7インチ盤専門店雑記652「ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニューズ」
ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニューズ、1980年代を代表する音ではあります。ヒットしていた時期が見事に80sにハマりますから、当然その時代の象徴的な存在として記憶しております。でも何で90年代に入って思い切り失速しましたかね?ウィキペディアなどではレコード会社との確執のように書かれておりますが、実際に90年代に入る頃からレコード会社を転々とします。好きなバンドだっただけにちょいと残念ではありました。
ヒューイ・ルイスの意外な側面については以前に一度書いております。
あっけらかんとした明るいアメリカン・ロックのイメージではありますが、アメリカという国のダーク・サイド、ヴェトナムの後遺症みたいな部分を歌った「ウォーキング・オン・ア・シン・ライン」という曲に関しては、決して忘れることはできません。来日公演のときも、随分詳しく歌の内容を説明してから始めておりました。そしてその来日公演の時のライヴ映像と思われる動画がYouTubeにアップされております。30周年記念のリマスター音源とこのライヴがヒューイ・ルイスの公式として挙げられておりまして、どういう事情なのか存じ上げませんが、日本人が真面目に反応しているからなんですかね。随分客席も映しております。
そもそも、ヒューイ・ルイスという人物、アイルランド系のアメリカ人でして、血筋的に真面目なのかも知れません。この曲は70年代に組んでいたクローバーというバンドのメンバーが書いた曲です。80年代のノーテンキな雰囲気からは想像もつかないわけですが、実は裏で新人アーティストの支援など真摯な活動を続けていた人ですから、人は見かけによらないというヤツです。
…そんなに不真面目な人間に見えていたわけではありませんよ。でもこの人たちの大好きな曲に「ヒップ・トゥ・ビー・スクエア」というのがありまして、コレのMVは私が知る限り、史上最高に鬱陶しいヴィデオです。
…フツー、やらないと思います。
時々、お客様と「このアーティストではどのアルバムがおススメか」という話になるのですが、ヒューイ・ルイスに関しては特大ヒット「Sports」以外をおススメするのはなかなか勇気が要ります。それでも実はイチバン好きなアルバムは1994年のカヴァー集「Four Chords & Several Years Ago」だったりします。ここに収録されている「Some Kind Of Wonderful」のカヴァーが大好きなんです。音楽を演奏することの楽しさが音から溢れ出ています。
本当は1988年の「Small World」というアルバムも好きです。これを言うと、どうしても捻くれているような印象になってしまいますが、おそらく「Sports」は聴き過ぎてしまったんだと思います。加えて映画「Back To The Future」で使われた「The Power Of Love」という大ヒットもありますし、この連中のおススメはなかなかに難しいことになります。「Perfect World」はやはり好きですけどね。
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