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7インチ盤専門店雑記411「幻魔大戦」

「幻魔大戦 Harmagedon」です。リアルタイムでこの1983年3月公開の角川映画を観たわけではないのですが、結構好きだったりします。やはりバブリーな時代の産物と申しましょうか、…凄いんですよ。メインテーマはローズマリー・バトラーが歌っておりますが、作曲も演奏もキース・エマーソンです。キース・エマーソン関連の音源はそれだけで、一定以上のお値札が付きますが、この盤は時々忘れられます。ローズマリー・バトラーさんには申し訳ないですが、オークションなどでキース・エマーソン関連であることの付記がないために無茶苦茶お安く出ていることがあって、そういう時に買い集めております。

もう一つ、りんたろう監督作品ということになっておりますが、キャラクター・デザインを大友克洋が担当しているということが、どういう訳かあまり触れられないという事情がありましてね。「幻魔大戦(映画)」のWikipediaを見ていただければお分かりかと思いますが、クレジットに大友克洋の名前がありません。本文中にゴタゴタした経緯が書いてありますから、補記すればいいものを、何なんでしょうね…。

そして7インチ盤には大友克洋ミニ・キャラクターデザイン集という原画シートがオマケで付いておりました。実はこれが有るのと無いのではお値段が違います。ウチでも状態のいい盤で、デザイン集があれば1,000円程度、無ければ100円といったところです。オークションなどに出品されている盤で、これの有無についてちゃんと書いてあるのは親切な出品者で、フツーは書いてないですね。

サントラ盤LPは2種類あります。一般的な曲を聴くものは一枚ものです。キース・エマーソン絡みは6曲。当然ながら貴重ですし、しかも結構いい曲です。

もう一つ、「ドラマ編」という2枚組のサントラもあります。ヒット・アニメだとこういうのが存在するんですね。ウチのお店には本職が声優のスタッフさんが3人おりますから、こういうブツで盛り上がったりします。アニメ好きには美麗盤としても知られているようで、確かにLPサイズで眺めて初めて価値が分かるものかもしれません。声優さんの名鑑のようになっている部分もあって、ちょっと面白かったりします。…フツーは敬遠されるでしょうけどね。

実はお好きな方が多い映画でして、お問い合せもあったりするものですから、整理の意味も兼ねて一度紹介しておこうと思っていたのですが、なかなか機会が得られませんでした。

1983年の(バブリーな)空気が感じられるもので、イベントでもよく使います。個人的にはサブカル近現代史の中でも、角川映画の歴史を語る上で欠かせない一本だと思います。大友克洋関連では「アキラ」が重要作であることは誰もが認めることでしょう。私も名前が「アキラ」ですから、海外で「あのアキラか?」と言われるほどに知名度も得られていることが嬉しいです。しかし、作品の面白さということよりも、角川映画史上最もゴタついた作品ということの方が、サブカル近現代史上の重要作ということで馴染があったりしましてね。7インチ盤は常に何枚か手元に置いておきたい作品です。


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