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7インチ盤専門店雑記583「Nilsson Sings Newman」

半年ほど前にニルソンについて書いたことがあります。そこにはジャケット写真だけ紹介した「Nilsson Sings Newman」というアルバムがありまして、ハリー・ニルソンによるランディ・ニューマン・ソングブックです。シンガーとしてのニルソンが高く評価された一方で、商業的には結果が出せませんでした。単なるニューマン曲集ではなく、ピアノはランディ・ニューマンが弾いておりますから、結構面白いアルバムなんですけどね。

一方で、シンガー・ソングライターのポール・ウィリアムズが1974年にリリースしたアルバム「Here Comes Inspiration」の冒頭にも「Nilsson Sings Newman」というタイトルの曲が収録されております。1分にも満たない小品です。「ニルソン・シングス・ニューマン」ですから、何か関係があるのかと思うではないですか。まったくもって混乱させてくれますが、以下のような歌詞で、ニルソンもランディ・ニューマンも登場するものの関係はないですね。

Do you love me babe
Do you love me not
Let's decide in the morning not now
Do you love me babe
Do you love me not
Let's decide in the morning not now

You don't like Schumann
Or Randy Newman
And Nilsson's not your cup of tea
You say Van Heusen is the shirt worth choosin'
But you're still undecided about me

Do you love me babe
Do you love me not
Let's decide in the morning not now

クラシック好きな女の子と恋のかけひきをしているような内容ですが、シューマンとニューマンとシャツ・ブランドのヴァン・ヒューゼンが軽く韻を踏んでいるんですかね。「好みではない」という意味のnot my cup of teaという熟語が古臭いテイストを内包しているあたりで、クラシック好きな女の子とのやりとりなんだということをあらためて思い起こさせるんでしょうね。おそらくヴァン・ヒューゼンというブランドも古臭いんでしょうね。…結構シビアですねぇ。ニルソンやニューマンは新しい感性の象徴なんですかね。

このアルバムには「That’s What Friends Are For」という、ディオンヌ・ワーウィックがナンバーワン・ヒットにしたバカラック・ナンバーと同じタイトルの曲もありまして、やはり混乱させてくださいましてね。バート・バカラックが曲を作る時に意識したかもしれませんが、同名異曲にしてもねぇ…。「Love」とか「Stand By Me」とかではないですからねぇ…。

ちなみに、このアルバムにはカーペンターズのカヴァーが有名な「雨の日と月曜日は Rainy Days And Mondays」の作者ヴァージョンも収録されております。誰もが認める名曲です。 ただし、手元にある盤は、残念ながら盤質Cレベルです。聴けますけどね。

まあ月曜日が鬱々しているのは世間の共通認識でしょうが、ここで降っている雨はシトシト雨ですよね。先日降った熱帯のスコールみたいな雨じゃあないですよね。…土砂災害危険情報とかカンベンだしなぁ。この季節に聴いてはいけない曲かもしれませんね…。

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