Record.21 ドッペルゲンガー
プロローグ~お話を読む前に~
ある朝、変な感覚で突如目を覚ました。
というか、起こされた。
夢か分からないけど、何か過程があってこうなった…
霊に起こされて…物音すごくて……
過程は思い出せんけど、とにかく霊の仕業じゃ。
寝る前は居なかったのに…なんでだ?
そう思いつつ、寝るもそれから何度かまた霊に起こされ、若干寝不足気味で出勤した。
いつもの場所に座っていると、小松さんが隣に座ってきた。
『昨夜は、ありがとうございました(* ´ ▽ ` *)』
そう言われて私はキョト~ン(・д・)。
『昨夜来てくれたでしょ?( *´艸`)』
と、ハニカム小松さん。
また何を言ってるんだ、と私。
『いや?行ってないけど?家知らんし』と言うと、
『霊体で来てくれたよ~( *´艸)』
( ・◇・)?
話を聞くと、小松さんは最近3日くらいずっと憑いてる霊に寝る度に起こされていたらしく、
今朝、半覚醒になった瞬間に突如、
『イェイ(・∀・)v♪』
と私が現れたらしい。
そして、
『それずっと気になってたんよ~』
と言いながら霊を引き剥がし始めて、霊が『ギャ~~~~!!』と悲鳴をあげたらしい。
小松さんは感情型の憑依体質らしく、霊がすでに食い込んでいたのでその可哀想な霊の気持ちがそのまま伝わって来るから小松さん自身も『ギャ~~~!やめて~!』となって苦戦したらしい。
何度かやって、私に『これで最後だから頑張ってね!これで無理なら私帰っちゃうよ~知らないよ~』と言われたから、最後は頑張ったんだそう。
それで成功して、私が霊を引き離したら結構大きかったらしい。
『お~頑張ったじゃん!じゃ(^-^)/』
と言って私は帰って行ったんだと。
私はそれを聞いて、今朝の事を思い出した。
『あたし朝何回もめっちゃ霊に起こされてたんじゃけど……』と言うと、
小松さんも『そうそう~!めっちゃ起こしてくんねん!』と言った。
『そいつやん!うちにいるや~ん!!( ̄□ ̄;)』
と言うと、
小松さんは笑って『とにかく、ありがとう!』と去って行った。
なるほど、小松さんとこにいた霊を私が連れて帰ったのか…。
知らんうちに知らん私がそんな事しちゃうのか……だ、大丈夫か私……。
またしばらくすると、小松さんはまた背中に背負っていた。
すごい吸引力だなあと思いながら、あまり見ないようにしていたのだけど、ある時ふと、小松さんの憑いてる霊体が私に転送されて来たのが分かった。
オイオイオ~~~イ!!Σ( ̄□ ̄;)
こ、これは、わざとなのか?
あの人、じつはそんな技持ってるんか?
こりゃ困ったな。本人に言うべきか?
そう思っても、その日は結局何も聞けなかった。
次の日、小松さんがまたやって来て、
『実さん、昨日また来たよ』
と言って来た。
『昨日はね、お茶も出したよ。実さん来るから意識で部屋の掃除までしちゃったよ~。
実さんに「今日はなんで来たの?」って聞いたら「呼ばれたから来たんだけど。で、何が聞きたいの?」って笑って言われたから「じゃあ、実さんが私のとこに来るみたいに私も実さんのとこに行ってるの?」って聞いてみたの。そしたら「ああ、来てはないけどねぇ、色んなもん送って来てるよ」って言われてさ!私それ聞いて「ごめん!わざとじゃないよ!」って言ってさ』
そのセリフを聞いた時にドキーッ!!とした。
同時に、霊体で行っている存在が『私』だという確信をした。
『送られてきて困るなあ』と思っていたから、その自分がなんて言うかヒヤヒヤしながら聞いていた。
『そしたら実さんさ、なんて言ったと思う?「うん、分かってる。むしろいちいち来なくて良いから楽だよ~」って笑ってたよ!あははは』
え!………そうなんじゃ~~~??( ̄□ ̄;)
その方が楽なん?!
私は驚いた。
確かに『私』ではあるけれど、少し違う『私』だと感じた。
一体どうゆう事だ……。
そして、ある時広島の幼なじみからメールが来た。
『最近、実ちゃんがなぜか家に来るよ~。しかもロックをかけた時にだけ現れるよ~笑』
( ̄□ ̄;)!!
全く何も話していない、遠い広島にいる幼なじみまで言い出した。
確かにこの幼なじみも感度が高いスピリチュアリストだけど、なんで皆そんなにキャッチできるのだ…?
挙げ句には、全く霊感がない後輩の女の子までも…
『あのう…実さん、今朝うちに来ました?』
『ん?!………いや、家知らんけど…?』
『いやあ………あのう…朝起きたら部屋に実さんが立ってたんですよ…。「実さん、どうしたんですか?」って話しかけたけど、ただニコニコ笑って立ってました。心配して来てくれたのかなあと思って』
確かにその後輩の子からは家族の相談をよく受けていたので心配はしていた…………けども!
だからと言って、私の中身がウロつき過ぎではなかろうか…?!
生き霊にしてはよく喋るし、『小実』みたいなんもおるし謎すぎる。
とは言え、考えて解るような類いじゃないので追及もせず、ただただ私は話を聞いて『オモロいね~!』って言うだけだった。
それでもこの現象はしばらく続いた。
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