詩)ありふれたキリスト
ありふれたキリストは
明日 髭を剃る
信じることが出来ない街の
死んだ土
葉のない木
石しか育たない街で
ありふれた顔をした
キリストは
表情もなく
干からびた街を見渡す
殺すためだけに
全てが
殺すためだけに
存在している街
ありふれたキリストは
目を血走らせている
髭のない顔
その眼の中には
真っ青に叫ぶ街
殺された瞬間の絶望の一瞬
果てしない木の沈黙
拒絶するおまえの
見開いた眼が
映っているのだ
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します