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7インチ盤専門店雑記058「ウォーキング・オン・ア・シン・ライン」

「ウォーキング・オン・ア・シン・ライン Walking On A Thin Line」ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース Huey Lewis And The News (1984)

いかにも80sなヒューイ・ルイスですが、時間が経ってしまって、あれだけたくさんヒット曲があったのに、ラジオでは映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で使われた「パワー・オブ・ラヴ」しかかからなくなってしまったような気がします。ラジオ番組などというものは、意識して「他にもいい曲あったよね」という趣旨で選曲しないと、だんだん最大ヒットしかかからなくなっていってしまうもののようです。

1983年リリースの大名盤「スポーツ」からの5枚目のシングルですが、ノーテンキなようでいて、こういったシリアスな歌詞の曲も歌うんだということで、ちょいと驚かされた曲です。ライヴでも歌詞の内容を細かく説明しておりましたが、ヴェトナム戦争の退役軍人や傷痍軍人について歌ったものなんです。元々は、ヒューイ・ルイスが70年代に所属していたクローバーというバンドのメンバーが書いた曲です。

まあ、「ディア・ハンター」の世界観とでも申しましょうか、忘れてはいけないはずの80sの空気感の一つに、病めるアメリカというものがありました。一部のアメリカ人は、好景気に沸いた80年代を通して、ヴェトナム戦争への後悔を歌にしましたが、愚かなアメリカは90年代に入っても湾岸戦争などといった愚かなことをやっていたわけですからね。1991年1月17日の多国籍軍による空爆のニュースは忘れられません。駅の売店やコンビニなど走り回って可能な限り新聞を買い集め、情報収集したときのことを今でもリアルに思い出します。ドナルド・トランプも嫌いですが、ブッシュ親子は吐き気がするほど嫌いです。

まあ、だからと言って、世界を二分しようとするような露中に迎合したいわけじゃないですけどね。このままだと日本も愚かしい戦争に巻き込まれてしまいそうな気がして嫌な気分です。ノーテンキにロックンロールでも楽しんでいられるのが一番なんだけどなぁ…。


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