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いま私にできること

0 はじめにーいま私にできることー

普段不倫のこと、離婚のこと、セクハラのこと、なんだかネガティブな記事を書いているイメージの私が、いまできること。2つ紹介させてください。なんとか、依頼者のために。

1 ホットペッパーと弁護士

突然ですが、ホットペッパーを知らない人はあまりいないでしょう。あの、おいしいお店がたくさんたくさん載っている、あの刺激的で魅惑のあるペーパーです。まさにホットペーパー。私は普段、法律事務所を経営しながら弁護士をしています。弁護士は普段、ひとびとの悩みに触れ、毎日のように依頼者の涙に悔しさに、触れています。全国中から相談を受けているので、ある週のスケジュールは、深夜に広島入り、広島で調停をやって、神戸で打ち合わせ、そのあと伊丹から仙台に行って新規相談、次の日は青森、東京に戻って一日10件の新規相談と打ち合わせ、その夜のうちに札幌へ、次の日朝一で審判・・なんてスケジュールの週がありました。しかし、いまや、それはできません。ある意味で、対面だけでは弁護士業務に対応しきれないこと、弁護士側が変革していかなければ人を救えない事実に、ある意味ですべての弁護士が、嫌が応にも直面している、現在のこの状況です。

 ある意味で、新型コロナウイルス対策ではないかもしれません。こんなことは、ウイルス以前に対応しなければならなかったのかもしれません。

私の経営する法律事務所では相談者のご希望に応じて、WEBでの法律相談を徹底的に強化しました。なずけて、ホットペッパー弁護士。zoomだろうがライン電話だろうがskypeだろうが、いますぐにでも、即面談予約が可能です。
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コロナで外出が困難な今、弁護士が見つからず、単にお申し込みボタンから、お好きな日時を指定するだけで、外出せず、WEBから法律相談が可能です。ご都合のよろしい時間を指定してもらうだけで、法律相談を行っています。些細なことですが、いま私にできることから始めた結果です。ホットペッパーで予約をする感覚で、法律相談を受けてほしい。24時間LINEや直通電話を公開した弁護士は私だけだと勝手に自負していますが、いまやそれも、さまざまな先生がやられているように見受けています。それでは遅く、今の状況を一緒に乗り越えるには、自問自答をして、自分自身が変わりました(私は元来、自分の目の前の人を大切にする固定観念にとらわれていたから、自分が変わり、寄せていきました)。もちろん、従来の対面式相談とこの変革は、両立させていますから、従来通りラインでの相談ももちろん歓迎です。なんとか、依頼者のために、マクロ的に弁護士業界に変革が迫られています。

2 弁護士はネガティブ・パートナーなのか?

 今日の相談は、離婚・不倫に関する慰謝料の問題がほとんどでした。そこから派生して、どこからが不倫なのか、不倫の慰謝料はいくらなのか、ですとか、生活費を入れない、いま別居しているが相手だけが住んでいるマンションの住居費をなぜ自分だけが払っているのか、コロナで面会交流が不当に打ち切られた・・などでした。弁護士はともすれば、ネガティブなことを扱っている職業にも映るでしょう。しかし、法律は、決してそんなことはないと信じています。遠隔での相談を多数行っていると、身近に弁護士が感じられるからか、簡単な法律の概念を教えてほしいなる相談を受けるようになりました。不思議とここでは、明るい話題が多いです。今回は、婚約と内縁の区別をご説明してみます。きっと、明るい話題も弁護士なのだと理解してくれることを信じて。

3 婚約と内縁

 2つめは、明るい話題を。これらは、民法家族法分野のうち、親族法分野という領域で問題になる概念です。現行日本の民法には、婚約も、内縁も、実は直接の規定を持ちません。判例の言葉を借りると、婚約とは、男女が誠心誠意、将来夫婦となる合意をすれば成立します(これは非常にふるーーくから存在する判例で、昭和6年2月20日にだされたものです)。たまたま、これを不当に破棄すれば慰謝料の支払い義務が生じると最高裁が示したのは、昭和38年9月5日のことでした(ここだけをとらえるとネガティブ?にひびくかもしれませんが)。

 内縁は、何らかの理由で婚姻届け出をしないが、事実上、婚姻と同様の生活を送っている関係を言います。明治民法当時から、実は保護の対象とされてきたのが内縁関係です。戦後も、保護を与える理論が確立されていき、婚姻に準じた保護を与えていました(大正4年1月26日に出された判例も同旨でした)。戦後も、同じです。

 ここまで説明してくると、一つの疑問を持ちます。ある種、私が日々noteに書いているテーマ、簡単に言えば不倫ですが、不倫をして内縁にある場合、これは保護に値するのでしょうか?これを法律の世界では、重婚的内縁関係といいます。現代では、最初から婚姻や内縁という関係を成立させることを恐れて、緩やかな形で男女関係を形成することがあります。これを海外の法律では”パートナーシップ関係”と称しています。日本の最高裁判所は、平成16年11月18日に、判例の形で、あえて緩やかな関係を望んだ以上はその意思を尊重し、関係を解消されても当然に慰謝料請求はできないと判示しています。見る人がみれば、憤る判示内容なのかもしれません。しかし、私には、裁判所などの強力な権限ー合法的に人を死亡させることができるような強力な権限ーを有している機関が、個々人の異性関係にしゃしゃりでることなく、お二人の関係を温かく見守るという意味では、ポジティブにとらえていいのではないか、なんて思うことも、あるのです。もちろん、破棄された側の方から相談を受ければ、なんとかして、慰謝料に変えていくよう理論を構成します。あまりに一方的であった事情や、これまでの経緯を主張するのです。これは、ミクロ的に、なんとか、依頼者のために。

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