7インチ盤専門店雑記336「Rocky Mountain Way」
ジョー・ウォルシュの1973年の「Smoker You Drink, Player You Get」からシングル・カットされた大ヒット曲「ロッキー・マウンテン・ウェイ」ですが、1973年10月20日発売、もうすぐ50年という月日が経とうとしております。先般からイベントの関係もあって、7インチ盤の盤面ばかり眺めているのですが、だんだん盤面を見ただけで、これは音が良さそうだということが判るようになってきました。もちろんいっぱい再生した形跡のある状態の悪い盤やキズが多い盤は論外です。一定のクオリティを維持するため、状態の悪い盤はお店に置いてません。キレイな盤面で、カッティングの状態がいいか悪いかという部分です。
溝の太さというのは、いちいち盤面をみないといけないわけです。スリーヴ等に表記されているわけではありませんからね。しかも同じ7インチ盤でも、ジェネレーションで随分違うもので、曲を脳内再生しながら「どうしてこんなに溝が細いのかな」といった部分ばかり眺めております。
そこで「シングル盤をプレスするとき、どうして編集するのかな?」といったことも考え始めましてね…。気になってしまったので、長めの曲のシングル盤をいくつか取り出してきて、チェックしてみました。その中の一枚が「ロッキー・マウンテン・ウェイ」なんです。アルバム・ヴァージョンは5分15秒に対して、シングル盤は3分40秒、…ウェブの情報がどうも信用できなくて、自分で計測しました。
さて、この短い「ロッキー・マウンテン・ウェイ」、結構盤面いっぱいいっぱい使って溝が切ってあります。溝は太いというわけです。これ、レス・ポールの図太い音が魅力の曲ですから、理に適っております。某ディープ・パープルのような荒いエディットではなくて、丁寧な編集が好印象です。イントロはLPヴァージョンの47秒に対して、7インチ・シングルは25秒しかありませんから、ラジオ・エディットといった具合です。忙しい現代人向けに最近の曲はイントロがどんどん短くなっていると言いますが、昔から考えることは同じだったのかもしれません。アルバムで聴き馴染んだ同曲がかなりメリハリのきいたいい音で聴けます。優良録音のイベントで使えそうないい鳴りです。…よしよし。
しかもこの盤、見本盤です。スリーヴはありません。どういう配布の仕方をしたか分かりませんから、こういうものだといわれれば、ああそうかといった程度です。レーベルに情報がいっぱい載せてあるので、スリーヴ無しの状態で提供されたような気がします。盤の状態が非常にいいので、汚損・紛失したとも思えないわけです。
それにしても「ロッキー・マウンテン・ウェイ」のシングル盤は見かけません。如何せん50年前のヒット曲ですが、当時から探しております。それでもこれまで一度も見たことありません。…まあ、早々にLPを購入しましたから、探し方に身が入ってなかったかもしれませんが、でも、ずっと探していることはいるんです。これとか、イエスの「ラウンドアバウト」とか、ZZTopの「タッシュ」とか、プレス枚数が相当少ないんですかね、見かけませんね…。
何だかんだと紆余曲折の人生を歩んでいるジョー・ウォルシュという御仁、単に明るい酔っ払いオヤジというだけではないことは何度も書いてきましたが、自分にとっては年齢を重ねるほどに魅力が増している人物です。高齢社会のモチベーション云々の話題も含め、最近聴く機会が増えております。
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