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詩)折鶴 りんごに寄せて

鶴を折るのです。
折り紙を三角に折り
また重ねて折り
展開させて
線に沿ってまた折り

なにかを弔うわけでもなく
なにかを恐れるわけでもない
コツコツと今日を生きる選択
なにかがなくなるのは
辛く寂しくて
でも なくなることで生まれることもあるような

だから今日は
鶴を折るのです。
線に沿って折ったら
今度は展開させて
鶴の羽根と首の原型が出来ます


抑えつければ その下へ
行くだろうし。
生きていく中では。
僕に出来ることなんてこれくらいだし

「リンゴがまた実る日を願います。長野県の新聞ですからね。」信濃毎日Twitter

そうなんですね
そうなんですよ

羽根を広げて 首を付けて完成です
何羽も何羽もこうやって作るのです
香港のひとへ
なにも出来ないけれど
祈るのです。

りんご最期の日
祈りを込めて
鶴を折った僕は
言葉の在り方を
信じていたいと

やっぱり思っています。

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します