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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 062:30年前の音楽シーン:1992年特集

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第62回(2022年12月2日(金)20時~
(再放送:12月4日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週のお題は「30年前の音楽シーン:1992年」特集です。今回から3回で30年前40年前50年前のミュージック・シーンや流行、世相をご紹介して、時代の移ろいを感じてみようという企画です。

1992年の前年、91年が思い切りバタバタした年で、ソ連のリトアニア軍事介入から始まり、その4日後には湾岸戦争が勃発、91年のクリスマスにはソ連が崩壊しました。92年は国連のガーリ事務総長就任から始まり、2月にはアルベールビル・オリンピックが開催されました。夏冬同年開催最後の年です。

1曲目
「Smells Like Teen Spirit」Nirvana (1991)

前年末にニュー・ヨーク滞在中、この曲とオジー・オズボーンの「ノー・モア・ティアーズ」は超ヘヴィロテで流れておりました。両曲とも91年9月リリースでした。帰国後、友人に「あれは死人が出るぞ」と話しており、本当に出たのでビックリしました。

4月にボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争が勃発、それでも2週間後にはセリビア万博が開催され、初日にはフレディ・マーキュリーの追悼コンサートも開催されました。この年、4月にはロス暴動も起きています。悲しい記憶です。7月にはミュンヘン・サミットにバルセロナ・オリンピック開催です。8月、韓国と中国の国交樹立、そしてハロウィン前にルイジアナ州バトンルージュという町で留学生の服部君が射殺される悲しい事件が起きました。銃による悲劇を繰り返すアメリカの愚かな側面は何とかならないものかと嘆いております。

2曲目
「Under The Bridge」Red Hot Chili Peppers (1992)

前年9月リリースのアルバム「ブラッド・シュガー・セックス・マジック」からのセカンド・シングルは92年3月リリースでした。

4月に尾崎豊が自殺しました。86年の岡田有希子さんの自殺から若年層の自殺が顕著になりますが、まだ年間2万5千人程度、98年からは年間3万人超えの時代になるということで、日本社会の病んでいる側面を指摘しております。またこの年、きんさん・ぎんさんブームがあり、高齢者にも目が向く時代だったと申しております。

毛利さんが宇宙に行き、学校が週5日制になり、佐野史郎さん演ずる冬彦さんという変態キャラが話題になった年なんです。時代が変わったと思いました。

3曲目
「Enter Sandman」Metallica (1991)

アナログ盤は無ければかけられないわけで、あるものをかけるため、ベタな選曲だと言いつつ、前年7月リリースでしたが、92年も普通にしょっちゅうかかっており、ロングラン・ヒットだったと振り返ります。

4曲目
「Let’s Get Rocked」Def Leppard (1992)

ハードロック/ヘヴィメタルはブームのような状況だったということで、もう一曲かけておきました。この時期では珍しい7インチ盤です。

5曲目
「Don’t You Worry ‘Bout A Thing」Incognito (1992)

イカ天からのバンドブームというものがあり、、リンドバーグやブルーハーツの音源をカセットテープやMDに録音して持ち歩いていた時代、それが1998年頃からは、Windows 98やME、それからIMacとかに宇多田ヒカルとかミーシャとかをMP3化して聴いた時期、もう少し後になるとスマホやiPodで持ち歩いた時代、ほんの数年で全く違う世界になっちゃうタイミングなんだと語っております。

また、ジュリアナ東京という大きなディスコがあって、お立ち台とかでワンレン・ボディコンのお姐さんたちがジュリ扇を振り回して踊っていた、またジョン・ロビンソンというDJが有名になったり、音楽周辺のカルチャー、サブカルに多大なる影響を与えたと申しております。バブルの象徴のように言われるが、実際はバブルがはじけた後、92~93年頃がピークと解説し、大人は表参道や六本木のクラブでアシッド・ジャズで踊っていたという流れです。

6曲目
「After Hours (The Antidote)」Ronny Jordan (1992)

インコグニートからロニー・ジョーダンは2曲続けてお届けしました。格好いいです。

7曲目
「Testify」The Sound Of Blackness (1992)

アシッド・ジャズと一緒にするなと言いつつ、時代がどんどんR&B、ヒップホップ系に傾倒していく中、本物の輝きを放っていたということで、この曲もご紹介しました。

さらにサブカル系のご紹介ということで、映画は「ボディ・ガード」に「バットマン・リターンズ」「氷の微笑」、本のベストセターはさくらももこブーム、村上春樹は「国境の南、太陽の西」、シドニー・シェルダンのブームもありました。「たけし・逸見の平成教育委員会」というテレビからのスピンアウトのヒットもあったと、またF1はナイジェル・マンセル、ウィリアムズ・ルノー、国内では軽のスポーツカーがブームでした。

アニメは「美少女戦士セーラームーン」、ゲームは「ファイナル・ファンタジー」IV~Vの時期、国内では森高千里さんの「私がオバさんになっても」が物議を醸し、一方でシーンの最前列に女子高生が降臨し、ブームを作っていったと申しております。ポケベルを持った女子高生がファミレスでナタデココなんぞを食するのが流行った時代、ボディコンのイケイケギャルに対して「コギャル」という言葉が生まれた年、ルーズソックスなどもここからということです。

8曲目
「Better Days」Bruce Springsteen (1992)

3月にアルバムを2枚リリースしたスプリングスティーンの曲をついでのようにご紹介しました。

9曲目
「Tears In Heaven (Unplugged)」Eric Clapton (1992)

もう一つ、忘れてはならないブームということで「アンプラグド」についてご紹介しました。この年を代表するアルバムとも言えるエリック・クラプトンです。

10曲目
「Just Take My Heart」Mr. Big (1992)

ラストは大ヒット中のMr.Bigです。ベタで申し訳ないと言いつつ、もう30年前なんだということに愕然としております。


次回は「40年前の音楽シーン:1982年」特集です。お楽しみに。
番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

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