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7インチ盤専門店雑記565「トム・スノウ」

以前フリートウッド・マック人脈のターリー・リチャーズというシンガー・ソングライターが歌った「とどかぬ想い You Might Need Somebody」という曲がいいぞということで、ランディ・クロフォードやジョー・ウォルシュなどいろいろなミュージシャンがカヴァーしているということも含め、ご紹介しました。

ミック・フリートウッドのZooでのカヴァーで知るに至った曲ですが、AOR的にやっても、R&B的にやっても様になる曲です。ミドルテンポの格好良くやるのが難しそうな曲調ですが、それ故にどうにでもアレンジできそうでもあります。ランディ・クロフォードが歌う曲をジョー・ウォルシュがカヴァーする時点で、この曲のフトコロの深さが知れます。面白いので、ラジオ番組のジョー・ウォルシュ特集でもご紹介しました。まあ、個人的にここ10年20年で気に入った曲のTop5には入る曲です。

ところで前回、雑記の128では、この曲「とどかぬ想い」の作者がトム・スノウとナン・オブライエンということに一応触れておりました。実はその後、いろいろ調べていて面白かったので記事にしようと考えましたが、そのまま忘れておりました。とにかくトム・スノウ、どこぞで聞いた名前と思ったら、常連さんから「「トム・スノウ」はありませんか?」と何度か訊かれていて、誰だったっけとなっていた名前でして、ようやく繋がりました。

トム・スノウは70年代から80年代初頭にかけて活動していたシンガー・ソングライターでして、3枚のアルバムをリリースしております。あまり売れてはおりません。でもAOR好きなマニアさんたちは一生懸命探していらっしゃるようです。彼の業績はどちらかというと、その後のソングライターとしての方が有名で、まずはデニース・ウィリアムズの「Let's Hear It For The Boy」の作者なんですね。映画「フットルース」のサントラに収録されていた大ヒット曲ですね。まあ、この曲が同じ作者かいなというところで驚きましたね。

加えて有名なところでは、もう一つ、リンダ・ロンシュタットがアーロン・ネヴィルとデュエットした「Don't Know Much」も彼の曲なんですね。つまり、ジャンルは関係ない人ということなのでしょうか?そういう人が書いた曲だから、AOR的な曲が初出でもR&Bのアーティストがカヴァーして様になるテイクが出来上がるのか、ということも考えられますね。まあ「とどかぬ想い」と「ドント・ノウ・マッチ」はまだ理解できるんですけどね。デニース・ウィリアムズの方はビックリです。

嗚呼、いいメロディを書く人ですねぇ、やっぱり。

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