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詩)人間の王道…ある詩人へ

主よ、なぜ遠く離れて立ち
苦難の時に隠れておられるのか。
貧しい人が神に逆らう傲慢な者に責め立てられて
その策略に陥ろうとしているのに。

(詩編 一〇編一―二節)

この世に生きているのだから確かに全てが綺麗ごとなわけがない
バザーの金を預かっていたオマエが5000円抜いたと俺に散々言っていた本人が 5000円でランチしようよと電話して来た わたし嘘つきだからさ
そう言ってケロっとしている 
こんなごとくらいは毎日いくらでもあるでしょ 人間ってそう言うもんよ

ぼくは寄り添うなんて言う奴は偉そうに見えてね
あんな嘘っぱちはないよ だってそうだろ 弱いものの味方みたいなふりして自分を売り込むんだから 本気でその人のこと丸ごと受け止めて書いてるわけじゃないよ 傷つく覚悟なんかあるもんか 戦争とか自分ではやったことないだろ そう言う連中は ガザに見に行ったのかい?

だからまんなかなんだ 重くならず軽く書くのが一番さ 芸術はのちの世に評価されてなんぼじゃないか いまのことをなんだか物知り顔で描いたりしても 数年後には中身が古くなって誰からも振り向かれなくなるよ ここだからいうけど 左がかったこと書いたりすると その世界では賞なんて取れないからね 頭入れといてね

僕の前には人間がいる 泥棒も正直なふりをしたサギ師も 嫉妬に苛まれるもの 世界を操りたくてその世界の中で権威と呼ばれたくて蠢くもの パー券売るもの買うもの 人間らしいことなんて金にならないと馬鹿にするもの 
それが人間の人間たる姿である以上 僕は書く 
その姿をそのまま 
それが自分も含めての人生の王道だから 

寄り添う それはそういう生き方がぼくには性に合っているから 繊細な気持ちは持ち合わせていないのでごめんなさい 
それでもガザで苦しむ人のことを黙って見ていられないから 僕は書く 戦争をやめろ 即時停戦を!と書く 
それが僕の性だから 僕の人生の王道だから

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します