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#06 IB生としての2年間、どう過ごす?

皆さんこんにちは!
今回こそは、二週間前から予告していた通り、IBでの2年間の過ごし方について詳しく見ていきます。その際に、前回の記事で説明した「高校生活の4つの柱」を軸に進めていくので、まだ目を通していない方はこのセクションを確認することをお勧めします。

毎回書いているように、紹介しているのはあくまで個人の考えであり、状況が以前とは異なっていることもあるので、一つの参考として考えてくれるとありがたいです!(また、多少の誤字・脱字等はご容赦ください)

4つの柱に対する学年別の取り組みとは?

10年生:受験対策も視野に入れながら、まんべんなく積極的に!

※前回の記事では10年生に焦点を当てているので、そちらをご確認ください

11年生:課外活動を積極的に行いながら勉強も、課題は早めに!

【勉強】
現状、GKAでは11年生の間はSLの内容のみを習う、というカリキュラム設計となっています。特に数学や化学は10年生の時に扱った既習範囲も多く、比較的授業のペースにも余裕があるので、基礎を着実に身に着けながら勉強以外の柱にも時間を割いていくと、この期間を有効活用できます。

また、言語と文学(Japanese A と English A)の授業では文学作品の分析が重要な要素となりますが、そのための大前提として事前に本を読んでおく必要があります。しっかり読み込もうとすると案外これがIBでの最初の難関になるのですが、後々 Paper 2 やIOに活きてくるので、時間があるうちにじっくり読んでいくことをお勧めします。

ちなみにですが、一般入試でレベルの高い大学を狙っている人は、先取り学習(授業の進度より先に独自で勉強を進めること)が当たり前のようです。IBでの先取り学習はあまり聞きたことがないのですが、12年生に入って一気に吸収しなければならない情報量が増えることを鑑みると、余裕がある人やIBでハイスコアを目指している人は教科書や Kognity を読み進めるのもありかもしれません。個人的に特に先取りをしていた訳ではないのですが、夏休みが近づいてきた頃にシラバスが授業時間で終わるのか危機感を抱き、独学で理解した範囲もあります。

【課題】
IBで課される提出物にはそれぞれ Draft と Final の提出期限があります。一番早いもので EE Draft が冬休み明けとなっていて、これを皮切りに11年生の終わりから12年生の夏休み前にかけては、ほぼ毎週のように Draft あるいは Final の締め切りが迫ってくることになります。コンスタントに課題をこなす必要があるため、一つでも遅れてしまうとドミノ倒しのように次の課題に影響が出てきてしまいます。そして、よく陥りがちなのは「まだ Draft だから仕上がってなくてもいいや」となってしまうことです。しかし、Draft は先生からのフィードバックをもらい、質の高い提出物に仕上げるための絶好のチャンスとなるので、完成品を出すくらいの意気込みでぜひ取り組んでください。また、EE Final の提出期限は4月と8月の二回がありますが、これも特に事情がない限り4月提出を目指すことが理想的です。

11年生の前半はまだ大きな課題の提出期限は来ないのですが、その間にどんどん準備や執筆を進めて「貯金」を作っておくと、12年生のQOLが全然変わってきます!

【課外活動】
IBDPコースが始まってからは、CASが課外活動の軸になります(もちろん、CASに登録しない課外活動があっても良いのですが)。11年生の初めの頃は、CASの計画を立てたり、proposal を書いたりといった準備が案外大変かもしれませんが、この時点でCASの方針を定めて、記録を継続できる体制が整えられると後になってバタバタする心配がなくなります。

CAS・課外活動に限らずですが、比較的時間がある11年生のうちに積極的に進められることを進めておきましょう!特に必須となっている CAS Project は12年生になってから始めると満足のいく結果にならないことも考えられるので、早い段階から成果を積み上げていくのが理想的です。また、CASでは記録が重視されるため、活動したのに証拠が残っておらず審議の対象となってしまう、なんてことがないように注意してください。

【受験対策】
12年生の夏休み前には遅くても志望校を固めて出願の準備を始める、ということを考慮すると、11年生の夏休みが本格的にオープンキャンパスを回れる最後のチャンスとなります。オープンキャンパスに参加する大切さは前回の記事で説明した通りです。また、11年生の学年末には志望理由書を一度書いてみることになるので、そのための準備も兼ねて、出願を少しでも考えている大学のオープンキャンパス(あるいはその他のイベント)には出向く価値ありだと思います。

それと同時に、出願要件のチェックも忘れないようにしてください。例えば、HL科目が指定されている学科もありますし、TOEFLなどの外部試験が必須の場合も多いです。TOEFLの場合だと、スコアが無事に大学に届くようにするためには期限から遅くても2か月前には受験を済ませている必要があるので、11年生(あるいはそれより前)の段階から受けておくなど、スケジュール立てには気を付けてください!

12年生:課題に溺れず、勉強と受験対策を進められる余裕を!

【勉強】
12年生に入ると、怒涛のHL範囲ラッシュがやってきます。しかし、それと同時に怒涛の Draft/Final ラッシュもやってきます。つまり、学習内容は圧倒的に濃くなる一方で、正直勉強には時間をあまり割けないので、効率的に学習していくことが重要ということになります(その方法についてはまた機会があれば記事を書きます)。

個人的に、この時期に一番大切なことは「勉強をすること」というより、「授業で一回習っただけでは分からないことを嘆かない」という精神面や、「分からないことが何なのかだけ把握しておく」という工夫だと思います。特に理系科目では、新たな概念が山のように登場し、それをマスターした前提で発展的な内容を次々に学んでいくことになるので、途中で全くついていけなくなってしまうことも不思議ではありません。そのうえ、課題に追われていて予習・復習が十分にできないことも、追いつくのが難しくなる要因となります。何か分からないことが蓄積していくと不安になるのはとても自然なことですが、まずは目先の課題を一歩ずつ処理していき、時間に少し余裕が生まれたときにまとめて予復習したほうが効率的ですし、気持ち的にも楽になります。

もちろん、「勉強は後回しでいいや」と考えてしまうと結局 Mock の点数が伸びなくなってしまいますが、授業のたびに理解できなかったことを気がかりに思ってしまうのが一番辛いと思います。そのため、「授業内容をその都度理解できないとヤバい」という考え方を改めて、「授業だけで理解できるとは限らないので、分からない内容をメモして、もう一度自分でじっくり消化したり、誰かに聞いたりしよう」という心構えを持ったほうが苦しまずにIBのピークを乗り切れます。課題が落ち着いてくる夏休み頃からは受験対策を進めつつ、今まで課題に割いていた時間を勉強にシフトするつもりで、Mock に向けてギアを上げていきましょう!

【課題】
11年生の説明にも書いたように、12年生に入ってから夏休みまでの間は絶え間なく課題がやってきます。どれも Final の点数にかかわる重要なものなので、自分が納得のいく作品の提出を目指してほしいのですが、全ての提出物で完璧を目指そうとするとパンクしてしまうのも事実です。そのうえ、仮にIAに対する先生の評価で高い点数がついても、IBOによる moderation が行われるため、必ずしも元の点数で返ってくるとは限りません。そのため、IAは多少点数が低めに出てしまう可能性のあるものだと割り切って一線を引き、試験対策に力を入れたほうが結果的にハイスコアにつながると個人的には考えています。逆にそれ以上時間をかけても点数が上がる保証はないIAにこだわって勉強や受験対策が疎かになってしまったことを悔いる、ということがないようにバランスを意識するのがポイントです。

また、夏休みには English と Japanese のIOが行われますが、これは準備に費やした時間が如実に点数に反映されます。そのため、夏休みの前半には実際に声に出してタイムを計る練習まで、絶対に何度も繰り返して準備万端な状態で本番に臨んでください(お願いです)。

その他にも、成績やIBスコアには直結しない宿題が出ることもあると思います。それらも高いクオリティーで仕上げるに越したことはないのですが、重要なのは課題自体の完成度より、それに取り組むことを通して何を得られるかだということを意識してください!

【課外活動】
CASは18か月を通して継続する必要があるため、勉強や課題、受験対策で忙しくなっても、課外活動を完全に放置するわけにはいきません。しかし、課外活動が他の柱の妨げにならないようには調整する必要があります。この時期には新たに積極的な動きを起こすというよりは、既に取り組んでいる活動を継続し、CAS Final Presentation の存在を頭の片隅に置きながら成果の振り返り・まとめに集中するのが得策です。

【受験対策】
大学の出願受付は早い人は夏休み中に、そうでない人も多くのIB生は Final の前後には始まります。受験の内容やスケジュールは人それぞれなので一概には言えませんが、Final 期間中に出願書類を作るのは大変なので、出願がまだ少し先でも夏休み中には下書きが仕上がっていると理想的です。特に、大学によってはEEの要約やTOK・CASについてのレポートなど、様々な資料が要求されるので、ギリギリまで放置すると満足のいく出願書類が揃えられなくなってしまいます。気付いたらもうあと数日で出願締め切り、ということがないように!

面接対策は夏休み明けからがメインになります。何人かの先生にお願いすると効果的ですが、ただ数をこなせば良いというわけではないので、まずは自分の志や志望動機、自己分析など、面接で問われるであろう点はスッと出てくるように準備しておきましょう。

小論文や筆記試験が課されている場合は個人で対策を進めることになりますが、必要に応じて先生にアドバイスをもらうのも有効です。IBスコアと筆記試験のどちらが重視されるかは大学によって異なるので、それも踏まえた戦略立てが必要となってきます。参考までに、Final が終わった後のIB生は一般受験をしている人には申し訳ないほど時間を持て余すことになる、ということだけ書いておきます(例えば、Final の点数が重視される場合は無理に Final 前に小論文対策を詰め込む必要はない、ということです)。

IBでの勉強・課題の大変さの推移は?

ここまで字ばかりで長々と書いてしまい、読みづらいかもしれないと思ったので、最後にIBでの2年間、勉強・課題の大変さがどう推移するか視覚化してみました。やや極端に見えますが、体感としての大まかな推移は本当にこんな感じです…あくまでイメージとして捉えてください!

Figure 1. The change in the intensity of study/assignments throughout 2 years of IBDP

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