり、逆に考えるヤツだ。自殺に関する章でも「この地獄のような世界から脱却する唯一の手段である自殺は救済の極点である(意訳)」。だからいつでも自殺と考えれば、人生は自殺するまでの余生と考える余裕が生まれる……というロジックらしい。なんてひねくれくさった発想なのだろう。正直、かなり好きだ。
少なくとも、本屋に平積みしてある紋切り型の「圧倒的成長!」「やればできる!」なことが書いてある自己啓発本よりは断然、こちらを読むことおススメしたい。
このタイトルを人に薦めるのは気が引けるが……。


そんなわけで、シオラン氏の本もう少し読むためにアマゾンで検索を始めた。

なんだこの値段は……。初めから俺は敗北者だってことなのか……あきらめて図書館に借りに行きます……。


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