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7インチ盤専門店雑記689「在庫あり」

自分が好きな曲か否かは別として、7インチ盤専門店的にどうしても常に在庫がないと許せない盤がいくつかあります。おそらく何十曲か…、100曲程度だと思います。オープン当初からその感覚は維持しておりますが、全部が全部好きな曲というわけではありません。もちろん大半は好きな曲ですけどね。7インチ盤専門店の基本線というべきものですかねぇ…。常に数枚の余剰在庫がないといけません。

まあ絶対的な基本線、ビートルズの「レット・イット・ビー」「ヘイ・ジュード」、ジョン・レノン「イマジン」、シカゴ「長い夜」「サタデー・イン・ザ・パーク」、カーペンターズ「イエスタデイ・ワンス・モア」、キャロル・キング「イッツ・トゥ・レイト」、アメリカ「名前のない馬」、アルバート・ハモンド「カリフォルニアの青い空」、スティービー・ワンダー「迷信」、クイーン「ボヘ」、ローリング・ストーンズ「ホンキー・トンク・ウイメン」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、ロッド・スチュワート「セイリング」、10cc「アイム・ノット・イン・ラヴ」、ホール&オーツ「プライベート・アイズ」「ウェイト・フォー・ミー」「キッス・オン・マイ・リスト」、イーグルス「呪われた夜」「ホテル・カリフォルニア」、フォリナー「ガール・ライク・ユー」「アイ・ウォナ・ノウ」、キム・カーンズ「ベティ・デイヴィスの瞳」…。そしてこれらのアーティストは可能な限り揃えると…。

さらにこれらに加えて、個人的に好きな曲、例えばジョー・ジャクソン「ステッピング・アウト」、ブロンディ「ハート・オブ・グラス」、エルトン・ジョン「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」、ビヨルンとベニー「木枯しの少女」、スリー・ドッグ・ナイト、TOTO、ヴァン・ヘイレン各曲などなどといったところは、在庫の余裕を持ってやっております。

結局のところ、在庫の余裕などというものは、自己満足以外の何者でもないわけで、たまにこういうところで書いたり、店頭に並べてディスプレイしてみたりしないと意味がないですよね。また、売りボックスをくまなく見るのは結構時間がかかりますから、好きな盤はオーディオセットの近くに、何枚か出しっ放しにしておくようにします。ここは絶対に片づけ過ぎない方がいいんですけどね。適当にパタパタと探して「こんなんどう?」という感じで鳴らしてみると、音楽目当てでいらっしゃったわけでもないお客様も、「レコードって音がいいですね」などと反応してくれます。自分の好きな曲の音のいい盤でこういう話題の取っ掛かりにするのはイチバン楽しい会話の始め方です。

どうしても、リビングルームで鳴らすのと違い、ある程度のボリュームでスピーカーから鳴らしますから、低音がいい感じで響くことが重要でもあります。そしてヴォーカルの鳴りがリアルなこと、これはアナログならではの良さを伝える最高の手段です。加えて空間的な広がりを描出できる曲があればサイコーなのですが、なかなかそこまでは望めません。それでも、いい音で鳴っているということは、確実に伝わりますよ。最終的に盤をお譲りすることになったとしても、在庫の中から状態のイチバンいいものを選べるということは、意外なほど喜ばれますからね。


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