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中国人の女の子と政治の話をした時

※この話はあくまで私の実体験から得たエピソードトークであり、政治問題に対して問題提起をしたいわけでもなければ、中国人が全員同じ考えを持っていると言いたいものではない。政治の話なのでセンシティブになるかもしれないが、この人にはこんな事があったんだなぁという程度で見て貰えると嬉しい。

同い年の中国人の女の子とあるきっかけで出会い、仲良くなった。彼女は人生の大半を中国で住んでおり、大学進学で日本に来日していた。(アメリカに半年留学経験もあり)
そこで私はふとした疑問をぶつけてみたことがある。それは「台湾と中国がもしかしたら戦争するかもしれないという点に関して」「中国に住んでいた中国人のあなたからの目線」としてどう思うの?というものだった。

今でも2国の戦争リスクがあると言われているが、私が彼女に聞いた当時は今よりもウクライナ・ロシア戦争の関する話題がメディアで取り上げられており、中国も台湾を巡って戦争が起きるのではないかと非常に注目されていたのだ。
この時代背景こそ今回の質問を聞くきっかけになったし、実際に中国に長年住んでいる同い年の感覚を聞いてみたいという私の興味心を満たしたかったのだ。

私は大学生で必死に海外の友達を作る努力をしたこともあり、外国人の友達が多い。
そこで話していて感じるのは、日本で流れているニュースを見て思う感想と、海外のニュースを見て彼ら外国人が思う感想にはギャップがあることだ。同じ感想を持つこともあるのだが、全く違う価値観を持つ事もあり、そこの話し合いは非常に面白く、他人の意見も尊重する必要があることをいつも再確認させてくれる。

話を戻そう。
「中国が台湾と戦争することについてどう思う?」
この質問に彼女の答えは「いつかは中国のものになると思う。それは歴史を勉強すれば分かること」と答えてくれた。彼女の主張は、台湾は中国のものであり、独立国ではないという考えに基づいていて、いつかはわからないが中国と台湾は一体化するという考えを持っていた。
私自身政治の知識が豊富ではないが、台湾は今現状一つの国だし、わざわざ戦争などという悲惨しか生まない行為をしてまで取るものでは無いのか?という気持ちを持っていたので、彼女に伝えた。
そこで彼女は、「戦争は嫌だが、私の国のものであったのだから、いつかはそうせざるを得ないと思う」と答えたのだった。
この会話で少しの恐怖心と、国民性というものを垣間見たような気がした。

そこで私は違うベクトルから質問をする事にした。
それは「中国ではインスタグラムなどの使用制限(GFWという検閲システム)があるからこそ、海外からのニュースが入ってこなくなり、情報が国内で流れているものだけを信じてしまうというとても偏った考え方になっていないか?」というものだった。

それに対して彼女は「中国国内にいてもインスタグラムなどのSNSを使う裏技はあるし、海外のニュースを見ることも可能。様々な角度から情報を見た上で、今の私の考え方はある。」と答えたのだった。

この政治に関連した話は、ある程度盛り上がった所で「もうこの話はやめよう」となり終わったのだが、私にとっては非常に新しい発見だった。
それは「SNSが実は中国国内で使えるという裏技がある事実」もそうだが、なにより「同年代の普通の女の子が歴史を元に自国の正当性を主張する」という点だった。彼女はKPOPアイドル好きの可愛い女の子であり、日本の女の子の友達とさして違いはなかった。

実際同年代の女の子に政治に関する話を降ると、なんとなくの考えはあるものの、知識が無い為にはっきりと自分の意見を主張するという事は無いように感じる。しかし彼女は自国・自国以外の世界ニュースも見た上で自分の意見を伝えてきた。
彼女以外で、私の外国人友達とも政治に関する話をしたことがあるが、みんなそろって自分の明確な意見を持っている傾向がある。これは日本人の若者にはあまりないし、あったとしても口外するのは良くないこととして、自らの意見を隠す傾向があるように思う。

今回の中国台湾の話を通して私が感じたのは、「どの考え方が最も正しいのか」ではなく、「やはり世界の同年代は自らの意見を明確に持っている」という点だった。

「あなたはどう思う?」
個人的に、この質問を海外の人々は特に求める傾向にあると思う。また、そこでしっかりと答えられる人が多いのも特徴ではないだろうか。
答えとなる意見の根拠が薄いか濃いか(知識の量)は別にして、自分の意見をしっかりと伝えられる点は、大衆に可も無く不可も無い意見を言いがちな私達日本人にとって見習わなければならない点だと言えるだろう。

もし自分の意見が本当に間違っていたなら、謝って勉強し直せば良いと思う。改めて私に必要なのは、「日常的にたくさんの情報を得て、様々な事柄に対する自分の見解を持つ」ことだと感じた。

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