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戦慄の未来絵図

もう国際関係の事は書かないと宣言したか、さっき突然今まで考えも及ばなかった、「戦慄の未来図」に思いが及んでいてもたってもいられなくなった。こんなことは決して起こらないと誰か説明してほしい。自由世界はもうこれで詰んでしまった気がする。

今回のウクライナの一件の、最終的に利益享受者は中国なのではないだろうか。「実力行使」というやってはいけないカードを、衝動的に切ったプーチンの命運は、今日もいろいろ考えたが、たぶんこれで尽きた(なんか体の調子でも悪いんじゃないか)。もしNATOや米国の支援をほとんど受けずに、もしウクライナがロシアの攻勢をしのぎ切れれば、その体験の中でウクライナの国民的統合の柱ができるとともに、欧米に対しても対等な立場でものを言う権利を確保できるだろう。

だが、プーチンが倒れた後どうなる。イラクやリビアやその他もろもろの国々の帰結を知っている我々は、プーチンなき後のロシアに、強固で民主主義的な政権がすぐにできるなどというおめでたい期待を持つことができるだろうか。とりあえずはかつてのエリツィン時代以上の混沌だけではないか。そうなったとき、沿海州もモンゴルもシベリアも、中央アジアも自然の勢いで中国に飲み込まれて行ってしまうのではないか。それどころか属国化したイランとロシアを従えて、かつてのモンゴル帝国以上の大勢力圏を獲得した中国だけが、ユーラシアに傲然と崛起するのではないか。

もし中国が今回、どちらに転んでも損のないばくちをしていたのなら、恐ろしい計算高さとしか言いようがない。そうなったらたぶん、今のアメリカでは止めようがないだろう。それどころか、アメリカだけは南北アメリカ大陸に自閉すれば、中国から独立を維持できるから、欧州も極東も簡単に見捨てられるかもしれない。こんな恐怖の未来図は、ちょっと勘弁してほしい。

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