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7インチ盤専門店雑記394「1993年の英国で…(1)」

1993年10月1日、ダイアナ・ロスの「One Woman」というベスト盤がリリースされます。滅多やたらとベスト盤をリリースする人でして、Wikipediaに掲載されているディスコグラフィで数えても18枚目のベスト盤です。活動期間も長ければ、売れてもいましたから、ベスト盤がいっぱい作られるのも分かりますよね。何せシュープリームス時代に12曲、ソロになってからも6曲のナンバー・ワン・ヒットを持っていますからね。ビートルズについで史上2番目とか…。

ただ80年代以降は大したヒットには恵まれておりません。1981年にライオネル・リッチーとデュエットした「エンドレス・ラブ」が最後の大ヒットですかね?あれは年間チャートでも1位でしたからね。84年のマーヴィン・ゲイを追悼した「ミッシング・ユー」も少しは売れましたっけね?…「We Are The World」で歌っていたのはよく憶えていますけどね。

バブル絶頂期の日本では、1990年に「想い出にかわるまで」という今井美樹さん、石田純一さんあたりが出演していたドラマの主題歌に使われた「If We Hold On Together」がヒットしてますが、これはドラマ絡みですから、海外では全くヒットしてないはずの曲なんですけどね。英語版のWikipediaでは記述がなく、シングル・カットされたかどうかも分かりません。

ただこの「One Woman」というベスト盤、英国のアルバム・チャートでNo.1になってしまいます。1993年の英国で何があったんですかね?他のベスト盤はさほど売れず、何でこれが?選曲はソロになってからが2枚組の3面を占めており、シュープリームス時代が少ない偏ったものです。しかも「If We Hold On Together」も収録されているんです。店で流しているとお客様が反応するので有り難いんですけどね。昨日も複数のテーブルで今井美樹さんの話題になっておりましたからね…。

つい先日も書きましたが、個人的にはシュープリームスとか好きなので、実はこのベスト盤の選曲が許せないクチです。「Baby Love」や「You Can't Hurry Love」は収録されているんですけど、「Stop! In The Name of Love」が入ってないのはいけませんね。ただこれ、1993年リリースのUK盤アナログ2枚組なわけで、音質が凄いことになっているんです。低音が引き締まっていて、7インチの国内盤とは随分違う鳴りです。まあ、ダイアナ・ロスをUK盤的な音で聴きたいか…というところですね。

でも何で1993年の英国で、ダイアナ・ロスがウケましたかね?1994年に入って直ぐに公開されたテレビドラマで久々演技が評価されたりしておりますが、英国では公開の記録がありません。不思議なんですよねぇ…。

年表を眺めていて答えが見つかることでもなさそうですが、何か理由があるでしょうに…。90年代のベスト盤がアナログで聴けるだけでも十分貴重なんですけどね、選曲がね…。2枚組なら1枚はシュープリームスですよねぇ。贅沢を言っちゃいけませんかね…。

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