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選択と課題

年が明けて、もう一か月以上が経過した。少し、いま考えていることを書いてみたい。


まずは、仕事のこと。
「自分で選んだこと」と「強制的にやらされている」のとでは同じ行動であっても気持ちの持ちようが大きく異なる。
例えば、私の仕事の例でいうと「研究一本で食べてゆけないから仕方なく書店員をしている」というマインドで、日々の半分以上を占める接客や品出しに向かうと気持ちはどんどん下がる。
しかしながら実際、私は、自分で昨年書店員を続けることを選んだ。そのときはマイナスな気持ちだけではなかったはずだ。
二足の草鞋を履いているからこそ見える世界がある。ザ・王道のアカデミアの道に進むことだけが正しいことでも勝つことでもない。

先月、今年をどういう一年にしてゆきたいか考える機会があった。
2022年は、「博論を書き上げる」と決めて、達成した。
2023年は「目の前のことに一所懸命取り組む」だった。昨年は、研究関係の仕事が一切決まらない状況で博士課程を修了し、とにかく不安だったため、運転免許を取得し落ち着いた5月ごろにやっと上記の目標を定められた。
今年は、すでに述べたように、「自分で選んだ」ということを忘れずに仕事を楽しみたい。
日々の、書店の雑多な体力勝負の仕事も楽しむ。
「この時間のせいで○○ができない…」と思うのではなく、与えられた仕事はきちんと楽しみながらこなす。
そうすることで、自分の名前で自分の責任で行える学術関係の仕事も焦らずにできる気がする。
もちろん愚痴も言いながら、息抜きもしながら、足踏みしながら。


ここで二つ目の、心の余裕の話題に入りたい。
目標を考えるときにもうひとつ浮かんだのは、「偶然は受け入れる」ということ。
私は元々生真面目な性格。一所懸命になりすぎるとついつい余裕がなくなり、自分の計画通りに行かないとイライラしてしまう。
そういうときは、せっかくやってきた「偶然」を受け入れる余白が自分の中にない。
人との出会いや面白い仕事の話、わくわくする出来事は、心の余裕があるいときにしかやってこない。
なぜなら、余裕がないと、それらは見落とされてしまうから。だからこそ、自分をぎちぎちに固めるのではなく、余白を残して、柔軟にありたい。


最後の話題は、自分への課題。
自分で選んできた、と最初に書いたように、私は私の思うことを自分なりの仕方で遂行してきた。
それは勝ち負けではなく、そうしないと自分が納得しないから。
どんなに病がひどい時期でも、自分で大学の編入を決め、自分でアポを取っていくつかの大学を見学し、選択した。
矛盾する書き方だけれど、動けないときであっても、自分主体のアクションによってでないと納得しなかった。
悪く言うと、「気が強い」「頑固」な私。併せて、かなりの「せっかち」。
そんな私に今、外から与えられた課題が、「待つこと」だと思う。
自分の行動ではどうにもならない人間関係がある。

他者との物語は、自分本位では成立しない。
せっかちな私は、会う計画はすぐ立てたいし、物事も事前にサクサク決めたい。
このスピード感が相手にプレッシャーを与えることもあるように思う、申し訳ない。スピードが相手と合わないと、私はやきもきしてしまう。
この時点であまり余裕がない。
(少々言い訳をすると、死にたいと日常的に思う私にとって、今生きていることが偶然。明日は私も相手も死ぬかもしれない。だから愛は伝えたいときに伝えないと!と思う訳です。意外と暑苦しい人間です。しかし愛を伝えすぎて暑苦しいと思われるのも嫌なので愛を飲み込むこともあり、それがモヤモヤをためる原因にもなるわけです、結果暑苦しい。)
相手が熟考や休息や回復を要しているときもある。
そんなときに私が自分本位の愛をぶつけてもしょうがない。自分の経験でしか語れないが、人間関係ってタイミングだと思う。
どんなに一緒にいたくても、一緒にいるべきじゃない時期がある。
ただ、その出会い自体は否定に値しない。なぜなら一緒にいた時期は、一緒にいるべきだった時期からである。

今はもう会えない大切な人が何人かいる。
彼女たちと、密に過ごした時間は、そのときの私と彼女が互いに課題を見出していたからだと思う。
なにかしらが一致して、意気投合して一緒に過ごすわけだけれど、同時に自分とは違う彼女の側面に自身の課題があったはず。
継続的課題ならば、ゆるやかに関係は続く。長期的に何かを見つめあうことができる。(大変ありがたい、優しい関係…。ラブ。)
反対に精神的ダメージの大きい、別離を伴う関係であれば、その別離ごと課題だ。
というように、今一緒に過ごしている人たちからの課題を受け取りつつ、私は「待ってほしい」という申し出を、自分の課題として受け取る。

怒ったり、悲しんだり、落ち込んだり、死にたかったり、私は毎日毎日大変。
気が付くと自分の感情にとらわれてしまう。
一歩引いて自分をみることで、自分にも周りにも優しくあれたら…となんの変哲もないことを思う。

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