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7インチ盤専門店雑記380「アート・ペッパー」

中古盤には前オーナーの痕跡が残っているものが多く存在します。レンタル落ちのようにきれいに剥がせないシールなどが貼ってあるものは、思い切り価値が下がります。ヘタクソな筆跡でサインされてしまったものは、状態にもよりますが、レンタル落ちほどではありません。ただ、何とも気の毒というか、悲しい気分にもなります。面白い書き込みなどは楽しむ心のゆとりを持つべきでしょうか。

こういうのは、どーにも…

中にはどこぞのジャズ喫茶で使われていた店舗所蔵印が押してあるものもあって、有名店だったりすると、個人的にはちょっと嬉しかったりもします。ヘッダー写真の盤は知らないお店の所蔵印がありましたが、何だか面白くなって、ネットで調べたりして遊んでしまいました。

この程度なら「茶シミよりはまし」程度に捉えております。

これ、DIWのリリースですが、放出してよかったんですかね?他人事ながら気になってしまいました。貰い物ではなくてプロモーションならいいんですけどね…。

さて盤の中身はアート・ペッパーです。ウィズ・カール・パーキンス・トリオですが、長らく未発表だった幻音源です。ロックンロール黄金時代のギタリストのカール・パーキンスではなくて、西海岸のピアニストです。1958年に29歳という若さで亡くなった人です。デクスター・ゴードンの盤に参加していたりしますね。

アート・ペッパーもカール・パーキンスも、別に嫌いでもない好きな方のアーティストですが、じゃあ集めるかというと、後回しになってしまった人たちです。何度か書きましたが、私はズート・シムズが好きなので、アート・ペッパーも好きという聴き方ですから、ズートもコンプリートには程遠い段階でアート・ペッパーを集めるかというと、なかなかそうはなりません。ズートのアナログレコードは、ものによってかなり高額だったり入手困難なものがありますからねぇ…。

おそらく音楽の聴き方に多分に影響を与えているように思いますが、私はズートにロリンズにコルトレーンが好きで、スタン・ゲッツやら優しい音色の人がダメな人間です。ズートもアートも、BGM的に聴くジャズとしては極上の存在です。一方でボリュームを上げて、スピーカーと対峙するような聴き方ではものを選びます。ワンホーンものでしっかり吹ききる様を追って行くように聴くのが好きだったりしますから、ながら聴きは最近やっておりません。結果的に7インチ盤でサクッと優良録音を楽しむというシチュエーションは、なかなかに楽しめます。

外周に寄せた溝切りなどはオーディオ趣味的に語るべきものですかね…。前オーナーさん、お気に召しませんでしたかね?


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