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あの日がなければ今の私はいない



これは私の短いおはなし。

7年前、オーストラリアのメルボルンに語学留学をした私。

長年憧れていた留学生活、期待と不安で毎日を過ごしていた。

そんな中街で見かける人々は、みな片手にコーヒーを持って歩いている。

英語を話すことにも少し臆病だった私。

初めはセブンイレブンの2ドルのコーヒーを会話をせずにゲット!笑

そして数日後、勇気を出してコーヒーショップへ初めて行った日。

たしか授業の前だった気がする。

テイクアウトのコーヒーを注文すると店員さんに名前を聞かれて

会話がはじまり、最近メルボルンに住み始めたことを伝えた。

「ビューティフルネーム!日本の名前だね」

「メルボルンへようこそ。今日も一日楽しんで♪」

そんな言葉をかけてもらった。

自分が何を返したかはよく覚えていないけど

コーヒーはそんなに得意じゃなかったのに、とても美味しく感じたのを覚えてる。

その日は1日中気分が良かった。

よそ者気分だったけど、ちゃんとここでうまくやれている気持ちになった。

オーストラリアの社会の一員となった気分。

みんながコーヒーをわざわざ買う理由がわかった気がした。

そこからいろんなお店を回ってみたけど、

どんなに有名なお店よりも、「また行きたい」と思うお店は人が素敵。

同じコーヒーでも、あの人が淹れてくれるコーヒーは美味しい。

自分もそういう人でありたい。

あの人に会うと、あのお店に行くと癒される。

お客さんの1日をちょっと明るくする。

…この仕事って、最高に素敵な仕事なのではないか?

これが私がバリスタになろうと思ったきっかけ。



HARUKA

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