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7インチ盤専門店雑記617「アナザー・デイ」

「アナザー・デイ」、1971年2月19日リリース、ビートルズ解散後、ポール・マッカートニーによる最初のシングルです。歴史的に見ても貴重な名曲です。英国で2位、米国で5位、ちゃんとヒットしております。ビートルズのゲット・バック・セッション時には完成していた曲と言われますが、アルバム未収録曲です。7インチ盤の世界に限らず、貴重なものとなります。…ベスト盤には収録されていますけどね。

今朝「オール・ザ・ベスト」について書いたところ、コメントをいただきました。初めて買ったシングルが「アナザー・デイ」とのこと、思い出の一枚目がポール・マッカートニーというのは羨ましい話ですが、最初の方のベースが大きくなる辺りで針とびしたという残念な思い出でした。

そこで気になってしまいまして、「アナザー・デイ」の7インチ盤に針を下ろしてみました。針圧調整するようなターンテーブルではなくて、レコード・プレイヤーなどでは有りうるかもという音を探してみたわけです。自分は元々針圧高めで再生するもので、溝切りで針とびというのはあまり経験がありません。ただレッド・ツェッペリンのラウド・カッティングのように多くの証言が残っているものもありますから、興味がないわけではありません。とにかく最近は、同じタイトルの7インチ盤が複数ある場合などのケースで聴き比べをするのが面白くていけません。

ちなみに東芝音工アップル盤がいっぱいありまして、1枚だけ東芝EMI/キャピトル盤がありました。…聴き比べするアイテムとしては、あまり面白くないですね。

7インチ盤の音圧を感じてみたくて、「オール・ザ・ベスト」とは聴き比べてみましたが、当然ながら「オール・ザ・ベスト」はスッキリした印象で、リアルという点では7インチ盤に軍配を上げることになります。距離感が近いとでも申しましょうかね。聴き慣れているのが7インチ盤なので、LPがスッキリ聴こえてしまいます。

中古盤市場において、「アナザー・デイ」の7インチ盤は玉数豊富で、相場的にも300円〜500円程度、状態が凄く良ければ1000円などというものもありそうですが、高値がつく盤ではありません。それでも、53年前にリリースされたものであること、元ビートルズのポール・マッカートニーの解散後最初のシングルであること、英米でヒットしており実績もある曲であること、アルバム未収録曲であること、…などなど諸条件を考慮すれば、もう少し高値でも良いのではという気がします。如何せん53年の時が経過してもなお、当時と変わらぬ良音を聴かせるわけで、そこはこの曲に限った話ではありませんが、レコードは凄いなと思う次第です。

そして、あらためて思うのですが、「オール・ザ・ベスト」のC面「Live And Let Die」に続いて出てくる「Another Day」、次の「Maybe I'm Amazed」に繋がる流れはなかなかのものです。妙に座りがいいといったところです。このベスト盤の曲順、しっかり練ったんでしょうね。


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