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テキトー男である わたし
詩を書いてますとなかなか周囲に言えない
いわゆる「詩人」というイメージとは程遠い
言葉の魔術師とかではもちろんない
繊細な神経は持っていない
うるさいことは聞き流す
よく「ハイハイ」と返事をし
「ハイ」は一回でいいと女房に言われる

女房はなかなか面白い
昼にラーメンを食べていると急に笑い出す
どうしたの?
小葱の輪っかに箸が入って動かなくなった ほら
とみせてくる 
ほんとだ 
小葱の細い輪っかにすっぽり箸が入っている

女房が鎌倉の銭洗弁天に行こうと言うので
藤沢から江ノ電にコトコト乗り
コトコトで眠くなって女房は眠ってしまう
鎌倉駅から銭洗弁天へ歩いていくと
向こうで食べるおやつを買おうと言う
途中 美味しそうなパン屋があり
あんパンとりんごパイを買う
トンネルを抜けて 右に曲がる
ウクライナという文字が目に入り
ウクライナ支援をやっている元NHK職員の方の写真展示を見ていく
この広場は市民革命の舞台になって200人が軍の発砲で犠牲になったのです
戦争前の美しいウクライナの写真を見てまわる 

急坂を上がるといよいよ銭洗弁天だ
銭を洗うカゴのところに
線香とロウソクを買うようになっていた
出店には食べ物やビールも売っている
こんなに派手だったかなあと二人で久しぶりにきたゼニアライの変貌に驚く
いくら洗う?
と女房が聞くので 千円かなと答えた
女房は500円玉二枚
先に洗って出てきたこどもは五千円札を持っている
僕らは500円玉と千円札をカゴに入れて洗った

帰りはかなり寒くなった街 
震えるような寒さ
女房と僕はまたコトコトと江ノ電に乗り
なにかに吸い込まれそうな 暗い海を見て
二人のこれからを想った

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します